ふたり~葛城将の章~3話目 | あ~やんのどりーむぱーてぃー

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わたしの見た夢を皆さんに紹介しています。どうぞ暇潰しに見てやってください(笑)

レースがスタートする。今日は体が軽い、風が心地よく感じる。今日の将は絶好調だった。レースの序盤で先頭グループに入ると一気に抜き去りトップに躍り出る。中盤になると誰も将について行ける者はいなかった

後ろを振り返る。2位グループははるか後方に見える。将は時々振り返ってはある姿を探していた

将「宙なにしてんだ」

その頃宙は苦しんでいた。渋滞でギリギリに着いただけあって、いろいろな準備ができなかったのはある。しかしそれだけではなかった。宙は2週間前にインフルエンザにかかり、まともな練習ができなかったどころかまだ体調も戻ってはいなかった

宙「くっ」

苦しい、胸が壊れそうだ

宙はずっと下を向いて漕いでいた

将は終盤にかかっていた。このコースは終盤に山越えになっている。将は登坂が得意なので、ここで将の優勝は揺るがないものになっていた。将は登坂の中ほどで自転車を止め振り返る。そして、はるか後方に宙の姿を見つける。不思議だった、沢山いる集団の中にいる宙の姿がはっきりわかった。将はおもいっきり息を吸って

将「宙、ここまで上がって来い」

将はそれだけ叫ぶと再び前を向き自転車を漕ぎ始める


宙はなにかを感じ前を見る。ずっと先の登坂に将と姿を見る

将「宙、ここまで上がって来い」

普通なら聞こえる距離ではない。しかし、宙は確かにはっきり聞いた。その声が宙に力を与えた

将が待ってる、行かなきゃ

宙の足に力が入る。不思議だった、さっきまで鉛のように重かった体が羽のように軽く感じる

いける

宙はどんどん抜いて行った

将は両腕を高々と掲げゴールした。しかし優勝した喜びは顔になかった。将はゴールを少しずつ過ぎたところでゴールをじっと見ていた

やがて、2位の集団が見える。皆ラストスパートをかけている。その中に宙の姿はない。長井も夕紀も宙の学校の先生も宙の表彰台はないと思っていた

将が右腕をあげる。すると、集団の中に宙の姿が現れる

将「来ーい」

その声に反応するように宙がさらにスピードアップする

将は右腕を宙に向けて伸ばす

劇的であった、宙は最後に集団をかわし2位でフィニッシュ。将と宙ワンツーで表彰台に上がった



ふたり~葛城将の章~3話目終わり