読後感想・雪読晴散(小学生に授業・地中の花粉) | まさや爺さんの贈り物

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「小学生に授業」この本は、国際日本文化研究センターの教授陣が近くの小学校に行って、自分の専門分野を小学生に授業した内容が、一項目約30ページにまとめられて書かれてある本です。自分は、成長していないのか、少年向けの本がとても好きです。


 まず漢字にルビ(Ruby)が打ってあるのと、ちゃんと説明がわかりやすくされているからです。ボランティアでカブスカウトを経験しましたが、そのときは子供に教えられることばかりでしたし、いかに上手に子供に教えるかで、よく考えさせられました。


 ですから名著を読むときも岩波の少年少女文庫ですととても読みやすいし、わかりやすいと思います。よく父が、「わかりやすく説明ができないと本物じゃない」と言っていました。そういう意味では、この本は、とても面白い本です。更に授業の内容が、自分に興味のあるものばかりでした。


 年をとってくるといろんなことが知りたくなりますが、目が霞み、集中力が続かなくなるので、このようにひとつの題目に30ページが一気に読めてとても達成感があります。この本での題目を列記すると「学問の楽しさ」「宮沢賢治」「道徳」「自然に学ぶ」「三国志」「俳句」「交渉」「時を計る」「地中の花粉」でこれを解説してくれるのが、それぞれを専攻している世界的権威ですからたまりません。


 そこで最後の授業の「地中の花粉」を読んで、最近知ったNHKサイエンスZEROで放映された「湖に眠る奇跡の堆積物」を思い出しました。よく福井の小学校の時に臨海学習で小浜や三方五湖を訪れました。その三方五湖の一番大きな湖が水月湖といいます。


 その湖に流れ込む川がないので、湖底の堆積物は動かないため5万年前の地層でも年代測定が170年と言われ、放射性炭素の年代測定を更に精度を高めていて、世界でも注目され地質学の基準となっている湖だそうです。


 マヤ文明の滅亡の原因は、長期の異常気象のようだが、今まで高校の教科書には、4世紀から9世紀と言われていたが、紀元前1000年から16世紀変わったそうである。それを最近自分は知ったのですが、この本は、16年前に出版されており、そこですでに小学生が「地中の花粉」の授業を受けていたことが驚きです。


 そしてこの著者の花粉分析をしている安田喜憲さんは、イースター島のモアイを調べて、何故これらのモアイを作った人々が、いなくなったのか調べたそうである。イースター島は、チリから3,000キロの絶海の孤島で、自分が読んだ本には、ヘイエルダールという人が、チリの海岸からコンチキ号に乗って、イースター島に行き南米から渡ったと証明し「コンチキ号の冒険」という本を読んだ記憶があります。


 ところが、それは間違いで、調べるとポリネシア人だったそうです。そして島には長耳族と短耳族がいて、長い耳が支配者で、短い耳が奴隷だったそうです。この島には2万人いて、約1000体のモアイがあるそうです。


 そのモアイは、6年ぐらいで作られ、その集落の有力者の顔と同じに掘られ、亡くなると、モアイに目を入れて立てるそうだ。ところが島内でヤシの林がなくなり、奪い合いの戦いになり、モアイ倒しが始まったそうだ。このモアイは、先祖神であり、神となるが、うつ伏せに倒されて目がなくなります。


 私たちの学生時代は、世界の七不思議でイースター島の謎とされていたが、それ以来今では、花粉を分析すると島は、椰子の林があり、南国の楽園だったそうだ。それがモアイをつくりそれぞれの村同士が、ヤシを伐採して、少なくなり戦争が起きて滅亡したそうです。


 イースター島では、森を食べ尽くして、最後には、人食い洞窟というものまでできて、人間が人間を食べるということになり、モアイの文明は、滅んだそうである。その点に日本の森林面積は、約70%と森林大国だそうです。


 最近自分のなかのブームは、これらの本を読んで、気に入った著者の本をネットで探し、安く購入することです。今回もこの「小学生に授業」の気に入った著者の本をネットで数冊購入しました。最近は雪が降ったら読書で、晴れたら散歩をすることにしています。雪読晴散です。