お越しいただきありがとうございます。
本日から夏休みに入りました。特に予定も入れておらずDVD三昧と録画してまだ見ていない「ラブレイン」を一気に見てしまおうと思っています。
このお休みを利用してお話も少し進めていけたらと思っています。
相変わらす不定期更新ですが空いた時間に覗きに来てくださると嬉しいです。
ではお話に。
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**夏フェス前日**
リハーサルの為、A.N.JELL”のメンバー4人は朝からイベント会場に来ていた。
舞台の裏には簡単だが控え室がいくつか設置されキャリアの浅い新人達は何組か一緒に大き目の控え室を与えられ、“A.N.JELL”のように名実共にトップのグループにはそれぞれ一組ずつ控え室を与えられていた。
控え室で準備をしていると次から次にリハーサルを行うグループが挨拶にやってくる。
入り口から一番離れた所で目を瞑り椅子に座って音楽を聴いているテギョンは誰が来ても無反応でシヌは会釈のみ、もっぱら笑顔で挨拶に応えるのはジェルミとミナムだった。
「ねぇ、会場を見に行こうよ。早い人達のリハーサルはもう始まっているみたいだよ。野外のイベントに参加するのは滅多にないし」
控え室の外から聞こえてくる大きな音にジェルミが耳を傾けていた。
四人は揃って控え室を出て、客席側に行きステージから一番遠いところでリハーサルをやっているのを眺めていた。
「会場広いね。いつものコンサート会場とか比べ物にならない。どのくらいのお客さん入るんだろう?」
四人は会場全体をグルリと見回していた。
「ステージから後ろまで結構距離あるんだね。音は聞こえるけどモニター見てないと顔は豆粒みたいだもん」
会場の数箇所に設置された大きなモニターを見ていた。
「俺達は来てくれたお客さんが喜んでくれればそれで良いだけだから。リハーサルこそしっかりやらないと本番で最高の演奏は出来ない。誰のファンであっても皆が同じように楽しんでくれないとな」
テギョンの言葉に3人はステージを見ながら頷いた。
「歌う曲はミナムのソロを一番に持ってくるか・・・。ミナムが良ければ今回お前の曲で全部やっても良いぞ。俺は演奏だけに集中してやれるからその方が気が楽だしな」
「ヒョ~ン、そんなぁ。こんだけ広い会場は初めてで俺達のファンじゃない方がきっと多いのに・・・。アウェーの所で俺の曲だけなんて無理、無理、絶対無理!。
ヒョンのファンが絶対許さないよ。俺、ネットで叩かれちゃうよ。それにミニョが絶対ガッカリするに決まってるって」
“オッパの歌ってる姿が見られないなんて・・・”
ミニョの口真似をしガッカリした表情をし上目遣いでテギョンを見た。
「お前・・・。ミニョはチケット持ってないんだ。用意すると言っても買えなかった人達に悪いと言われたから会場には入らないだろ」
ふざけてるミナムを睨みながら言った。
「ヒョン分かってないなぁ。要らないって言ってるのは口先だけだよ。本当はヒョンを見たいに決まってるよ。“恋人なんですからチケット用意してください”あいつが言う訳ないでしょ。演奏に間に合うように来るに決まってるって。、ミニョとヒョンの為に俺がステージ横でヒョンの歌う姿見せようと思ってるから。だから・・・お願いだか俺のソロだけは勘弁して貰えないかなぁ、ねぇ」
最後はミニョの真似をしてテギョンの腕にすがるようにしていた。
「全く・・・。曲は最初から決まっているんだ。今更お前の曲だけに変更するはずはないだろう。いつもお前がふざけてるからちょっとからかってみただけだ」
そう言うとテギョンは暫く他のグループのリハーサルを見ようと前の方に歩いて行った。残った三人はテギョンの背中を見て唖然としていた。
「ヒョンって冗談言うこと今迄あったっけ・・・」
ジェルミがシヌをみると首を横に振っていた。ミナムがメンバーに加わり、ミニョと付き合うようになってテギョンも人間らしくなったと笑っていた。
リハーサルの順番がまわってきて“A.N.JELL”もテギョンのボーカル曲を二曲、ミナムのボーカルの曲を一曲歌い問題なく終えた。
リハーサル中ステージから一番遠いところで演奏を聞いていたマー室長はメンバーに近付き、音も後ろの方まで届いていたと言うと四人はホッとした表情をしていた。
「夕方アン社長が来るから夕飯一緒に食べようっと言ってたぞ。場所はホテルの中のレストランにしたみたいだから7時には全員ロビーに集まってくれって」
四人は控え室に戻り午後からもう一度最初から通してのリハーサルを終え、ホテルに戻る事にした。
約束の時間になり、メンバーそれぞれロビーに降りてアン社長を待っていた。
「意外と会場では会えなかったわね」
声のする方を全員が振り向くとそこにはユ・ヘイが立っていた。
「ヘイもここに泊まってるんだ」
ミナムが嬉しそうにヘイのそばに駆け寄った。
「知ってたくせにワザとらしい言い方するのね。あら、可愛い恋人は一緒じゃないの?
からかう様に言うとテギョンは口を尖らせ不愉快そうに横を向いた。
「ヘイ、ちょっと良い?」
ミナムはヘイの腕を掴んでメンバーと離れた所に連れて行き何やら話をして帰ってきた。ヘイがその場から居なくなる時も三人にワザとらしい笑顔を振りまき手を振って外に出掛けて行った。
「相変わらずだね。ミナムは何でヘイssiと付き合ってるんだろう?」
ジェルミが理解できないと首を振りながらシヌに聞いた。
「ミナムにしか分からない良さが有るんじゃないのか?。ミニョにしか分からないテギョンの良さがあるのと同じで・・・」
ヘイが立っていた所を眺めながらテギョンに聞こえないようにシヌが呟くとジェルミが“良さ?”分からないと肩をすくめた。
「遅くなった、さぁ食事に行こう」
ミナムがメンバーの所に戻ったのと同じくらいにアン社長が来てメンバーとマー室長はホテルのレストランに向かった。
個室に通され回りを気にせずゆっくりと食事を始めた。
「リハーサルはどうだったんだ?。完璧か?」
「大丈夫だよね。会場が広くてビックリしたけど音もちゃんと後ろの方まで聞こえるみたいだし」
ジェルミがテギョンやシヌの方を見た後アン社長に話すとテギョンも一瞬社長の方を見て頷いた。
「そうか・・・だったら良かった。後は雨さえ降らずに終わってくれれば良いな。明日、イベント開始はお昼からだけど俺はその前から会場横でグッズの販売をやる予定だからアルバムの売れ行きを見てくる」
「たまには社長が働いてくれると助かります。明日はいつも以上にアルバム販売に力を入れて来て下さい。俺達も演奏に集中しますから」
持ってた箸を置いてテギョンは皮肉タップリに言うとアン社長は顔をしかめていた。
「近くで出演者のグッズ販売するんだ。社長、俺ちょっと手伝いましょうか?」
ミナムが言った。
「お前が行ったら会場が大騒ぎになるんじゃないのか?」
テギョンが心配そうに言った。
「俺はヒョンほど人気も無いし短時間ならそうパニックにはならないよ。直接ファンの子達にも会えるし、ジェルミも一緒にやろうよ。一緒にやってくれたらジェルミが喜ぶ物用意しておくから」
「別に俺は良いけど」
ジェルミも気軽に承諾した。
「11時位からで良いですよね。ジェルミと一緒に控え室で待ってますから」
明日の朝、テギョンとシヌより先に会場に入りワン・コーディーにメイクをして貰ってから社長と一緒にグッズ販売をしようと二人は相談していた。
食事が終わるとそれぞれ部屋に戻り明日に備えて休む事にした。
「オンニ、ミナムオッパが無理な事言ってすみません。私がいるとご迷惑になりませんか?」
「何言ってるの。ミニョが迷子になって会場に着かないと誰かさんが不機嫌になるから心配だって言ってるしそれに人手が欲しかったから助かったのよ。逆に明日は働いて貰う事になるけど大丈夫なの?。
テギョンは知らないんでしょ?」
「ミナムオッパが当日まで絶対オッパには内緒にと。だから今日私が行く事も明日オンニのお手伝いをする事もご存知無いんです。怒られてしまったらどうしよう」
ミニョはテギョンの事が気になり泣きそうな顔をして呟いた。
「大丈夫よ。その時はオンニがちゃんと話をしてあげるから余計な事は言っては駄目よ」
ミニョの頬を両手で挟みながら言うとミニョは申し訳なさそうに頷いた。
「さぁ、飛行機に乗りましょ。さっきマー室長からの電話で7時から皆と食事に行くって言ってたから数時間はレストランから出て来ないと思うの。その間にチェックインしちゃいましょ」
荷物を預けミニョはワン・コーディーと機内へと向かった。
食事が終わり自分の部屋に戻ったテギョンはミニョに電話を掛けようとしていた。
「あいつから掛かってくるのを待っても良いがたまにはこっちから掛けてやるか」
ニヤリと笑いミニョの短縮ボタンを押して電話を耳に当てながらミニョの声が聞こえるのを待った。
ほんの少し前にホテルにチェックインしたミニョは荷物を置いてベッドに座ってホッとしていた。
「オッパと同じホテルにいるのに・・・。会えないなんて・・・。駄目、駄目,誰に会うか分からないんだからもうちょっとしたら電話してみようっと」
気分転換に星を見ようと窓から外を眺めているとミニョの携帯電話が鳴った。慌てて手に取り表示された名前を見て嬉しそうに微笑んでいた。
「オッパァ♪。もうちょっとしたらお電話しようと思っていました」
「今、部屋に帰って来た。明日の準備はもう済んだのか?」
「は、はい。大丈夫です。オッパの方はリハーサル上手くいきましたか?」
「誰に向かって言ってるんだ。返事が決まっているような事をわざわざ聞くな。俺の心配よりお前の方だ。
ところでお前の声がいつもより近く聞こえるような気がするが気のせいか?」
「そうですか?。きっと私がオッパに早く会いたいと思っているからかもしれませんね」
同じホテルの中に居るとばれないようにミニョはわざと明るく話し時には携帯電話を口元から話して喋っていた。
「そうかもな。明日、着いたら必ず電話入れろよ。迎えに行ってやりたいが俺は無理だとしてもマー室長に頼んでやるから。お前が来ないとうるさい奴がいるから絶対忘れるなよ」
早く会いたいと言われ頬が緩んでしまうテギョンは誰にも見られていないと分かっているが直ぐに真顔に戻りいつものようにミニョと話していた。
「分かりました。オッパに会えるのを楽しみにしてますね」
そう言うとミニョは電話を切り携帯電話を眺めていた。
「明日、どのタイミングでオッパに着きましたって電話すれば良いんでしょう。オンニとは朝8時にロビーで待ち合わせだけど・・・。朝一番の飛行機で着いた事にしておけばオッパの会場入りより先に着いた事になるかな?。あとでミナムオッパに時間だけ聞いておかなきゃ」
仕事を終えてから移動をしたのとテギョンに内緒にしていることで疲れミニョはミナムに電話をすることを忘れそのままベッドで眠ってしまった。