黒い悪魔~悪夢の始まり② | あ~やんのどりーむぱーてぃー

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わたしの見た夢を皆さんに紹介しています。どうぞ暇潰しに見てやってください(笑)

避難生活も2ヶ月が過ぎた。仮設住宅の建設も始まり、少し余裕が出てきた。すると、今回の台風と地震の被害がどれだけ凄まじかったか気づく。台風は鹿児島に上陸した後宮崎から四国へ、そして兵庫に再上陸した後は本州の真ん中を移動し、北海道へ。全ての都道府県が被害を受けた。その中の地震である。震源地は岐阜と栃木で、2つともM8というとんでもない直下型地震であった。死者行方不明者はまだ全て確認出来ていない


堺麻季「うちらよく生きてたよね」


堺龍臣「まったく」


と頷く。すると、あの土石流の光景が頭に浮かぶ。思わずぶるっと体を震わす


麻季「寒いの?」


もう真夏だし、公会堂は人でごった返しているのでかえって暑い。外の方が涼しく感じるほどだ。そんな中何故2人がいるのか?それは仮設住宅の第1回目の抽選がある為だ


麻季「何か羽織る物持って来ようか?」


と言うが、こんな中厚着をしたら熱中症で倒れてしまう


龍臣「大丈夫だから」


と言うと、麻季の顔が一瞬歪む。どうやら羽織る物を持ってくるのはついでで、この暑さから逃れようとしたようだ


公会堂も暑い、車の中も暑い、もちろん外も暑い。これを脱出するにはなんとしても仮設住宅の抽選に当たるしかないと龍臣は思った




真下響子「ほんとにいいんですか?」


渡辺通泰「ほとんど帰らないからね。好きに使っていいよ」


通泰は響子を自宅に住むように言うと、響子はそれに応じた。プライバシーもない空間で生活するのに疲れていた時言われたので、藁にもすがる気持ちだった


あれだけの地震だったが、家は無傷のように見えた


通泰「ここ岩盤の上だったからね、ただ…」


引き戸の玄関を力いっぱい引いても開けることはできなかった


通泰「ここだけ歪んじゃって。落ちついたら直そうかなって思ってる」


響子は別に気にならなかった。あそこから脱出出来たというだけで嬉しかった




つづく