小泉首相は問い掛ける、郵政民営化に賛成か反対かと・・・
しかし、この問いかけに郵政民営化に賛成であっても、あの廃案になった郵政民営化法案に反対であった場合のことは想定されていない。
小泉首相は、為政者として自己の政権を、あの中途半端な郵政民営化法案にかけているのだから、それはご本人の選んだ道。
しかし、郵政民営化法案に反対であっても、郵政民営化自体に反対でない場合でも、多くのマスメディアは「郵政民営化」反対派という。
正確には、「郵政民営化法案」反対派である。
この「法案」の2文字を省くのは、視聴者にある種のイメージを植え付ける。
ゆえに、面倒であっても「法案」の2文字は省けないはずである。
さて、あの廃案になった郵政民営化法案の問題点を挙げてみよう。
私は、あの法案では、将来税金の投入が必要になる可能性が高いと考えている。
まさに本末転倒、何の為の郵政民営化であるのかわからない。
①地方郵便局の維持の問題
あの法案では、郵便局の数を維持することとなった。
現在、郵貯の事業収入が赤字郵便局を支えているのだが、郵便事業と銀行・保険事業が分割されれば、郵便事業の赤字補填はできなくなる。
だから、2兆円の基金を積んで、その利息で赤字郵便局を維持しようというのだが、2兆円の基金の利息では赤字局の4割程度しか維持できない。
あとの6割を維持する資金は、税金しかありえないのだが・・・
②財投債購入の問題
現在、郵貯・簡保資金の融資先は、財投債や国債購入にあてられている。
政府が100%の株主である間は、国債や財投債の購入は続くであろうが、株式が政府から売却された後は、国債や財投債購入の義務はなくなる。
アメリカが、郵貯・簡保の民営化を要求する理由はここにあるのだが(日本の国債よりも米国債の方が利息が高い)、国債や財投債の購入を行わくなった時の経済デザインが、見えない。
特に財投債は、問題はあるが日本経済を支えている側面は否定できない。
この購入を行わなくなった時、財投債に流れていた資金を何処から持ってくるのか?
持ってくる先は税金か?
③融資先の査定問題
民間の金融機関であれば、融資先の査定を厳格に行う必要がある。
厳格に行った場合、財投債はほとんどが焦げ付き融資と言われており、いきなり債務超過に陥る可能性がある。
現在の郵貯の融資先の査定、これをまず行わないと、郵貯事業が黒字というのも幻想になる恐れがある。
私は、実は郵貯事業は黒字ではなく資本金の積み増しが必要な状態なのではないかと推測している。
そしてこれも、税金投入の対象となる。
思い出して欲しい。
長銀は、融資先の査定厳格化で債務超過に陥り、大量の税金が投入され、そして外資に売却された。
この法案では、郵貯事業は長銀と同じ轍を踏む
郵政民営化をこのタイミングで行う事は、税金の無駄遣いを結果として増やすことになる。
しかし、アメリカは自国の国債を誰かに買ってほしい。
ゆえに、アメリカは日本の郵貯・簡保資金に目をつけた。
アメリカの支持が最大の後ろ盾の小泉政権は、それを改革の本丸にすりかえただけ。
あの法案では、税金の無駄遣いが増える!