里井朱「真っ暗だね」
と言うと明かりがついた
朱「なんかセンサー?」
と言って田中緒李を見ると緒李の表情がまるで能面のような無機物のような、無表情とは少し違う、人の表情とは違うものになっていた。朱はそれを見てゾッとした。緒李は朱の存在を忘れたように中の通路を歩き出した
朱「ちょっと待って」
一緒に行くのは怖いが、一人ここで待つのはもっと怖いので緒李について行くことに
通路を歩き始めてすぐに違和感を感じる
ここってこんなに広いっけ?
このコンクリートの建物をぐるっと歩いて回った時は小さいと感じたのだが、今中を歩いてすでに10分。外で1周した時は5分もかかっていない。朱はここであることに気づく
朱「これって下がってない?」
この通路は螺旋状になっていて、どんどん地下に向かっていた
朱「いったいいつまで歩けばいいのよ~」
同じような通路、窓もドアもないところをずっと歩き続け遂に体力的に精神的に限界を迎えてしまった
朱「もう歩けない、もう歩かない」
と言って立ち止まると、緒李も歩みを止める。緒李の目の前に大きな扉がある
朱「もしかしてボス?ラスボスですか?」
朱の不安は最早限界スレスレだった
つづく