「アイスと雨音」、やつと観てきました。
松居大悟監督自身の実経験に着想を得た作品。
オーディションで選ばれて舞台に立つことになつた6人の少年少女。
親友が故郷を離れることをきつかけにした、鬱屈からの夜明けを描いた作品。1ヵ月後の本番に向けて練習を重ねるも、1週間前になつて突然公演中止を言ひ渡される。チケットが売れない、練度不足もほのめかされて。それでも想(森田想)の「稽古しやうよ」の一言から玲子(田中玲子)らは突き進む。
悔しさ、苛立ち、舞台への思ひをぶちまけたやうな演技、下北沢の街を駆け抜けるシーンや響く雨音に、遠い昔に置き忘れてしまつた「何か」…分別で折り合ひをつけることに慣らされてしまつた今の私には
もう手に入れられないもの を感じてしまつた。
ところどころで、そしてエンディングでも流れるMOROHAの語り掛けるやうなラップの歌詞がまた、じんはりとくる。