ライバルの古城宙(ふるきそら)と出会って1年がたった。あのあと大会で再会し(結果は宙が優勝)さらに仲良くなった
宙「今回も僕がもらうからね」
将「俺だってなタイムが上がってんだ。次は負けねえからな」
宙「それじゃ僕もうかうかしてられないね」
将「お前全然思ってないだろ?」
宙が電話の向こうで笑う。将は宙と話していると穏やかな気持ちになれた。宙と話していると自分に欠けていたものが埋まっていく感じがしていた
宙「それより聞いた?」
将「何が?」
宙「今度の大会表彰台にあがると○○に出られるって」
将「マジか?」
○○は世界のトッププロが出る大会のことだ
将「お前は大丈夫かもだけど」
宙「なに言ってんだよ、一緒に出ようよ」
将「よし、俺も出る」
宙「うんうん」
将「お前をぶっちぎってさ」
宙「それはさせないよ」
2人は笑って電話を切った
そして大会の日
将は宙の姿を探した。どこを見てもその姿はない
将「長井、古城を見なかったか?」
長井「見てないな」
将「マネージャー」
夕紀「彼の学校が来てないみたい」
将「いってぇ、なにしてんだよ」
大会の受付終了が迫っていた。このままでは約束がはたされなくなってしまう。将はあわてていた
将「ちくしょう」
夕紀「葛城くん」
将は走り出す。宙たちが来るであろう方を将は睨んでいた
将「約束はどーすんだよ」
受付終了まであと10分
長井「来た」
いつの間にか長井と夕紀は将の隣に並んでいた。そして、目のいい長井が真っ先に自転車を積んだ車を見つける
将「早くしろ」
夕紀「私、大会本部へ行ってくる」
長井「俺も行ってくる」
車が到着し、宙が降りてくる
将「なにしてんだよ」
宙「事故渋滞につかまってさ。とりあえず、大会本部へは連絡してあるから大丈夫だと思うけど。ただ、レースがスタートしたらアウトだけどね」
将「それなら早く言えよ」
将は緊張がとけ身体の力が抜けてしまった
宙「迷惑かけたかもしれないけど、レースでは手は抜かないからね」
将「当たり前だ」
宙「そして僕が優勝をもらう」
将「そこは譲らねえぜ、俺がもらう」
宙「それじゃ、お互い頑張ろう」
将「ああ」
2人はがっかり握手した
ふたり~葛城将の章~2話目終わり