激闘の脱出!
著:デニス・E・テイラー
ジャンル:SF
原題:HEAVENS RIVER
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シリーズ初の上下巻に別れた超大作。
巨大すぎるシリンダー世界に苦心惨憺なんとか潜入した
4人のボブたち。(正確には3人とブリジッド)
上巻の最後の1行でベンダーとの接触が果たせた。
盛り上がったままの勢いで下巻に突入。
いやもう、目まぐるしい展開で飽きずに読める。
4人で旅をしながらベンダーを探す一行。
生きていたことがわかったものの、どこにいるのかわからない。
なにせ16億kmと言う大河が流れ、区画ごとに町や村が存在
する世界。 どうやらベンダーはAIマトリックスをむき出しに
されたままで各種センサーにも接続されていない。
見えない、聞こえない、動けない状態のようだ。
発見~救出~脱出をこなすことに…。
ところが… 探索と情報収集を続けていくと、様々な謎に
遭遇し、しかも住民の中には<管理者>とその<クルー>、
さらには<レジスタンス>と呼ばれるグループがあるらしい。
血気盛んなクインラン人と小競り合いを起こしながら、
時には学生グループを演じ、時には船乗りになり、様々な
変装、トリックを駆使して謎に迫るボブたち。
ボビバース(ボブたちの宇宙)では反乱分子の破壊工作で
次々に中継ステーションや自動工場が停止や破壊に追い込
まれ、ついにヘヴンズリバーに潜入中の4人のうち3人が
行動不能に追い込まれることに。
たった1人で、ベンダーを救い21cm四方の立方体である
AIマトリックスを水に濡らすことなく移動させ、宇宙に脱出
させることが出来るのか。
作中、かなり意図的な宇宙観、知性体の分布、進化の段階
に共通するものがあることに気づくボブたち。
宇宙全てがなんらかの統制を受けているのでは?
… アザーズとの戦いの三部作が終わり、新たな世界への
挑戦編になった第1作目… どうやら展開はより壮大に
なっていく予感がちらほら。
誰がなぜどのように、このシリンダー世界を作ったのか。
死滅した惑星クインはなぜそうなったのか。
大きな謎が次から次へと。
包囲網が徐々にせばまるヘヴンズリバー。
ボブはベンダーを抱えてどう逃げ切る?!
手に汗握る冒険はまだまだ続く。
下巻はほぼ一気読みの面白さ。
小ネタはそのままてんこ盛り。
反乱分子ボブやら、謎の研究を続けるボブやら
ボブの仲間もそれぞれに分派が進行し、なにやら不穏な
空気も…。
話はまだまだ続くようで、続刊に期待したい。
冒険の詳細は是非、お読みください。
面白い!
