1時間程して春が戻って来る
春「もう大丈夫ね」
と言うと秋が立ち上がる。愛莉と香織は大丈夫と
言われ首をひねる
大丈夫?なになに?
と香織は思ったが、愛莉はすぐに植木鉢が落ちてきたことを思い出し、顔が青ざめゾクッとした。それを見た秋はすぐに近寄り
秋「私が守ってあげるから」
と、香織に聞こえないくらい小さい声で言った。愛莉は香織の身も案じ香織を見る
秋「彼女は冬が守るから」
と言われたが、心配は尽きない
秋「大丈夫、夏もずっとあなたを見てるしね」
秋の笑顔を見ると不思議と安心できた
神様「お疲れ」
春「お帰りなさい」
神様「なんかあった?」
春が少しうつむく
神様「ん?」
春「何かあったじゃないです。彼女達狙われて大変だったんですよ」
神様は頭をかきながら
神様「そーならないように話を通して来たんだけどなぁ」
春「どこにです?」
神様「閻魔」
春「えぇー、行ったんですか?」
閻魔は死者を一括で管理していて、黄泉の国の支配者である。春が目を丸くして驚いたのは、神は黄泉を穢れ(けがれ)と言い嫌っている。そんなとこに行けば、神落ち(かむおち)と言われ神位(かみぐらい)を剥奪されることもある。神位を剥奪されると、妖(あやかし)と呼ばれ人々から嫌われ、神の討伐の標的となる
春「大丈夫なんですか?」
神様「大丈夫大丈夫。もしもの時は春か夏がこの神社を守ればいい」
春は拳を強く握り
春「そんなこと出来るわけないでしょうー」
と叫んだ
神様「しかし、狙われたとなると急がなくちゃいけませんね」
顎をさすりながら言う
春「神様、聞いてるんですか?」
怒鳴る春を横目に神様は笑みを浮かべ、空を見上げた
つづく