
国立科学博物館で、11月1日から開催されている特別展『大絶滅展』の内覧会(10月31日開催)に行ってきました。
本展でまず面白いのが、レイアウトです。
通常、こうした展示は「入口」があり、「順路」があって、「出口」があります。しかし、本展では、入口の先にあるのは、上の写真のように巨大な“地球儀”のある”広場”。
展示は、その広場から、5つに分岐したその先にあります。
「5つの分岐」は、もちろん「5大絶滅」です。
1:オルドビス紀末
2:デボン紀後期
3:ペルム紀末
4:三畳紀末
5:白亜紀末
の5つ。この5大絶滅に関連した展示がそれぞれ独立したスペースで用意されていて、しかも「出口」につながるのは、白亜紀末の大量絶滅事件のコーナーのみです。
……順路らしい順路がないので混雑が気になりますが、「時代順に拘らず、空いているスペースを探していただけると良いかも」とは、会場でお会いした研究者(監修者)の言です。
さて、「5大絶滅をテーマにして、どのような展示をつくるのかしらん?」と思っていたら、結構、フリーダムです(^^
もちろん、それぞれのコーナーで、それぞれの大量絶滅事件に言及されていますが、敢えて書いてしまえば、直で絶滅に関係していないはずの古生物の化石も大量に展示されています(^^
その意味で、5大絶滅をキーに生命史を楽しめる展示、というのが率直な感想です。
オルドビス紀末では、エーギロカシスの化石と復元模型が待ち、

ペルム紀末のコーナーの奥では、ニッポノマリアが鎮座し(本当に「鎮座」という言葉が相応しい巨大巻き貝。必見!)、

三畳紀後期のコーナーには、迫力のレドンダサウルス、

白亜紀末のコーナーには、シファクティヌスの実骨がいます。

出口近くには、ステーラーダイカイギュウも。
しれっと面白いのは、「アンモナイトの進化」に関する展示。
これはぜひ、会場を探してみてください。こだわりが光っています。
図録は、かなりの豪華仕様です。
お忘れ無く。また、見逃せないのがぬいぐるみ。
思わず、3つ購入してしまいました。

アノマロカリス(手前)は他でも入手できそうですが、エーギロカシス(中)、ツリモンストラム(奥)は、かなりレアなはずです。
ここでは紹介できないようなマニアックな展示多数。
おそらく(いつも以上に)、予備知識がある人ほど、「おお、アレがいる!」と楽しめる。そんなコアな特別展だと思います。
科博の開催は、26年の2月23日まで。
その後、名古屋、大阪にも巡回とのことです。
詳細は公式サイトで → https://daizetsumetsu.jp/
いつもは「参考書籍」程度の紹介(のつもり)ですが、今回はぜひ、事前にお読みいただきたい(^^
こちらの2冊は、ぴったりの書籍と思います。
・ペルム紀末の大量絶滅について
→『 史上最大の大量絶滅では何が起きたのか? 』(講談社ブルーバックス)
↑ この本に関するブログ記事
・白亜紀末の大量絶滅について
→ 『 恐竜大絶滅 』(中公新書)
↑ この本に関するブログ記事
そして、アンモナイトの進化に関しては、こちらもどうぞ
→ 『 推しアンモナイト図鑑 』(技術評論社)
ペルム紀にどっぷり浸かりたくなったら……
→ 『 前恐竜時代 』(ブックマン社)