「ねえ、今度一緒にジャズやろ。お前ドラムできんだろ?」
そういわれたのは、つい最近の事。確か・・・・・・先週の火曜、いや水曜だっけ?
「なんか、周りの奴らが噂してたぜ、お前の事。メチャメチャ出来るんだってな?」
それは皆、素人だから上手く見えるんだ。そういうと、そいつは声を上げて笑った。
「でも、どっちにしろすげえってよ。やるじゃん」
別に何も。チョイ習ってただけだよ。そしたら、また笑いやがった。
「じゃあ、そいつを生かせばいいじゃねえか?どうだ?俺たちと組まねえか?」
何をだよ、って訊いてみた。答えは分かりきっているが。
「決まってんだろ。バンドだよ」
あったりまえだろ。そいつはニヤけた。嫌な笑い方だ。
「嫌だ」俺は即答した。
「何故!?」
「似合わねえんだよ、大体。俺にはバンドなんて、ダメだ」
すると、そいつはハアッとわざとらしくため息をついた。「わかってねえなあ。バンドには似合う似合わねえなんて関係ねえよ。いい演奏が出来ればそれでいいんだ」
「・・・・・・」俺はどこかのホールにいて大勢の観客の前で演奏している自分の姿を思い描いて見た。・・・・・・絶対無理。おっ、新しい四字熟語か?
「絶対無理」
「いいや、無理じゃあねえ。絶対やれって。お前なら出来る、っていうか似合う!女子達からキャーキャー言われる!俺が保証する!」
ンなモン、保証されんでもいいわっ!
だが、そいつはしつこく引き下がってきた。
「お願い!とりあえず、一ヶ月だけやってみて。それから考えればいいだろ?一ヶ月だけだって!」
「・・・・・・」
一ヶ月って・・・・・・。
「長げえよ」
「じゃ、じゃあ二週間。これでいいだろ?最低でも一曲あわせるのにこれぐらいは必要だ」
そうか?
「三日でできんじゃねえのか?」
すると、そいつは目を見開いて俺をじっと見つめた。
そして、ボソッと呟いた。
「お前・・・・・・天才じゃね?」
ああ、お前よりは成績いいし、スポーツも出来る。その点は既に承知の上だ。お前からしたら、確かに天才かもな。
「ああ、(お前からしたら)天才だ、俺は」
「認めたあ!こいつナルシだあゴべッ!」
「黙れ!じゃないと入らん!」
「えっ?」突然そいつの目が輝いた。
「・・・・・・ってことは入る、って事・・・・・・?」
「三日だけな」
「イエ~イ・・・・・・ってゼンッゼン喜べましぇ~ん」
チッ。俺は舌打ちした。
「いやいやいやっ。すっごく嬉しいです!もお、マジ!ホント!有難う有難う!」
なんて態度の変わり方が激しいんだ!ホント、騒がしい奴だ。
「じゃあ、他のメンバーに伝えときまっす」
そいつは走り去っていった。
っていうか、「他のメンバー」って誰だよ?
バンド系?っって思われる方も多いと思われますが、これは列記としたコメディーなので・・・ハイ。