「君の名は希望」ミニ特集 その③「原型はバラードだった!?」 | 赤と黒とさくら色のアベニュー~from PALE~

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BABYMETAL、さくら学院を中心に、現代のアイドルシーンを好き勝手に語るブログです。

前回の記事はちょっとマニアック過ぎたでしょうか・・?
ずっと聴き込んでいると様々な発見があり、ついつい細かくなり過ぎちゃうもので・・・。
今回は少し違うアプローチをしますね


多くの「君の名は希望」のファンから絶大な評価を得ているのがこの『MUSIC FAIR』での歌唱です。
まずは聴いて下さい。

生田絵梨花ちゃんのピアノ演奏のみをバックに、そのいくちゃんを含む16人のメンバーが生歌で披露したこのバージョン。
CDのオリジナルバージョンより簡素でテンポも落として、まるで“バラード・バージョン”と言っていい仕上がりです。

曲の骨格がしっかりしていればどんなスタイルに変えても違和感が無いのが、名曲たる所以。

僕はあくまでオリジナルの“勇気を与えてくれるかのような四つ打ちビート”のバージョンが好きなのですが、この『MUSIC FAIR』バージョンもお気に入り


ここで興味深い文章を紹介します。
この「君の名は希望」の作曲者、杉山勝彦氏のブログ(しかもアメーバ!)からです。
更新頻度は少ないものの、このCDが発売になった頃の記事にこうありました。

イントロ、Aメロの旋律はお風呂上がりに何の気なしにピアノを弾いていた時にサクッと降りてきたもので、珍しく出て来たものを何もいじらずにそのまま使いました。

そう、前回僕が声を大にして(笑)力説した、“Aメロがとてもよく出来ている”というのは、こういうふうに、作曲者が天から授かった“奇跡のメロディー”だったからなんですね~

さらに
そもそもは16でとる、どバラードとして生まれたものを、8のミドルで4つ打ちリズムにのせて今の雰囲気になりました。

そう、やはりと言うかなるほどと言うか、この曲の原型は“ど”バラードだったんですね~
だからこの『MUSIC FAIR』のバージョンも実にしっくり来るし、よりメロディーの良さが引き立つ感じです。

この杉山勝彦氏は同じ乃木坂46の前のシングル「制服のマネキン」やHKT48の「初恋バタフライ」も作曲していて、その2曲は「君の名は希望」と趣の違う曲ですが、AKB48の「夢の河」や前田敦子ソロの「右肩」も杉山作品と知れば「おお~っ、なるほどね~!」となるんじゃないでしょうか?

AKB48「夢の河」 作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦 編曲:杉山勝彦、有木竜郎

この曲でも静かなピアノによるイントロが印象的で、サビも抑制の効いたメロディーでジワジワ感動を呼び覚ます、絶妙なバラードとなっています


杉山氏本人もブログの各所で何度か「バラードが得意」と書いてるくらいですから、乃木坂46の「君の名は希望」もバラードになるという(少なくとも杉山氏の思惑では)、予定だったのかもしれません。
しかし、ファンの方はご存じのように秋元康というプロデューサーは作曲家、編曲家に何度も何度もリテイクを出す鬼のような(笑)男でして・・・、この楽曲を煮詰めていくうちにもっとパワーの漲るビートの効いた曲に仕上げたんじゃないか・・?と想像できます。

AKB48の楽曲で例えるなら「桜の花びらたち」とか「夕陽を見ているか?」のような、バラード・タイプでありつつ大きなエネルギーを内包している感動的なナンバー
そんな、アンセムとなりうるシングル曲を秋元Pはデビュー1周年を迎えた乃木坂46のメンバーに与えたかったんじゃないだろうか?
・・・と僕は思うんですよ~。


いずれにしろ、この「君の名は希望」という楽曲は骨格がしっかりしているのでアップテンポでもバラードでも
その魅力は何ら落ちることは無い!という事なんですね~



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