久能忠(くのうただし)「俺、わかったんだ。俺は彩が好きだって、離れたくないずっと一緒にいたい」
わたしは幸せの絶頂にいた
わたし「もう、いつまで寝てんのよ」
わたしと忠は家が隣同士、いわゆる幼なじみにと言うやつ。そして、これは毎日の日課。学校まで5分という近さから忠はいつもギリギリまで寝ている。それを起こし一緒に学校まで行く。中学3年にもなって、いい加減と思うのだが。でも、わたしは嫌でやってるわけではない。わたしは忠のことが・・・
中山美花(なかやまみか)「いつも大変だね」
わたし「まったく」
篠田志乃(しのだしの)「久能くんもう彩が起こしてくれないんだから、ちゃんとしなきゃダメだよ」
忠は頭をかき、あくびをして
忠「わかってる、たださ俺としてはもうちょっと寝てられるって思うんだけどさ」
三池敬(みいけたかす)「高槻さん、こんなヤツほっといて僕とさ…」
忠「敬、やめといた方がいいぞ。彩は怖えーぞ」
わたしは忠の横腹をグーで殴る。忠は殴られたところをおさえ
忠「な、凶暴だろ?」
わたしは忠の頭を叩いた
だいたい、これが毎朝の風景だったがこれが変わろとしていた。それは、忠の引っ越し。忠の親の転勤に伴って忠は全寮制の学校に入学することが決まっている。忠の引っ越しは卒業式のあとすぐ。もうすぐ忠が居なくなる、わたしにとって辛い日が近づいていた
そしてそれは卒業式前日
忠がわたしの部屋にやってきた
忠「よう」
忠がわたしの部屋に来るなんて小学3年以来だった
わたし「ノックもなく入ってくるなんて信じられない」
忠は部屋の内側でノックをし
忠「これでいいか?」
わたし「信じられない、いいわけないでしょ」
わたしは忠がいつも違うことに気づいたが、普段通りに接した。というかどう接していいかわからず、普段通りに接した
忠「あのさ…」
忠はドアの前で立って、どう話していいかわからず迷っているように感じた
わたし「座ったら?」
忠「あ、ああ」
忠はドアの前に座る
わたし「で?」
忠「あのさ、俺明日引っ越すわけじゃん」
わたし「そうだね」
忠「でさ、考えたんだよ。そしたらさ、彩っていつも俺と一緒にいたなって」
わたしは顔がばっと熱くなる
わたし「隣だからね、しょうがないじゃん」
忠はうつむいたまま
忠「だよなー。でさ、考えましたんだ。彩が居ないのってって」
わたしが考えないようにしてたこと、忠が居ない世界
忠「俺の横に彩が居るって当たり前だったんだ。それでわかったん、俺、彩が好きだって、ずっと一緒にいたいって」
わたしは涙がこぼれる。それを見た、忠があわてる
忠「ごめん、迷惑だったか…」
わたし「バカ」
忠「バカはないだろ」
わたし「遅いよ」
忠「な、なにがだよ」
わたし「なんで今言うのよ、明日お別れなのに」
忠「それはだな、今日ふと思ったわけで」
わたし「バカバカバカ」
忠「なんで俺がそんなに…って」
わたし「わたしはずっと…」
忠「まさか」
わたし「ニブイやつなんて嫌い」
忠はわたしに近づき
忠「ごめん」
忠はわたしを強く抱きしめた。わたしは忠の胸で泣いていた
わたしの中に1終わり