山と海と恐竜
長らく,古生物ニュースの更新が
止まってしまいました(^^ゞ。
久しぶりに,古生物ニュースの紹介を。
中生代白亜紀後期,
北米には多様な角竜類(トリケラトプスなど)と
ハドロサウルス類(エドモントサウルスなど)が
棲息していました。
これらの恐竜の数が最も多かったのは
約7500万年前。
ところが白亜紀が終わる直前の約6550万年前には
種類がぐんと減ってしまいました。
この原因は,北米大陸の地形にあったというのです。
ふぉっしるニュース
山脈と海が北米の恐竜の多様化を促進したらしいということがわかりました。
約7500万年前まで北米大陸の中央部は沈降し,
そこに海水が入り込んで北米大陸は東西3つの島に
分かれていました。

この北米大陸の西側の島はララミディア,
東側の島はアパラチアといいます。
多様な恐竜化石が見つかるのは,
西側のララミディアです。
ララミディアの西側には巨大な山脈,
セヴィール山脈がありました。
ララミディアでは,セヴィール山脈と
東側にある海(Western Interior Seaway)に
邪魔されて,恐竜たちはララミディアの
北側と南側に閉じ込められたというのです。

この結果,他の地域の恐竜との交流が途絶えたことで,
例えば小さいイヌを掛け合わせてチワワができたように
新しい特徴が急速に進化していったのだろうと,
考えられています。
ところがその後,
セヴィール山脈の東側の地域も隆起し,
ロッキー山脈ができ始めました。
さらに隆起が進むと
Western Interior Seawayの下に沈んでいた地域も隆起し,
北米大陸が1つにつながるようになります。

こうなると恐竜たちは北米大陸を自由に
行き来できるようになり,
さまざまな特徴が混ざり合うことによって,
新種が生まれる速度が遅くなったと
考えられています。

今回紹介した白亜紀の地図は,
Colorado Plateau Geosystems
の地図を基に描きました。
このほかにもいろいろな時代の大陸配置が
復元されています。
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肢をもっていたオパビニア
ようやく大付属肢類のイラストが終わりました。
以前,眼をもっていたレアンコイリアを
書きましたが,今回はその第2弾,
肢をもっていたオパビニアを書きたいと思います。
オパビニアは発見された当初,
はっきりと肢といえる構造は発見されていませんでした。

でも肢については言及されていなかったため,
以前描いたイラストには肢を描きませんでした。
しかし,Budd (1996)で
肢のある可能性について指摘されています。
この太い肢から,節足動物の細い肢が進化していったと,
考えられています。
それにしても,
ヒレの内側にこんなに太い肢があったなんて,
びっくりです。