お越しいただきありがとうございます。
夏休みも四日目。家にずっといても平気なしろくろです。
家族からは呆れられていますが、全く苦になりません。
お陰でお話もだいぶ進みました(‐^▽^‐)。
仕事が始まればまた停滞する事間違いないので妄想にひたすら励みたいと思います。
読み返しをしていますが、誤字・脱字等ありましたら寛大な心でスルーしていただけると助かります。
ではお話に。
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控え室の前に着くと先に歩いていたミナムが立ち止まり後ろを振り向いてミニョを見た。
「開けるけど・・・」
ミニョは覚悟を決めたように頷いた。
二人が何を考えているのか分からないシヌとジェルミは一歩下がって様子を見ることにした。
「ヌナ、遅くなってゴメン。
予想以上楽しくって、ねぇジェルミ」
いきなり名前を呼ばれたジェルミは控え室前でミニョを見ていたミナムと違う姿に戸惑ったが話を合わせる様に後ろから顔を出しグッズ販売の成果を自慢げに話し始めた。
一緒に戻ったミニョは目立たないよう部屋の隅に立ち、シヌはテギョンを見て空いた椅子に座って身振り手振りを加え話すジェルミとミナムを見ていた。
時々テギョンの顔色を窺うようなミニョの姿が気になった。さっき会った時薄っすら赤い目をしていたミニョ。
泣く理由は一つしかないはずだ。入りの時間より早く会場に来たテギョンの行動はミニョの為としか考えられない。
自分が来るまでの間何があったんだろうか?。
ミニョを気遣いワザとらしいほど明るく振舞うミナムも気になった。
「俺達が売り場に立ったから予想以上に売れたんだ。アン社長も大喜びで“四人で立ったらもっと売れたかも”って。
頑張ったから冗談のつもりで今日のパーティー費用を出して貰えるか聞いたらOKしてくれるたんだよ、ご褒美にって。ヒョン、俺達偉いでしょ?」
ミナムがテギョンを見て言うと半分呆れたような顔をして頷いた。
「今日のパーティーは大いに盛り上がれるね、ライブの後の花火を見ながら皆で楽しく出来そう。会場に来てくれたみんなの為にライブ頑張らなきゃ」
ジェルミの頭の中はライブを通り越しすでにパーティーをしている様子が浮かんでいた。
「俺達が売り場に立ったから人が集まってグッズがいつも以上に売れ始めたら他の所も同じ事し始めちゃって。
お客さんが会場になかなか入らなくて最初の方に歌う人たちに迷惑かかるからタレントは一斉に売場から引き上げさせられたんだ。
あのままずっといたら全部売れたかもしれないのに」
残念だったがファンと直接会えて嬉しかったと二人は機会があればまたやりたいと言っていた。
日頃、事務所に行けないファンの子達はこの貴重な機会を逃したくないと会場に入るより売り場に集まってしまったようだ。
一気に喋り終えると急にお腹が空いたとジェルミとミナムはテーブルに用意された果物やお菓子を食べ始めた。
「お腹空いたでしょ?。今、マー室長がお昼を持って向かっているからちょっと待ってて」
ワン・コーディが言うとミニョは手伝いに行くと急いで控え室から出て行った。
「俺も手伝いに行こうかな?」
ミニョの後姿を見たジェルミがそわそわして出て行こうとすると“すぐに戻るだろう”とシヌに止められ仕方なく入り口が開くのを待っていた。
控え室を出て直ぐの所でミニョは両手に食べ物の入った紙袋を重そうに提げているマー室長を見つけた。
急いで駆け寄り片方の紙袋を受け取り一緒に並んで控え室に向かった。
「今日はお手伝いしてくださるんですね、助かります。シスターがいるときっとテギョンも安心してライブを出来ると思います」
「皆さんのお役には立てそうにもありまでんが・・・。マー室長、今はシスターではないですから普通に名前で呼んで下さい」
恥ずかしそうにミニョが言った。
小声でミニョの名前を何度か練習をしたマー室長だがやはり慣れた言い方のほうがと言うとミニョは笑って頷いていた。
二人が控え室に着くと待ってたとばかりにジェルミとミナムが紙袋の中を覗いていた。
テーブルの上に広げられたテイクアウトのお弁当やサンドイッチ、お菓子を見てテギョンとシヌにどれが良いか聞くとテギョンは今は要らないと首を振りシヌは先に選んで良いよと言ってギターを触っていた。
「準備するまで少し時間があるか?」
テギョンがワン・コーディに聞き“一時間位なら”と答えるとテギョンは外に出て行こうとした。
「外に行くの?。だったらミニョ、テギョンが途中お水を飲みたくなるかもしれないから何本か持って付いて行ってくれない。
何処がで迷子になるかもしれないからちゃんと連れて帰って来てちょうだい」
テギョンは口を尖らせワン・コーディを睨み、ミニョは水のボトルを持てるだけ持とうとした。
「二本で充分だ」
そう言うとテギョンは控え室から出て、ミニョは水のボトルを二本だけ持ち小声で“いってきますす”と頭を下げて置いていかれない様にとテギョンを追いか掛けた。
二人が出て行くとワン・コーディは声を出さないよう“大丈夫よ”と心配そうな顔をしたミナムを見ながら言った。
控え室を出て行った二人をシヌ、ジェルミ、ミナムはそれぞれ色んな事を考えていた。
長い足で歩くテギョンの後ろを小走りで一生懸命追いかけるミニョ。パタパタと聞こえてくる足音が気になり時々振り返るテギョン。
控え室から大分離れると歩くペースを落とし始めた。
テギョンの歩くスピードが落ち追いつくと肩で大きく息をするミニョを見て苦笑いしていた。
「運動不足なんじゃないのか?」
苦しくて体を折りながら息を整えているミニョを見下ろしていた。
「オッパ・・・の・・・歩くスピードが・・・早いん・・・です。わざと・・・ですよね」
息が上がって上手く話せないミニョは少し苦しそうにテギョンを見上げた。
「お前と俺では足の長さが違ったな。トッキのお前ならこの位のスピードは大丈夫と思ったが・・・やっぱり無理なようだな」
片側の唇を上げながら頬を膨らましているミニョを見て言った。
「足の長さが違うって分かっているならもう少し気を使ってくれても良いのに・・・」
テギョンに聞こえないようミニョは小さな声で呟いた。
「はぁ?。この俺が誰に気を使うんだ?。俺の為に水を持つのが今のお前の仕事なんだから俺に合わせるのが当たり前だ」
納得いかないと思いながらも“すみません”と頭を下げたミニョにテギョンは右手を差し出しニヤリと笑った。
差し出された手とテギョンの顔を何度か見た後、ミニョは水のボトルが落ちないように片方の腕で抱え、空いたほうの手を恥ずかしそうにテギョンの右手の上に重ねた。
「コ・ミニョssi・・・、周りにどれだけの人が見ているか分かっているよな?。
手を繋ぎたい気持ちは良~く分かるが・・・。俺は構わないがコ・ミニョssiは大丈夫なのか?」
慌ててテギョンの右手に乗せた自分の手を引っ込め真っ赤な顔をして周りを見渡した。
「み・ず」
一言一言テギョンがハッキリと言うとミニョは俯きながら水のボトルを一本手渡した。
「勘違いもお前らしいな。暑いからお前も小まめに水分を取らないと倒れるぞ」
ミニョの持っているもう一本の水を見ながらテギョンが言った。
「大丈夫です、元気だけが取得ですから。戻ったらちゃんと飲みます」
もう一本の水もテギョンの物だと大事そうに抱えた。
「お前の分も合わせて二本持って来させたんだ、ちゃんと飲め。
ここでお前が倒れたら俺がヌナやミナムに何と言われるか・・・。黙って言う事聞け」
周りに迷惑を掛けてしまうのは申し訳ないとミニョはもう一本のボトルを開けようとするがキャップがきつくなかなか開けられない。
開けようと必死な姿にテギョンは笑いを堪えた。
「キャップも開けられないのか?。全くお前は俺がいないと何も出来ないのか?」
呆れた振りをしてミニョからボトルと奪うと簡単に一瞬でキャップを開けてミニョに返した。
「何も出来ないなんて・・・。キャップが開けられない位でそんなに大袈裟に言わなくても・・・」
聞こえないように呟いたつもりがテギョンに聞こえていたようでキッと睨まれバツの悪そうな顔をしてミニョは俯いた。
テギョンは水を口に含んで飲むと今度はミニョに合わせて歩き始めた。
ゆっくりとした足取りにミニョも少し離れ後ろから付いて行くと人差し指を立てもう少し近くに来るように言った。
近付き過ぎないように距離を保ち時々テギョンの横顔を見てミニョは嬉しそうにしていた。
「さっきは悪かったな。ヌナに聞いた」
前を向いたままテギョンが言った。
「あっ、私の方こそすみませんでした。すぐに言えば良かったんですけど」
テギョンにだけ聞こえるように呟いた。
「今はこれ以上は話せないからライブが終わったらゆっくり話をしよう」
前を向いたままのテギョンの横顔を見てミニョは頷いた。
ステージ近くに来ると既にライブ始まっていてステージから今最も人気があると言われるガールズグループの歌が聞こえ会場からはその歌が消される位の大きな声援が聞こえてきた。
ステージ横には次の出演予定のグループが緊張した面持ちでステージを眺めていた。
テギョンがステージ横に近付くと周りのスタッフが頭を下げ声を掛け始めた。
仕事の表情に戻ったテギョンを見てミニョは邪魔にならない様そっと離れた所からテギョンを見つめていた。
メンバーと一緒に居る時とはまた違った仕事の顔。ミニョと二人っきりの時だけ見せる優しい顔。どの顔もミニョは大好きだ。
少し離れた所でス仕事の顔をしたテギョンを見ながら時々自分の胸に沸き起こる疑問を再び自分に問いかける。
(オッパの横にいるのは本当に私で良いんでしょうか?。もっともっとオッパに相応しい方が何処かにいらっしゃるのではないでしょうか?。)
親しげに声を掛けてくる女性タレントに仕事の顔とはいえ笑顔を見せるテギョンの横顔を見ると胸が苦しくなり自分の存在を否定したくなる。
テギョンが世間に公表しようと言う度に頭の中で大勢の人の前に立つ自分達を想像する。
祝福よりも余りにも違いすぎる二人に“どうしてミニョを選んだのか?”と質問する記者の声とカメラのフラッシュが光る。
この先の期待や希望よりテギョンと離れなければならない時が来たらどうしようと不安だけが残る。
無意識に暗い表情をしぼんやりしているとテギョンと目が合い慌てて微笑んで見せた。
テギョンは話し相手に挨拶をしミニョの所に戻ると帰りは並んで控え室に向かって歩き始めた。
「待ってる間、また変な事考えていただろう?」
前を向いたままミニョに話しかけるとミニョが驚いたように瞳を左右に揺らした。
「お前は嘘が下手だからな。思った事も正直に顔に出るから助かるが・・・。
また“どうして・・・?”、“何で・・・?”そんな事ばかり考えていただろう?。
お前が見ている今の俺は仮の姿だ。本当の姿はメンバーにだって見せてはいない。
お前と二人でいる時の俺が本当だと思え。
俺もジェルミ達が知らない俺だけの本当のお前を知ってるから」
意味ありげに言うとミニョが不思議そうな顔をしてテギョンを見た。
「本当の私ってどんな私ですか?」
周りの人を気にしながらミニョはテギョンに何回も聞いていた。