この数年、“夏の上梓攻勢”が定着してしまった土屋です。。。
今年も、そんな夏が始まりました。
先陣を切るのは、『生きている化石図鑑』 (6月15日刊行)と、『 第6の大絶滅 』 (6月17日刊行)です。
刊行日が近いこともあり、版元編集さんたちが連携し、2社横断「絶滅キャンペーン」ということで、版元さんがPOPをつくってくれました。
昨秋の5社連合企画以来、古生物を得意とする編集さんたちが、こうして連絡を取り合ってくれるのは心強い限りです。
さて、いつものように、簡単に著者目線の簡単な紹介になります。
今回は、企画始動時のお話を中心に書いておきたいと思います。
なお、2冊とも恐竜学研究所客員教授の芝原暁彦さんの監修です。芝原さん、いつもありがとうございます。
タイトルどおり、いわゆる「生きている化石」をまとめた1冊です。
シーラカンス、ゴキブリ、オウムガイなどがまとまっております。
『日本の古生物たち』 や 『パンダの祖先はお肉が好き! ?』 を刊行してきた笠倉出版社さんからの上梓となりました。想定読者層も近い。今のところ、笠倉さんから上梓している拙著は、すべてACTOWさんがイラストを描かれていまして、この本も同じ。
この本は、もともと編集さんから「『生きている化石』についての本をつくりませんか」と打診を受けたのがはじまりです。
そこで「『生きている化石』って、どういうものか、ご存知です?」と聞き返したところから企画が転がり始めました。
笠倉さんの企画は、これまでの本も、この本にも2人の編集さんがいます。この本の初回打ち合わせで「生きている化石」として、2人から名前が挙がったのは、シーラカンスやゴキブリなど。こうした具体的な生物の名前は挙がるものの、「大昔の祖先と姿がよく似ている……?」との“ほわっとした”イメージが先行していました。
そこで、この企画では、この「“ほわっとした”イメージ」のまま、
・大昔のどの“祖先”と姿が似ているのか
・その“祖先”にはどのような仲間がいたのか
に注目しました。
また、「大昔の祖先と姿がよく似ている」を「現生種と絶滅種」に限定していません。
「?」と思われるかもしれませんが、絶滅した古生物の中にも、「大昔の祖先と姿がよく似ている」ものが少なくありません。例えば、恐竜類にも数千万年も基本的なボディデザインが変化しなかったグループがあります。。
そこで、監修者の芝原さんとも相談し、古生物の中でも「長期間にわたって姿が似ていたグループ」も収録しています。なお、「似ている」の基準は、専門家視点ではなく、あくまでも「一般目線」です。その意味で、専門書ではありません。
執筆と編集を進めていくと、「生きている化石って、すごいんじゃね?」「姿が変わらないって、実は勝ち組?」みたいな指摘が出てきまして、ちろっと執筆方向を軌道修正。
結果、「生きている化石から、学べちゃうこともあるよ!」という風味がプラスされています。ご笑読ください。
『恐竜・古生物に聞く 第6の大絶滅、君たち(人類)はどう生きる?』
こちらは、いわゆる「大量絶滅」に関する1冊です。
『化石ドラマチック』 や 『学名で楽しむ恐竜・古生物』 を刊行してきたイースト・プレスさんからの上梓となりました。こちらは、これまでの本とは大きく文体を変えています。
こちらも、編集さんからの提案がきっかけ。「第6の絶滅と古生物を絡めた本」をつくりたいとの打診を受けました。
そこで、「『第6』って言いますけれど、『第5』のことまではどのくらいご存知です?」と確認したところから始まりです。
現在進行中と言われる“第6の大量絶滅”。
では、過去の五つの大量絶滅事件では何が起きていたのか。その情報をまとめることで、「今」を生きる私たちが学べることがあるのではないか?
そんな大上段からこの企画を始まりました。
……始まりましたが、大上段で堅苦しすぎる。そもそも「絶滅」というテーマが重い。
私の本は、(想定読者層ごとに変化はつけていますが)基本的に「楽しんで読んでもらう」を根底にしているので、最初から「堅苦しい・重い」は、「土屋の本」としては路線がちがいすぎる。
そこで、 『楽しい動物化石』 のコラムで採用した「古生物たちの会話」を今回も採用。 『楽しい動物化石』 はあくまでもコラム程度でしたが、今回は全編を会話形式にすることにしました。そして、監修の芝原さんとツク之助さんを交えた打ち合わせで、「どうせなら、ラジオ形式にしてみよう」となった次第。
……というわけで、「君たちはどう生きる?」と哲学さえ感じるようなタイトルになっていますが、ツク之助さんの表紙イラストが物語っているように、本文では古生物たちが、“楽しく大量絶滅”について語っています。
「第6の大量絶滅」については、「はじめに」でちろっと触れている程度です。過去の大量絶滅について楽しく知って、「第6の大量絶滅について考えてみよーよ」というコンセプトです。
編集さんのこだわりで、本文にあわせて、途中で“仕様”が変わります。これは、ぜひ、手にとってこの変化を感じていただきたい。
気になった方は、たとえば、こちらで。
もちろん、書店さんでもぜひぜひ!
よろしくお願いします。