ふたり~葛城将の章~5話目 | あ~やんのどりーむぱーてぃー

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わたしの見た夢を皆さんに紹介しています。どうぞ暇潰しに見てやってください(笑)

将が振り返る。トラックが塀に突っ込んでいた。そこはちょうど将がいた場所。トラックのわきに自転車が2台倒れている。それは、将と宙のものだった。将は宙の姿を探す。将の見える範囲には姿はない。将は立ち上がり

将「そらー」

名前を叫ぶ。宙からの返事はかえってこない

将「宙、宙…」

将は胸騒ぎを覚え、トラックに近づく

将「宙?」

トラックの下をのぞく。宙の姿はなかった。将は辺りを見まわす。そこで、信じられないものを見つけた

トラックが突っ込んだ塀の隙間に手が見えた。その手はグローブをしている。そのグローブは宙のものだった

将「嘘だろ?おい、嘘だよな?」

将はその手に近づく。それはまぎれもなく宙のものだった。将はトラックをどかそうとする

将「おい、なにしてんだよ。早くどけろよ」

将は運転席に向かって叫ぶ

将「宙、待ってろよ。今すぐどかしてやるからな」

将はトラックを押し続けた



十数分後

レスキューと救急車がやって来て宙は救出された。将はそれをただ見てるだけだった


宙は病院に運ばれる途中で息を引き取った

将は信じられない気持ちでいっぱいだった。少し前まで普通に話していたのに・・・

将は両親とともに葬儀に出席した。母がとてつもなく憔悴していたのが気になった。将は自分はショックだったがそれ以上に母がショックを受けているように見えた

その夜

将は父にある話を聞いて驚いた

父「お前に話しておくことがある。宙くん…いや、宙はお前の双子の弟だ」

将は耳を疑った。俺の弟?

父「お前たちが生まれたときすごい難産でな、お前たちは未熟児だったんだ。お前は良かったんだが、宙は身体が弱くてな。その当時うちは宙の治療費を出せるほど裕福ではなかったんだ。そこで、お前たちが生まれた病院の院長は子供が居なくて治療費をみる代わりに宙をひきとることになったんだ。これは、母さんも知らない」

信じられない、宙が弟だったなんて・・・

将は目を閉じる。宙の姿が、顔が脳裏に浮かぶ。将は涙を流した


ふたり~葛城将の章~終わり

次回

ふたり~設楽楓(したらかえで)の章~に続く