佐渡随想&プチ信行道場の思い出 | 「仏道は遙かなり(>_<)」~在家子育て尼僧の徒然☆

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日常の出来事や、今までの間違った経験を恥ずかしげもなく綴るBlog。
こんなヤツでも仏の道を志して良いんです。
ま、自分なりに真っ直ぐに行きましょう。ちなみに日蓮宗です☆

最近、何となく信行道場時代のことを思い出しております。
※信行道場:日蓮宗における義務教育の最終機関で35日間総本山身延山の道場でする結界修行
修行楽しかったなー、また行きたいなー。夢のような時間だったんですよ。だって1日24時間全部修行に使えるんですよ、全部自分の時間ですからね。ご飯の心配もしなくて良いし。
何よりご廟所のお側っていうのが。
あんな最高なところ無いですよ。アップ

私は在家出身なこともあって、知らないことがいっぱいありました。ほんの些細なこと、例えば焼香炭の火の付け方とかね。
最終日に、先生抜きで何かしていいよっていう時間がありました。皆で法要&唱題ライブしよーぜってなりまして、マッチすって焼香炭を付けようとしたら皆から「何やってんの」とかめちゃくちゃ言われましたね。笑
「マジで知らなかった! 道場出てから恥ずかしい思いしないで済んで良かったわー、私めちゃめちゃラッキーじゃん? そやろー!」って笑い話になりました。
そのあとの法要&唱題ライブ(好きな打楽器を代わりばんこに打っていくという唱題)はとても楽しかったです。ラブラブ

 

▲私が入る前日の信行道場。荷物搬入だったかな。大変でした。

そんな感じなので、私は自分が間違いなく出来ること、声だけは誰よりも大きい声出していこうと入場前から決めておりました。
けど、声が大きいと、自分が間違ってたら他の人もつられちゃうんですよね。一日の終わりの読誦行のときは結構ご迷惑かけたかもしれません。うはは。

色々思い出して楽しくなってきました。また近々詳しく書きまーす。笑

そういうわけで、信行道場時代の私の副主任先生が佐渡在住というご縁で10月に佐渡に参らせて頂きましたことは先に書いたとおりですが、ホテルで皆でお喋りしてたときのことです。

「あんときの道場では○○(私)が一番バカだったからな」と先生が。

マジか!!Σ(゚Д゚)
そっか、2番目くらいかと思ってましたが、一番だったんですね。笑
ほかの年輩尼僧さんには「おまえは山犬みたいな目してたもんな」と言ったりしていた(笑)結構というか、かなり口が悪い先生なんだけれども、何というか、気品があって嫌みとか悪意がないので嫌な気が全くしないんです。そう、愛情表現みたいなもんです。
言葉の通り受け取って、しくしく泣いたりプリプリ怒り出すような人は、多分この先生と付き合えないと思う。
(いや、愛情表現じゃなくて本気の本気かもしれないけど・・笑)
まあ、悪意ではないことは確かです。が、、うーんやっぱり、、本気かも。笑

 

▲道場に入る前、ご近所の同期と袴をたたむ練習したときの写真。こんな紐、もう出来ないかも・・いや、思い出せば出来る!はず!(笑

そんなこんなで楽しかった道場時代の話も尽きず、いよいよ最後の日・・
先生をお招きして、ホテルで会食ということになりました。キラキラ
すっかりチビ達の人気者になっていた先生と奥様は、「せんせー、こっち来て。ココに座ってえ!」などとチビ達に言われてチビの隣の末席に座ったのでした。

いやいやいや。
先生にその席は無いでしょ。

「先生、コチラにどうぞ」と真ん中の席をお勧めしましたところ。


「俺が? こっちに? ・・○○(私)。子どもの気持ちを一番に考えろ。

私は面食らってしまって、「はい」と返事をするしかなかったのでした。
この先生のこういうとこすっごい好き。(>_<)

そうだ。最初の日の回転寿司だって、私は正直冷や冷やしていた。
初日の晩は宿ではなくてお寿司屋さんに行く予定と聞いたとき、ウチの子どもたちが、日頃うるさいチビたちが、もし先生の行かれるような格調高そうなお寿司屋さんに行ってギャーギャー騒いだらどうしようかなと。粗相しないわけがないヤツらが障子や花瓶でも割ったらもう立つ瀬無いと。先生もお寿司屋の大将に顔がないだろうと。あせる
そうなりそうだったらとりあえず中座して、散歩にでも行くしかない。そんな風に思っていたのです。

そしたら、連れてくださったお店は「回転寿司」。正直「えー?」って思ってしまったのは前記事に書いた通りなんですが、回転寿司のクオリティとは思えないほど美味しくて、気兼ねなく食べられて、子どもたちも大喜びで。
それで気付いたんです。そっか、あの店のチョイスも、まずは子どもを一番に考えてくれて、だけどちゃんと美味しいものを食べさせてくれるお店でもある場所を、考えて選んでくださっていたんですね・・

何より先生のことを第一にと思ったのだけれど、いつだって先生は最も弱い者のこと、日頃疲れている母たちのことを考えてくれていたのでした。真ん中の席だとか何とかは、先生にとってはどうでも良いことだったのです。
ははは。先生、やっぱ私一番のバカですよね。そんなことにも気付かなかった。


▲ご飯も美味しかったし子どもたちの浴衣姿、可愛かったな~♪

先生から聞いた話。
道場での食事の時間は道場生の体調や心理状態を見る時間。食事しか楽しみのないこの道場の中で、うつむいていたり、体調悪そうにしている者がないか、主任先生が食事を終えられるまでの間、さり気なくチェックしているのだとか。
そこまで考えてるんですね・・

先生という立場に立つ人はやはりそう呼ばれるだけの人格持ってるんだよなあと痛感。当たり前かも知れないけど・・やっぱり先生すごいです。

私たち(28年度第2期)の道場は、恐らく周囲から見れば「ユルい」と思われてると思う。
そんなことは決して無かったですよ。厳しかったと思います、普通に。だけどイジメだとかなんか八つ当たりだとか感情に任せて怒鳴りつけたり、ましてや暴力だなんて、そんなことは一切無かった、それだけじゃないかな。もちろん怒鳴りつけたいと思われる場面はたくさんあったと思いますよ、叱られはしましたし。
しかしそれは先生が気をつけてくださっていたからであり、仲間たちもギスギスしてなくて助け合って頑張れたからなのだと思う。まー、道場はきっとメンバーによるように思います。私たちは、最高の先生と最高の仲間だったんです。

人間は、いじめられて育ったら、上の立場に立った時、下をいじめようと思う人がいる。
部活でもそうだった。嫁姑問題なんかもそう。パワーバランスはどんなときもフェアではなく、マウントの取り合いが最重要課題みたいな人がいると最悪だね。

されてきて嫌だったから、下の者にも同じようにしてやるんだ。
されてきて嫌だったから、下の者にはしないようにするんだ。
どちらのように発想する人が上に立つ職場がいいでしょうか。
伝統だからいじめてもいい? そんな人間は僧侶になって何が出来るっていうんだろ。

ところで私は最近の「頑張れって言っちゃダメ」みたいな風潮があんまり好きではないです。そりゃあバックグラウンドも知らずに安易に言える言葉ではないけれども。。
もちろん、そんなに強い人ばかりではないだろうけれど。言われてキレそうって場合もあるし、泣きながら頑張らなきゃならない人もいるし、自分の荷物の重さに堪え切れず、自ら人生に幕を引いてしまう人もいるだろう。

随喜見聞(ずいきけんもん)、恒に主伴(しゅばん)と為る。
私たちが毎朝読み上げる文の一節です。主任先生は、我々先生が教える立場ではあるけれども、あなた達からも教えてもらうことがある。そう仰いました。だからどっちが上とか無くて、常にフェアだからねってことを言いたいのだと思います。もちろん、先生を敬う気持ちは持ってないとダメだけどね。
立派な人格の形成は、如何に自分より上位の人格者と関りをもって生きてきたかによると思う。だから向上心を持つことは大事だし、素晴らしいなと思えるような人には全力で会いに行って話を聞かせてもらうべき。逆に、誤解を恐れずにいえば、得るものがないと思う人と付き合う必要はないし、得るものがない場所にとどまる必要はない。冷たいようだけど、私はそう考えています。
だって私たちは、弱い者を救える人間にならないといけないから。

私たち僧侶は、人よりも勉強をし続けなければならないし、人を救う手立てや方法の引き出しを増やしていかなければならないのです。
それを思うと、のんびり休んでいる暇なんか1ミリもない。
そのための勉強が人生の楽しみ、遊びとならなければその道は辛いものでしかないのでしょう。
僧侶に限らず、お仕事でもそうだし、学生さんだってそう。勉強や仕事が自分の楽しみではない人生は苦痛だと思う。
人生は楽しむためにあります。やりたいことをやるのが一番楽しいですね。頑張ることが楽しみとイコールであれば一番だなあと思います。あなたは何だったら一番頑張れますか? それに向かって頑張ってみよう、頑張っていこう。星

 

▲一番のバカでラッキーだろー。人よりいっぱい勉強が出来る、吸収できるってことだよ。寝るのも仕事のうちだしな☆笑

佐渡でもらった先生の一言を胸に刻んで、今日も前に進みたいと思う。
「道場のときから言ってるだろ。土の下に入ってからいくらでも休め。それまでは、走り続けろ」

 

以上、佐渡記これにて終わりでございます。長々とお読みくださりありがとうございました。

 

先生奥様には感謝しかないです。本当にありがとうございました。

そして、この度お世話になりましたお宿は「ホテル吾妻」さん。

夕焼けが一番近くに見られるお宿と謳うホテルだけに、海と日天・月天の美しさは絵画のようでございました!

素朴で親切なスタッフさん一同に心より感謝申し上げます。

 

合掌 南無妙法蓮華経