「助け…くだ…」
微かに声が聞こえる。どうやらビルの中からのようだが、下の階は落下の衝撃で押し潰されていた。見た限り、入り口らしいところはない。入れそうなところをぐるっと見てまわるか悩んだが
もし重傷ならそんな余裕はない
美也はビルに近づき、なんとか入れそうなところを探す
美也「ここなら」
と入って見るも、すぐに行き止まる。何度かの侵入で廊下とみられるところに出られた。ここも瓦礫だらけで一筋縄ではいきそうもない
パキッ
何かを踏んだ衝撃でヒールが折れる。このままでは歩きづらい。と言って裸で歩くには考えられない状況。美也はもう片方のヒールを壁に打ち付け折り
美也「これでなんとかなりそうね」
と言って声のした方に向かう
美也「確かこの辺…」
ガキッ
部屋の中から音がする
美也「ここか」
ドアノブに触れる
バキッ
ドアノブを捻ると同時に折れた
美也「こりゃ大変ね」
ドアノブを捨てる。大きく深呼吸を3回
美也「せーの」
美也はドアを蹴り破った
美也「ふぅ」
大きく息を吐き出し
美也「誰か居ますか?」
「…」
美也は首を捻る。もう一度
美也「誰か居ますか?」
「ここ」
声のする方を見ると瓦礫で埋まっていた
つづく