化石の日々

化石の日々

オフィス ジオパレオント代表のサイエンスライター 土屋健の公式ブログです。
化石に関する話題,ときどき地球科学,その他雑多な話題を書いていきます。

古生物と一緒に暮らしたい。

そんな、古生物ラヴァーな皆様(とくにお子様)向けの1冊を執筆しました。

 

今回のテーマは、「おうち(家)で飼う」

そのため、小型種が中心となっています。

恐竜やその他の古生物を、戸建て住宅で、マンションで、飼う。その場合に何が必要で、どのような暮らしが待っているのか。

既知の学術情報から想像の翼を広げた本になります。

 

私の本(例えば、この近刊 )でおなじみのツク之助さんの愛らしいイラストが、みなさんを待っています。

監修は、古生物に関しては、群馬県立自然史博物館の皆様。

そして、飼育に関しては、「家で飼う」という視点から、田園調布動物病院の獣医師、田向健一さんにお願いしました。

 

「飼う」という点では、これまでに 全般入門的な「もしもシリーズ」(恐竜版) 、全般入門的な「もしもシリーズ」(古生代古生物版) 、プロが真面目考えた動物園 、プロが真面目に考えた水族館 を上梓してきました。

今回は、「おうち特化型」。登場古生物は、古生代から新生代まで幅広く用意しました。

 

あの古生物と一緒に暮らすには、どうしたら良いのだろう?

 

ぜひ、ご家族でお楽しみください。

 

ポチッとどうぞ(各書店でも販売中です)

 

 

 

 

 

 

 

 

カンブリア図鑑

カンブリア紀の古生物図鑑です。

ただし、「もしも?」シリーズの図鑑です。

「もしも?」?。

それは、表紙にある「でっかくなぁ〜る!」が物語っています。

 

古生代カンブリア紀。

当時、多くの動物たちの全長は、10cm以下でした。

そんな世界で、本の表紙に描かれているアノマロカリスは、全長50cm級という破格の大きさ。

講義講演などで私がそんな話をすると、多くの皆様は「結構大きいね」と反応されます。

 

いや、ちょっと待ってください。

失礼ながら、本当に「結構大きいね」のサイズ感、正しく伝わっています?

例えば、当時のご先祖さま(私たちの遠い祖先かもしれないサカナ)のサイズは3cmくらいしかありませんよ。

そんなご先祖さまにとって、「全長50cm級」がいかに大きかったか。

 

そこで、本書では、ご先祖さま(3cm)を50倍すると、日本の小学校高学年の平均身長になることに注目しました。

そうだ! カンブリア紀の生物を50倍にしてしまおう!

そして、現代の景色に配置してしまおう!

そうすれば、ご先祖さまが”体験”していたサイズ感がより正確に伝わるはず!

 

「もしも?」シリーズだからこそ許される(?)、SF設定。

例えば、アノマロカリスを50倍にすると全長25m。学校のプール級です。

アノマロカリスは、“生命史上最初の狩人”です。

想像してみてください。プール級の狩人に襲われる光景を!

 

この本には、そんなサイズ感のわかる光景が収録されています。

 

本書はまず、世界的にみても珍しい「子ども向け(大人も楽しめる)カンブリア古生物図鑑」です(エディアカラ生物も収録してあります)。マニアックなカンブリア古生物も多数収録。

そして、「もしも?」シリーズとして、50倍古生物が堪能できる仕様となってます。

 

監修は、アノマロカリス解体新書 、無脊椎の興亡史 でご協力いただいた田中源吾さん、

イラストは、恋する化石 、古生物水族館のつくり方 などのツク之助さん、

そして、OP&ED漫画は、ディノサン の木下いたるさんです。

 

ご家族で、カンブリア古生物とそのサイズ感をご堪能ください。

 

ポチッとどうぞ(各書店でも販売中です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国立科学博物館で、11月1日から開催されている特別展『大絶滅展』の内覧会(10月31日開催)に行ってきました。

 

本展でまず面白いのが、レイアウトです

通常、こうした展示は「入口」があり、「順路」があって、「出口」があります。しかし、本展では、入口の先にあるのは、上の写真のように巨大な“地球儀”のある”広場”。

展示は、その広場から、5つに分岐したその先にあります。

「5つの分岐」は、もちろん「5大絶滅」です。

1:オルドビス紀末

2:デボン紀後期

3:ペルム紀末

4:三畳紀末

5:白亜紀末

の5つ。この5大絶滅に関連した展示がそれぞれ独立したスペースで用意されていて、しかも「出口」につながるのは、白亜紀末の大量絶滅事件のコーナーのみです。 

……順路らしい順路がないので混雑が気になりますが、「時代順に拘らず、空いているスペースを探していただけると良いかも」とは、会場でお会いした研究者(監修者)の言です。

 

さて、「5大絶滅をテーマにして、どのような展示をつくるのかしらん?」と思っていたら、結構、フリーダムです(^^

もちろん、それぞれのコーナーで、それぞれの大量絶滅事件に言及されていますが、敢えて書いてしまえば、直で絶滅に関係していないはずの古生物の化石も大量に展示されています(^^

その意味で、5大絶滅をキーに生命史を楽しめる展示、というのが率直な感想です。

 

オルドビス紀末では、エーギロカシスの化石と復元模型が待ち、

 

ペルム紀末のコーナーの奥では、ニッポノマリアが鎮座し(本当に「鎮座」という言葉が相応しい巨大巻き貝。必見!)、

 

三畳紀後期のコーナーには、迫力のレドンダサウルス

 

白亜紀末のコーナーには、シファクティヌスの実骨がいます。

 

出口近くには、ステーラーダイカイギュウも。

しれっと面白いのは、「アンモナイトの進化」に関する展示。

これはぜひ、会場を探してみてください。こだわりが光っています。

 

図録は、かなりの豪華仕様です。

お忘れ無く。また、見逃せないのがぬいぐるみ。

思わず、3つ購入してしまいました。

アノマロカリス(手前)は他でも入手できそうですが、エーギロカシス(中)、ツリモンストラム(奥)は、かなりレアなはずです。

 

ここでは紹介できないようなマニアックな展示多数。

おそらく(いつも以上に)、予備知識がある人ほど、「おお、アレがいる!」と楽しめる。そんなコアな特別展だと思います。

 

科博の開催は、26年の2月23日まで。

その後、名古屋、大阪にも巡回とのことです。

 

詳細は公式サイトで → https://daizetsumetsu.jp/

 

いつもは「参考書籍」程度の紹介(のつもり)ですが、今回はぜひ、事前にお読みいただきたい(^^

 

こちらの2冊は、ぴったりの書籍と思います。

 

ペルム紀末の大量絶滅について

→『 史上最大の大量絶滅では何が起きたのか? 』(講談社ブルーバックス)

この本に関するブログ記事

 

白亜紀末の大量絶滅について

→ 『 恐竜大絶滅 』(中公新書)

この本に関するブログ記事

 

そして、アンモナイトの進化に関しては、こちらもどうぞ

→ 『 推しアンモナイト図鑑 』(技術評論社)

 

ペルム紀にどっぷり浸かりたくなったら……

→ 『 前恐竜時代 』(ブックマン社)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「史上最大の大量絶滅事件」こと、「ペルム紀末の大量絶滅事件」に着目した1冊です。

 

今から約2億5200万年前の古生代ペルム紀末、「史上最大」と呼ばれる大量絶滅事件が勃発しました。生物種の96%が滅んだ……ともされるこの事件は、生命史を2分する大事件として知られています。

 

……知られていますが、「よくわかっていない」事件です。

例えば、「原因」について。

同じ大量絶滅事件である、6600万年前(白亜紀末)の大量絶滅事件のように、トリガーが明確に特定されているわけではありません。諸説あり、という状態です。「96%」という数値についても異論があります。

もともと、この事件は海棲動物(主として無脊椎動物)の化石にもとづいて認知されているため、他の生物群についての情報が「豊か」であるとはいえないのです。

 

でも、確かに変わっている!

 

……というわけで、この本では大量絶滅事件の“謎解き”よりも、「何が変わったのか」に注目することにしました。もちろん、大量絶滅事件の“謎解き”にも言及していますが、それはあくまでも序章です

 

単弓類(哺乳類を含むグループ)、爬虫類、両生類、サカナ、無脊椎動物、植物にそれぞれ注目し、事件前の生物、事件後の生物に、いかなる種がいたのかを綴っています。

 

今回は、国立科学博物館の皆様を中心にご協力いただいています。もちろん、11月から開催される 大絶滅展 を意識してのものです。

単弓類監修の木村由莉さん、陸棲爬虫類監修の對比地孝亘さん、海棲無脊椎動物(主として軟体動物)監修の重田康成さん、植物監修の矢部淳さんは、国立科学博物館の研究者です。

加えて、両生類と海棲爬虫類の監修として東京都市大学の中島保寿さん、サカナ監修として城西大学の宮田真也さん、昆虫類の監修として福井県立大学の大山望さんにもご協力いただきました。

ご協力いただきました皆様に、改めて感謝申し上げます。

 

研究者の皆様には、次の2点の取材を行い、その後の監修をお願いしました。

・(ご担当の)各分類群において、「ペルム紀末大量絶滅事件」を意識した上で、ペルム紀と三畳紀を代表する古生物種をご紹介ください。

・(ご担当の)各分類群において、ペルム紀末の大量絶滅事件を象徴するような論文をご紹介ください。

……つまり、この本には、「大量絶滅事件の勃発前・勃発後を象徴する古生物たち」と、「それぞれの分類群からみた事件の現状」を収録してあります。 

 

大事なことなので、2度書きますね。

この本では大量絶滅事件の“謎解き”よりも、「何が変わったのか」に注目しました

ぜひ、その変化を本書でご確認ください。

 

ポチッとどうぞ(各書店でも販売中です)

 

 

なお、大量絶滅事件に関しては、こちらの2冊もご参考に。

 大絶滅展 の予習復習にどうぞ(^^)

 

白亜紀末の大量絶滅事件なら、こちらを。

恐竜大絶滅 (中公新書)

ブログ記事

 

いわゆる「ビッグ・ファイブ」を俯瞰するのであれば、こちらを。

恐竜・古生物に聞く 第6の大絶滅、君たち(人類)はどう生きる?

ブログ記事

 

無脊椎の興亡史 から2年。

『興亡史シリーズ』の”第3巻”を上梓しました。

 

 

今回は、『 空の興亡史 』です。

 

特定のテーマに沿って、特定の分類群を化石の写真と美麗なイラスト、わかりやすいテキストで綴っていくシリーズ。

時代順で刊行した 黒本 は、2010年代のサイエンスライター土屋健の代表作となりました。

この「興亡史シリーズ」は、2020年代の代表作となることをめざしています。

 

本書には、翼竜類、鳥類、飛行性哺乳類を収録しています。

「あれ? 最初に空に進出したのは昆虫類では?」と思われた方は、ぜひ、前巻にあたる『  無脊椎の興亡史 』をご覧ください。昆虫類、ガッツリと収録してあります。

 

本書の始まりは、翼竜類。正確には、古生代ペルム紀の飛行性爬虫類を導入とし、ラゲルぺトン類から翼竜類へと展開していきます。監修は、翼竜展の開催経験のある群馬県立自然史博物館さんです。

 

続いて、鳥類の章では、恐竜類の系譜から紹介しています。監修は、兵庫県立人と自然の博物館の田中公教さん。鳥類の美しい化石標本の数々、とくにおすすめです。壊れやすさでは“定評”のある鳥類化石でも、ここまで美しい標本が残っているものですね。

 

本書の締めくくりは、飛行性哺乳類の章。国立科学博物館の木村由莉さんのご監修のもと、翼手類と滑空性(とみられる)哺乳類を収録しました。

 

今回も、かわさきしゅんいちさんによる、64点の描き下ろしを収録。

ご堪能ください。

 

世界各地の研究者のみなさん、博物館関係者のみなさんからお借りした化石画像は、約80点

 

興亡史シリーズは、黒本 を楽しんでいただけるような、「化石が好きな、古生物が好きなみなさん」に「より好きになっていただく一般書」です。

日本語の化石に関する一般書で、「翼竜類」や「鳥類」はあまりないかと思います。

空の古脊椎動物に興味をもたれたときに、その興味を一歩先へと進めることができる1冊になれば嬉しいです。

 

ようこそ科楽のせかいへ。

 

なお、黒本 や、シリーズ1巻目の 水際の興亡史 、2巻目の 無脊椎の興亡史 をお読みでなくても、まっったく支障ございませんので、ご安心を。

ただし、このシリーズは、書棚に並べると、かなり映えますよ(^^)

 

さあ、この夏は、空の興亡に思いを馳せてみませんか?

 

 

 

5か月連続6冊刊行!

この本は、6冊目です。無事、6冊の上梓ができました。

関係皆様に感謝です!

 

3月刊行【好評御礼】

教養として楽しめる

基本から「なぜ?」まですっきり理解できる 古生物超入門 

ブログ記事

 

4月刊行【好評御礼・博物ふぇす11にて、用意分完売!

化石が好きなあなたを一歩先の世界へ

古生物のカルテーー古病理で楽しむ化石の世界

ブログ記事

 

5月刊行【好評御礼・発売即重版

絶滅に至る物語。絶滅を越えた物語

恐竜大絶滅 陸・海・空で何が起きていたのか

ブログ記事

 

6月刊行【好評御礼】

14人の研究者の推しが集まった「1冊まるごとアンモナイト」!

推しアンモナイト図鑑 

ブログ記事

 

7月刊行【好評御礼】

もしもシリーズ最新刊!

「もしも?」の図鑑 恐竜大決戦 

ブログ記事

 

7月刊行【Now on Sale!】

興亡史シリーズ最新刊

 空の興亡史 

 

刊行にあわせて、当ブログで紹介していきます。

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