米米ハウス発ブルーマウンテン行き 世田谷一家殺害事件考1 | 人はパンのみにて生くる者に非ず 人生はジャム。バターで決まり、レヴァーのようにペイストだ。
昨年末に警視庁からリークされた「凶器包丁に於けるハンカチの包み方フィリピン風」情報は明らかに、点と点の断片を包み込む基となる線をこの事件の筋読みへと、もたらしたように思われる。

この事件の犯人には非常に国際色を感じてきた。アメリカと韓国の薫りがしてくるのである。しかしながら単純な留学生等による犯行のようにも思えない。犯人のファッションからは2000年末と云う犯行日時を考えると特に、アジア系留学生の雰囲気が漂ってこないからだ。あんなストリートな格好をするアジア系留学生などいなかった。したがってこの犯人は恐らく日本在住で、生まれはともかくも育ちは日本だった可能性と云うものが感ぜられた。

しかし純粋な日本人、大和民族と云うものでもなさそうではあった。ファッション全般が当時の日本人の若者の流行には乗っかっているとは云え、外国的な雰囲気がする。フランス製香水ドラッカーノワールやスラセンジャーの靴などその最たるものであった。この日本に出回っていない韓国製の靴や排泄物から検出されたインゲンの胡麻和えからは韓国を、ストリート文化に触れていそうな全般的雰囲気、遺留物であるモハーヴェ砂漠の砂や母親に流れる白人の血からはアメリカを感じ取ることが出来た。

これら米韓の要素に加えて今般、フィリピンの要素が新たに加わったことで、漠然とした印象が俄かに具体性を帯びるに至った。米韓比、これは明らかにアメリカ、殊に米軍繋がりである。犯人が残した砂…あのモハーヴェ砂漠の砂はエドワーズ空軍基地付近のものだったそうだが、韓国の水原の砂が検出されたとの話もある。水原にも米空軍基地がある。また、三浦半島の砂からは横須賀が想起され、今般出てきたナイフの包み方のフィリピンにも、以前は広大な米軍基地が存在した。犯人は20歳前後と思われ、またかなりドタバタした犯行風景でもあるから、犯人と云うよりも犯人の親が米軍人・軍属なのであろう。フィリピンが出てきたことで犯人の母方に地中海沿岸の白人の血が流れていることもすんなりと入ってくると云うものだ。恐らくそれはスペイン人の血と云うことになろう。

このような材料を総合すると、犯人は民族的にはアジア系だが国籍はアメリカ、つまり韓国系アメリカ人で母親についてはフィリピン系と云うことになる。

さてこうなると次に犯人の住居と云うものが絞られる。つまり、米軍ハウスに住んでいるわけである。ハンカチにアイロンの痕跡があったり、インゲンの胡麻和えなんぞ食べていることを見ても、親と同居している可能性が高い。犯人の遺留品は荻窪で手に入れられるものだった。凶器については吉祥寺と云うことになる。したがって吉祥寺-荻窪エリアに住み、仙川沿いに自転車を走らせて犯行現場へ向かった線がこれまで濃厚であった。しかしあの交通不便な現場付近をどのような経緯で知ったのか、要は目的地としての現場周辺と云うのがどうにも弱いのが気掛かりではあった。流しにせよ、怨恨にせよ、どのような経緯で被害者や被害者宅を知ったのか、目的地になる得る場所が、例の祖師谷公園程度しかないのである。だからスケボー広場がその目的地でそこで騒音を巡り被害者(夫)と揉め事を起こして…と云う線などが浮上するわけでもある。

ところが家が米軍ハウスと云うことになると、話はガラリと変わってくる。実は遺留品は荻窪の他に本厚木でも手に入れられるのであった。この場合、凶器は経堂か用賀で手に入れたことになろう。つまり、現場の北側から南側へと犯人の足跡がそっくり移動することになるのである。荻窪の近くに米軍ハウスはない。が、本厚木の近くには、キャンプ座間があり、隣の小田急相模原に米軍ハウスが存在する。相模原の米軍ハウスは陸軍のものだから或いは、犯人の親が陸軍、兄が空軍勤務と云うことも考えられる。クリスマス休暇を利用して来日した兄が、エドワーズ空軍基地の砂を(意図せずに)持ち込んだのかもしれない。したがって犯人は都内在住ではなく、小田急線を使って神奈川県より現場へと向かったことになるのだ。道理で現場周辺から怪しい住人が発見されないわけである。