ちょっと、今回からの新たな試み…
これまでのブログ記事、
一記事が結構長くて^_^;
書くのに時間もかかるし、
読むのにもかなり覚悟して読まなきゃいけなかったと思います(笑)
なので今回から、
できるだけ一記事一テーマに絞って書いて、
短めの記事をちまちま書いて行こうかなあ~と思ってます(*'ω'*)
いろいろ試行錯誤中🌸
あまりしっくりこなかったら
今までのような形に戻します。
ではでは、
前回の続きです☆
アンドレと父上のやりとりを今回じっくり読んでみたら、
おもしろいなーと思ったポイント☆
それは…
そもそもこのオスカル成敗事件、
オスカルの軍務違反(=王室への反逆罪)を
ジャルジェ家の家長として許すことのできない父上が、
家長としての判断で行ったことでした。
アンドレが背後から将軍の腕を掴んで父上の動きを封じ込めたときも、
将軍は家長としてアンドレに
離すように命令していたし、
【ベルサイユのばら 電子版 7巻】
家長である自分の命令に刃向かおうとするアンドレに
「ではおまえも切る!」と言っていて、
それらの発言もジャルジェ家の家長としての
上からの絶対命令みたいな描かれ方でした。
その後、
使用人のアンドレが家長である将軍に刃を向けるという
ジャルジェ家内でのクーデターみたいな状態になるのですが
その後の将軍の会話の進め方の流れが変わっていくの
きっかけは、父上が、
アンドレがオスカルのことを「愛している」
という事実に気づいたこと
父上はアンドレに、
「身分のちがいをこえるものがあると思うのか」
って聞いていて、
アンドレは「はい…」って冷静に答えている。
【ベルサイユのばら 電子版 7巻】
急に冷静になる父上…
(頭が冷えたとも言う(笑))
父上はジャルジェ家の当主だから、
当時の慣習に従えば、
ジャルジェ家のすべてのメンバーの行く末を
自分の裁量で裁く権利を持っている。
THE家父長制ですからね~
なのでアンドレの返答に対し、
「話にならん! この謀反人めが!!」
といって、アンドレを
その場で切り捨てることもできたハズ。
でも、それができなかったんですねー。
そうしなかった理由はいろいろあるとは思いますが、
父上は、アンドレが自分の娘のことを愛していることを知って
もちろんびっくりしたとは思うのだけれども、
妙に納得したのかもしれません。
自分が娘の側に置いてきた人物だしね^_^;
あと、これはエピソード編に描かれていたお話なので、
原作の時点で原作者さんの中で
どれほどその構想ができあがっていたのかはわかりませんが、
父上自身もジャルジェ夫人と恋に落ちたときに、
身分の差みたいなものを乗り越えて
当時の国王陛下の意向も無視して思いを遂げていて(笑)
結果、2人は結婚することとなっている
なので将軍は、
アンドレがオスカルのことを愛していると知ったとき、
その思いが真剣なものであるということ、
すでに絶対に揺らがない信念に支えられたものであろうこと
を、悟ったのだと思います。
ジャルジェ将軍自身、
「信念の人」代表みたいな人物ですからねえ~^_^;
自分はジャルジェ家の当主として、
自分の家から謀反人を出すくらいならこの手で始末する
そういった大義名分のもと
オスカルを成敗しようとした将軍ですが、
その一方で、
そういった大義名分をも超えて行ってしまうような
強い信念やら愛の存在を身を染みて理解しているので、
(それは当時の社会通念には反するもの)
父上の中で複雑な「葛藤」が生まれてしまったのかも。
オスカルはそういった葛藤を、
自分の中に存在し始めた矛盾する価値観を、
父上よりも数年早く経験していて
啓蒙思想を勉強したりしていたけれども、
アンドレなんかは、
自分の恋の苦しみを体験することによって
もっと早くから経験し葛藤していたのかも…🍷
世界はそんなにすっきりと
単純に割り切れるものではないということを🍃
それまで自分の信念で
オスカルを成敗しようとしていた父上ですが、
アンドレの思いを確認したとたん、
「貴族の結婚には国王陛下の許可がいる」って、
ジャルジェ家の家長として
アンドレの思いをどう判断しその後の2人について決断するのではなく、
突然、
当時の旧体制のシステムではこうだからと、
自分で判断することを逃れて始める父上…
その後、
アンドレを切ったら
ばあやも生きてはいまい
と、
ばあやさんの命が惜しいような発言も父上はしました。
自分の始めたこの成敗事件の結末を、
自分のジャルジェ家の当主としての判断から、
別の動機によっての判断基準へと変えていく父上がいて、
結果、オスカルの命もアンドレの命も救われることになって、
そして2人の関係についての判断も
オープンの状態で流した感じになりました^_^;
まあいろいろ判断が揺らいだ根底に、
えっ! オスカルとアンドレが!?
って将軍がびっくりした事実もあるとは思うのですが…^_^;
将軍は2人の成敗をあきらめた後、
実は王后陛下からのすでにお達しがあり、
オスカルの軍務違反についての処分はなしということになっていることを
オスカルに伝えるのですが、
この一連の流れを整理すると、
つまり、自分の家長としての裁量だけでオスカルを成敗しようとした父上が、
アンドレの介入によって、
自分の家長としての絶対性を一旦保留し、
それ以外の力関係の中に入れて広い視点で物事を考えて、
判断を変えていているようなのです。
いろいろな要素を視野に入れて、
なるべく多くの人が幸せである状況を選ぶ…
トップダウンの力関係で支えられた旧体制の在り方から
そうではないあり方への
父上の中に革命が起きてる??
一方のオスカルですが、
父上に刃を向けられた瞬間から
アンドレと父上の会話の間中、
何もできずにただ事の成り行きを
顔を真っ青にして見ていただけでした。
自分を謀反人呼ばわりし、
マジで成敗しようとした父上…
でもその後の展開を目の当たりにして、
「父上の絶対性」とか、
「父上は絶対的な力を持っている」
=自分の存在はその範疇にある
そういった思考回路から、
家父長制内では父上は絶対的な権力者だけれども、
父上も絶対王政の旧体制の一つの駒であり
父上の裁量を超える力があって、
それが国王陛下とかアントワネットさまの判断だったり、
アンドレの深い愛に根付いた行動だったり、
とにかくこの一連の事件はオスカルにとって、
「父上の絶対性」が揺らいだ瞬間だったのかしら?
なーんて妄想してしまいました^_^;
「父上の絶対性が揺らぐ」
=父上の存在に自分の人生の多くを預けて生きてきたオスカルが
その影響力から自由になる瞬間
=同時に、それまでの自分の中のアイデンティティーが
徹底的にぶち壊されてしまう瞬間
アイデンティティーの解放と崩壊が
一気にやってきた!みたいな、
かなり精神的に危うい瞬間とも言えそうです
この後、オスカルの愛の告白に続きますが、
そのときに彼女の中でポイントになっていたのは、
「己の無力感」…
一旦切ります