早いもので
今年十三回忌を迎える
十八世中村勘三郎さんの
追善公演にお邪魔してきました。
追善公演は中村座としてだったり
各地劇場でだったりあるので
日頃ご覧になれない方も
お楽しみなことかと思います。
ロビーには懐かしい
写真が展示されていました。
拝見したのは昼の部
一、新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)
野崎村
【あらすじ】
野崎村の百姓久作の家では、娘お光と養子の久松との祝言を控え、うれしさを隠しきれないお光が婚礼の準備に勤しみます。そこへ訪ねてきたのは、久松が奉公する油屋の娘お染。実はかねてより久松とお染は恋仲で、一緒になれないのならば心中しようと誓い合うのでした。そんな二人の覚悟を知ったお光はある決心をして…。(公式HPより)
久作娘お光 / 中村鶴松
丁稚久松 / 中村七之助
油屋娘お染 / 中村児太郎
百姓久作 / 坂東彌十郎
後家お常 / 中村東蔵
私は多分この演目は
初めてだと思います。
親の決めた許嫁が
本当に好きな人なんて
これ以上の幸せはないところから
思い人は奉公先のお嬢さんと。
これに気づいて驚いて憤って
受容して俗世と別れを…
いや、どうかな受容し切れない思いを
断ち切るのに尼になるのかも。
そんなことされた許嫁とお嬢さん
十字架背負って生きていくかなぁ
結構忘れちゃいそうだなぁ
って思っていたら
ずっと我慢していた慟哭を
2人が消えた後に
親父さまに縋ってするんですよね。
こういう切なくて切なくて
っていうのを
これでもかこれでもかって
畳み掛けてくるけど
それが人生なんだよって
語りかけてくる感じです。
***
二、河竹黙阿弥作 釣女(つりおんな)
【あらすじ】
縁結びの神と名高い西宮の戎神社へ、妻を得たいと願う大名が太郎冠者を供に参詣します。夢のお告げに従い、大名が釣竿をさげると、世にも美しい上﨟を釣り上げます。そこで自分も美しい妻を得たいと、太郎冠者も釣竿をさげますが…。(公式HPより)
太郎冠者 / 中村獅童
大名某 / 中村萬太郎
上臈 / 坂東新悟
醜女 / 中村芝翫
これは素直に感じるままに
笑えばよいのでありした(短っ)
***
三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
序幕
大詰
【あらすじ】
下野国佐野の絹商人の次郎左衛門は、下男の治六と一緒に桜が咲き誇る吉原仲之町へとやってきます。ところが、ほんのお江戸土産の見物のつもりが、絢爛豪華な兵庫屋八ツ橋の花魁道中に出くわすと、そのあまりの美しさに魂を奪われてしまいます。人柄も気前も良い次郎左衛門は、江戸に来るたびに八ツ橋のもとへと通い、遂には身請け話も出始めます。しかし、八ツ橋には繁山栄之丞という情夫がいて…。ある日、次郎左衛門は八ツ橋から突然、満座の前で愛想尽かしをされたので、打ちひしがれて国許へ帰ります。そして数カ月が過ぎ、再び吉原に現れた次郎左衛門は…。(公式HPより)
佐野次郎左衛門 / 中村勘九郎
兵庫屋八ツ橋 / 中村七之助
兵庫屋九重 / 中村児太郎
下男治六 / 中村橋之助
兵庫屋七越 / 中村芝のぶ
兵庫屋初菊 / 中村鶴松
遣手お辰 / 中村歌女之丞
女中お咲 / 中村梅花
若い者与助 / 中村吉之丞
絹商人丈助 / 大谷桂三
絹商人丹兵衛 / 片岡亀蔵
釣鐘権八 / 尾上松緑
立花屋女房おきつ / 中村時蔵
立花屋長兵衛 / 中村歌六
繁山栄之丞 / 片岡仁左衛門
はい、大本命。
玉三郎さんから教えを乞うた
と、いうかお父さまとのアレコレを含め
楽しく教えていただいた
七之助さんの八ツ橋。
そして、ちょいとだけだけど
キーパーソンの仁左衛門さん。
どんなに悪くても
かっちょええ✧
この人こそキーパーソンな
松緑さん。
あーでもこの人があってこそ
この作品が光り輝くんです。
痘痕の勘九郎さん。
◯◯殺すにゃ刃物は要らぬ
なんて言いますけど
ここは妖刀村正。
でも怖いのは人間です。
それが乗り移っちゃうんでしょう。
煌びやかな花魁道中もたっぷり。
その世界を彩る各々の皆さま。
ハッピーエンドじゃない
大好物な演目でした。
ご馳走さまでした〜。