










12-30 観世栄夫 能役者/演出家
初心 わするべからず
これは、私の先祖でもあり、能の大成者でもある世阿弥が、その芸術論「華鏡」の奥段で述べている言葉です。この言葉は現在でも入学や入社のまた結婚式などのはなむけの言葉としてよく耳にします。大方は初心の新鮮で純な気持ちを忘れずにという意味に用いられるようですが、世阿弥の用いている意味は多少違うようです。世阿弥は初心の時の非を、つまり初心の時の下手さを、まずさを忘れるなということを言っているのです。今日の至らなさ、失敗、間違いをはっきりと見極め、自覚することにより明日の進歩があるのではあり、初心をわすれないということによって、始めて後心が正しく発展していくことができると戒めているのです。そのうえ、世阿弥は若い時の至らなさばかりでなく、年々時々に、盛年から老年に至るまで、その年齢の肉体条件、物の考え方の中で始めて出会う事柄をはっきり分析し、自覚し記憶に留めていくことによって常に進歩し、停滞、交代することは有るまいということを訓えているのです。
大まかに 悪かった時のこと(初心)の
くやしさや情けなさをしっかりと覚えておいて進歩につなげていく。ってことかな?
なかなか 難しい文章でした。



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