第70回人権週間に思う障害者の未来 | 「仏道は遙かなり(>_<)」~在家子育て尼僧の徒然☆

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日常の出来事や、今までの間違った経験を恥ずかしげもなく綴るBlog。
こんなヤツでも仏の道を志して良いんです。
ま、自分なりに真っ直ぐに行きましょう。ちなみに日蓮宗です☆

本日12月4日~10日まで、法務省と全国人権擁護委員連合会の定める「人権週間」、12月3日~9日まで内閣府の定める「障害者週間」となります。昨日3日、大阪市内にあります阿倍野区民センターで子どもの発達障害についての公開講座を聴講しました。

 

▲公開講座の模様。大阪府発達障がい児療育拠点事業の取り組み・事例発表もありました。

 

詳細はコチラ:「ライフステージを通した支援体制づくりに向けて ~大阪府発達障がい児療育拠点 整備10年をむかえて~」

 

私はずっと「他人様の人権を蹂躙するようなことはありませんから、別に人権のことについて学ばなくても」などと考えておりました。

しかしながら自分が障害者の子どもを持ってみると、マジョリティに属していないことはこんなにも大変なものなのか、この子は、私たち家族は社会的弱者なのか。様々な疑問や行政とのたたかい、人さまからの見る目と態度などなど・・世間の厳しさ、いとも簡単に脅かされる人権問題を目の当たりにすることになったのです。

 

私の長男は自閉スペクトラムです。こだわりが強くかんしゃく持ちで、遅延性反響言語(遅延エコラリア)や、他動気味なので手足でテーブルや床を叩くなど、常にウルサイです。

私などはそのおかげで、TVやラジオがかかっていること、音楽を聴くことすら嫌になったほどです。

「音、要らない。音のない世界に行きたい。」病的だなあと思うけど、そんな風に思ってしまいます。常にノイズにさらされるって、ホント大変なんですよ。頭がおかしくなりそうだと思うときさえあります。

 

▲ついでに「いろとりどりの親子」という映画を観ました。それぞれ違った障害・LGBTなどを持つ家族たちのドキュメンタリー。シネ・リーブル梅田および全国のシアターで公開中。

 

しかしこれは、そっくりそのまま我が子の感じている世界でもあります。

発達障害のなかに、「ノイズとそうじゃない音を聞き分けることができない」という症状があります。

 

例えばカフェに居たとします。カフェでは色々な音が聞こえますね。

他人のお喋りやお店の人の声、BGM、外からの車やトリの鳴き声の音、レンジやコーヒー豆をひく機械の音、エアコンの音のような微細な音まで、数えあげればかなりたくさんの音に囲まれて私たちは生きております。

 

通常、私たちはノイズを廃して目の前の友人の声だけに集中できます。脳がそのようにより分けてくれる。しかし、発達障害の人はそれが出来ない(※すべての発達障害の方がそうだというわけではありません)。出来ないというか、そういう脳の作りになってないようです。なのですべての音が、常に同列で入ってくるのです。

これはしんどいと思いますよね。

 

学校で、先生のお話だけに集中したくても出来ない。よって、授業に身が入らない、当然叱られることも多くなりますでしょうし成績は振るわず。「ああ、自分はなんてダメなヤツなんだろう」と自己肯定感も低くなっていきます。そして「こんな社会は嫌だ」と引きこもる、恨みを募らせ犯罪に至るなどなど。。負の連鎖が生じることが容易に想像がつきます。

そうならない社会を作らないといけないなと思いますが、現実はそんなに甘くないということも身を以て知りました。が、だけどそれでもやるしかないのだ、とも思っています。

 

▲映画館の前には障害者・人権関連の展示が。障害者就労支援や、特例子会社としてたくさんの障害者を雇用している会社さんの案内。

 

実は私は、僧侶のほかに農産物加工の会社を経営しております。

地元の農産物のうち、小さくて商品として価値が低いもの、市場に出せないものを活用するもので、「もったいない精神」から始まった事業です。幸い大阪府庁の関連部署をはじめ、たくさんの方々にご支援頂き一定の成果を出すことが出来ましたが、今年の猛暑・大雨・台風で商材となる農産物は大きな打撃を受けました。そしておそらく今後5年間は回復の見込みはないだろうという見立てです。

 

もとになる農産物が採れないのであれば私の加工会社も稼働することは出来ませんから、業務は縮小となろうかと思います。

良いしおと見て、私もそろそろ生活のすべてを法に捧げて生きていきたいと思うようになりました。

 

が、そういうわけにもいかないようです・・

 

その農産物加工会社には、現在就労支援施設から障害者の方にお手伝いに来て頂いています。

シール・ラベル貼りなどの軽作業など。真面目にやってくださり大変助かる反面、クオリティにムラが出ることもあります。あせる

 

そんな彼女たちの給料を知ってしまいました。月に2万円です。

20万円じゃないですよ。。

グループホーム代だとか、食事代だとか、施設利用料的ななにがしかを支払って残ったお金だとか、彼女たちに渡るお小遣いの金額って感じなのかもしれませんが・・

 

私の子どもは車掌さんになるのが将来の夢で、アナウンスやエア電車とかめちゃくちゃ得意です。親も応援することは全力で応援したいと思っています、が、もしかしたらこういった就労支援施設で軽作業に従事して生きていく可能性もあります。

 

ですからショックはショックでした。2万円なんて・・

私が死んだらどうやって生きていくんだろう、この子。・・って思うじゃないですか。なんか絶望的な気持ちになるっていうか、リアルに将来に不安を覚えている親たちが、全国にたくさんいるんだろうなと想像できて、胸が痛くなる。

 

この子や、こういう子達がもっと働いてお金もしっかり貰えるような仕組み作りが急務ではないかと思うようになりました。子どもが就職するくらいの間までに、何とか準備していかないと。

今現在、商材は無くなってしまったけれど、また何か考えて新たなスタートラインに立たなければ。こういう子達の明るい未来の道を当事者たる私が開かなければ・・具体的には、こういう子が働ける作業所を作るとかですね。

もともと、農産物会社で儲けたら(ってそこまで儲からなかったんですけどさ笑)子どもの放課後デイサービスなど社会福祉事業を展開したいと考えてはおりましたが、それよりはそういう職場作り、仕組みシステム作りだなあ・・

まあでも、それには、この農産物加工会社でのノウハウが大いに役に立ちます。いろいろ情報も集めていかなければ。

今はそんな風に考えています。

 

▲「おおさかふれあい折り紙」障害者の大変なところ、社会のなかで工夫されていることを知ろうという折り紙。

 

厳しさばかりを強調したような文章になりましたが。

しかしまた、世間の厳しさだけではなくて、あたたかさも知ることが出来ました。

そのあたたかさを寄る辺として、社会に恩返ししながら、支え合ってお互いがより良く生きていけたら・・

そんな風に思うのです。

 

皆さんもお近くの催しに参加して、「思いやりの心」や「かけがえのない命」について、もう1度考えてみませんか?

(法務省webサイトより)

 

法務省「人権週間のページ」:第70回人権週間の全国各地の行事の詳細等はこちら

 

・・・

 

↓余談☆

 

市内の先輩方に「一緒にランチしましょー」と声をかけたらさすがに師走、ことごとくフラれましてん。あせる

私はお一人様大丈夫なヤツなので全然平気だけどね。

そういえば、映画館の近くに友人のラーメン屋さんがあったわあと思い出して行ってみたところ・・

 

▲ガーン! 定休日だった。どうも人に嫌われる日のようで。笑

 

当たり所がなくて思わず心斎橋まで歩いてしまった。今、足に水ぶくれが出来て痛い。(涙

お友達のお店は「みつか坊主」という、お味噌専門のラーメン屋さん@大淀南です。大阪ではあまり馴染みのないらしいね、味噌味。

お店もお洒落で美味しいので、近隣の方はぜひぜひ行ってみてくださいませ^^ 豊中蛍池駅前にもあるよ。

 

「人生に味噌とお酒とラーメンを」みつか坊主オフィシャルサイトはコチラ☆