ずっと前からタイトルが気になっていたの。
友達と一緒に本屋にぷらっと入ったときに、この本を手に取っていたら、
「持ってるから貸してあげる。」と。
その頃は、天文学にはまっていたので、
長らくほったらかしていたのだけれど、
どれどれ。。。と、読み出したら、すごい。
号泣小説のトップにランク・インすると思う。
特に、前半。
数章読んだところで、ギブアップ。
「この先、ハッサンの人生が幸せであると、わたしを安心させてくれない限り、先に進めない!」
と、貸してくれた友達に抗議。
ハッサンの行動や一言一言が、涙を誘うんだもん。
会社のお昼休みに読めないことは言わずともがな、
寝る前に読めば、翌日は泣き腫らした目で出社しなくちゃいけないし、
仕事中に思い出しては、また涙。
なんていうの?「忠誠な」?
loyalなのよ、ハッサンってばっ!!
まだティーンにもなっていない子供なのに。
アミールに対して、どこまでも忠誠なの。
「えー、どんな話だったか忘れちゃった。でも、Lovely storyだから、黙って読みなさい。」
らぶりーと呼ぶか、この話を。
毎晩、泣きながら読み進めると、
とんでもないアミールの裏切りが待っていた。
もう、耐え切れないっ!なんとかしてくれっ!!
その後、アミールの方は、父とアメリカに亡命。
あ、話の舞台はアフガニスタンなのね。
映画にもなっているらしいので、みんな知っているだろうけど。
この父、ババは、社会的地位も高く、
その社会貢献度から、人々からとても敬われていたのね。
ハッサンにもとても良くしてくれていて、
それは、いつもアミールの嫉妬を誘うほどであったのだけれど、
「こんなにいい人なんだったら、どうしてハッサンを学校に入れてあげないのだろう?」
ハッサンは使用人アリの子供ではあるのだけれど、
自分の子供アミールと一緒に学校にくらい行かせてあげたらいいのに。
でっかい家に住んでいるんだから、その家の中にアリとハッサンも住まわせてあげたらいいのに。
と、冒頭からずーーーっと思っていたのだけれど、
その疑問の答えは、ババの死後明かされることとなる。。。。
アミールがアフガニスタンに戻る辺りになると、結構正常心で読むことができる。
サスペンス仕立てになっているので。
タリバンの描写は、目をそむけたくなるものではあるけれど、
それは、泣くような状況を通り越して、惨たらしいものだから。
米英がアフガニスタンに派兵して攻撃していることに、ぜんぜん賛成していなかった。
「他人の国のことに首をつっこむな!」と、思っていた。
けど、う~~~ん。なんだか、米英の攻撃が正しいことのような気がしてきたよ。
タリバン。どうしたものか。
いや、元々はソ連が悪いのよ。ソ連がアフガニスタンに侵攻しなかったら、
タリバンなんてものも、生まれる余地はなかった。
ま、そういった政治的背景も盛り込まれているので、
涙するだけでなく、お勉強にもなりますね。
タリバンが虐殺をしたハザラ人というのが、ハッサンの属していた民族なのですが、
画像検索をすると、どうやら、目が細く、日本人に近い顔立ちをしているようです。
益々、許せん、タリバン。
文章には、アフガニスタン語(の英語表記)が散りばめられていて、
なんとなくアフガニスタン語が分かるような気分になります。
目上の人の名前には、Aghaを付けて呼ぶ(ハッサンは、どこまでいってもアミールのことを、アミール・アガーとしか呼ばないの)とか、
親しい間柄ではJanを付けるとか。
日本語と同じで、名前の後にこの敬称が付きます。
それと、スタンという国名から分かるように、イスラム教の国で、
イスラムの言葉も沢山散りばめられています。
その表現を他の場所で耳にすると、すごく嬉しくなります。
例えば、カーン氏達がモスクで交わす挨拶、
Assalamu alaikum
これは、「God be with you」のような意味の言葉らしいです。
映画、気になるんだけど。。。どうかな?
観ない方がいいのかな。
本が原作のものって、だいたいみんな映画は不出来よね。
先に映画の方を観ちゃえば問題ないんだろうけど。
レヴューを読むと、やはり号泣ものに仕上がっているようですが。
号泣して、心を洗い流したい気分の夜にお薦めの一冊。
あー、でも、どうかな、ハッサンの言動を見ていると、
自分の心の汚さ(それは、アミールの言動が「ある。ある。」と自分を見ているようだという意味なのだけれど。)を再確認することにもなりかねないので、
心洗われるってのとは、ちょっと違うかも。
翌日予定のある晩には、読まない方がいいです。