23歳の母親が3歳と1歳の子供をワンルームマンションに閉じ込めたまま放置して遺棄して顧みなかった事件が起きた。子供たちの泣き叫ぶ声が聞こえなくなって2ヶ月も経ってから、一部白骨化した腐乱死体で見つかった、と。
母親の写真を見たが、まだ子供だと思った。
母親自身が。まだあどけない感じ。この人に子供が二人いただなんて、なにやら痛ましい。
まさに「子供が子供を育てる」構図だったのではないか。
(それにしてもプライベートで正面から撮った写真が流れるなんて、友達に売られちゃったんだね。)
私が23歳だったとき、3歳と1歳の子供の「母親をやる」ことなんて、考えられなかった。
大学を卒業して翌年。
バブルで世の中メチャクチャにお気楽な頃だったし、まだ「遊びたい盛り」というか、私の場合はバックパックのアジア旅行だったけど、半年バイトで働いて、半年インドに行こうとか思っていた。「若いしなんでもできるさ、好きにやろう!」的ミョーな万能感(?)に酔っていた時期だった。
この母親は20歳でもう上の子を産んでいた。ブログには「子供に愛情を惜しまないいい母親」を綴っていたようだし、実際その頃は「その愛情」は真実だったのかもしれないけど、いかんせん若すぎたんだろうな、自分の人生をコミットするのが、きっと。
20歳―。知らない世界が、まだまだ山ほどある。 社会に出たてのヒヨッコだもの。
私たちの頃は「大学デビュー」なんて言っていたが、高校までは地味でも、大学生になって急に化粧したりきれいな服着て彼氏もできて遊びまくって、「この世の春」を謳歌しだす。
実際男女とも、若くてきれいで元気で楽しくて、確かにある種「いい時期」ではある。
そういう「自分の人生での華やかな楽しみ」を知らないうちに、「子供がかわいい」と内向きに充実してしまう。それでちゃんと育てられる人はいいのだけれど、子育ては思い通りにはならないだろうし。
この母親は、「子供大事・子供かわいい」一辺倒のブログから、下の男の子が生まれる頃に「もうどうにでもなれ!」ってやけっぱちになるような変化が見られたという。
大方ダンナが浮気でもして嫌になったか。
自分が妊娠→子育てと大変な思いをしているときにダンナに浮気をされることは、浮気の中でも一番許せないものであるらしい。
気持ちはわかる気がするが、私は「妊娠中に浮気をされる」経験がないので「であるらしい」としか言えない。(確かに許せないだろうなぁ)
彼女の場合、それからダンナと離婚して、若い身一つで地元を離れ、風俗で働き始めた。
そしてホストにハマった。(一番救いのない世界ですね... )
そりゃ~子供なんて邪魔でしょう。 そもそも夜の淫猥な世界を「楽しい」と思ったら、子育てなんて「骨が折れる正しい昼間の世界」は対極にあるものだから。そして好きな男ができてその人を追いかけるようになったら、ワンルームに置き去りにされた子供たちは悲惨な運命だ。
子供に愛情のあふれたママは、外の世界に眼が開かれて、もう子育てに疲れた&飽きちゃったんだね、きっと。子供に熱中したのはもしかしたら「ある種のマイブーム」だったのかも知れないし(この若さなら、そういうこともあり得ると思う。あるいはかわいいと思ってペットを飼って、思っていたより世話が大変で、飽きちゃうような感覚。)
それが「人生に未経験部分の多い若い親」も怖さだろうなぁ。
本人にもどうしようもない部分もあるのだと思うけれど、私が思うことはひとつ、「若すぎるうちに子供を持たないでほしい」ということだ。
望まない(あるいは準備のできていない、時期尚早な)妊娠はしないのが一番だろう。
推奨する気はもちろんないけれど、見切り発車で「デキ婚」して数年後に子殺しというひどい罪をするくらいなら、深く反省しつつ、早いうちに「生まない」決断をするのも勇気と思う。
いけないことだけど、でも親がしっかりしていないうちに「子の面倒を見る」なら、共倒れにならないとも限らない。その辺の助言は、本人を知る周りの大人が慎重にしてあげたほうがいいと思う。
もう一方で思うことは、この子供たちがなんとか生き延びたとして、虐待あるいはネグレクトされ続けて大きくなったら、ロクな大人にはならないだろうということだ。
しょうもない親から生まれて育てられ、途中で自分で気がついて、親とは違う、「まともな」道を歩む人もいないことはないだろうが、まぁ将来は親がしっぺ返し(刺されるとか)されるのがいいところだろう。
子供はいつまでも「子供」ではない。 知力体力的に、どこかで親と逆転するときだって来るんだ。
あまり子供を粗末にしないほうがいい。
私はいつもそう思っている。
それは社会的にも言えることで。
子供は育って、20年もすれば社会を支える存在になってくる。
だからあまりないがしろにしないほうがいい。
目先の人気取りだけじゃなく、本当の意味で子供のことを考え、将来のことを考えることは、子供のいない私にだって関係することだ。年をとれば、あらゆる意味で、自分より若い人のお世話になるのだからね。
この可哀想な二人の姉弟を死に追い込んだのは母親だけど、広い意味では「この社会」が殺したんだと思う。
母親がここまで思いつめてもヘルプの手が差し伸べられない。
子供が断末魔に泣き叫んでも、近隣も、行政も、結局誰一人として「本気で助けよう」とはしなかった。
もしも私がこのワンルームマンションの隣の部屋に住んでいたら、本気で通報する。
ちゃんと誰かがカギを開けて入ってくれるまで、絶対にしつこく通報する。
尋常じゃない事態はわかるものだし、仕切っただけの隣のベランダが生ゴミだらけだなんて到底耐え得られないからだ。臭いだってゴキブリなどの害虫だって凄かったはずで。そんなの、あらゆる意味で放っておけない、我慢できない。
隣の部屋で二人の子供が死ぬまで泣き叫んで、本当に死んで腐乱するまで気がつかないなんて、一体どんだけ大邸宅に住んでいるっての? たかがワンルームマンションで、壁を叩けば筒抜けなくくせに、そんなわけないじゃないの。
性交渉が早いうちから始まり、できちゃったわ→結婚したわ→離婚したわ、があまりに安易で不幸の種をどんどん生産している気がして(世の中と家庭が複雑になり、一人前でない子供が一番かわいそう)、よくよく考えてから後戻りのできない道に進みましょうね!と、声を大にして叫びたい気持ちです。

