(日々)岸辺露伴は動かない | ♪トラベラーズノートと万年筆と文房具とガチャと100均が好きなパパのblog

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「岸辺露伴は動かない」というドラマが
NHKで昨日から放送されていて
つい2回ほど録画で見てしまいました。

あの荒木飛呂彦さんの名作
「ジョジョの奇妙な冒険」の
スピンオフ作品である
「岸辺露伴は動かない」から
3篇を抜き出してドラマ化しており
岸辺露伴の役を高橋一生さんが
助手の泉京花の役を飯豊まりえさんが
されていて
飯豊まりえさんの服が
ガーリーでとても可愛い(ってそこじゃないだろ!)

不思議な雰囲気の作品で
ホラー系統が苦手な
ボウズ(小学5年生の息子)も
ハマっています。

3回で完結なんて勿体ない。

なお
1月4日から再放送があるようです。

どうでも良いのですが
岸辺露伴の助手が泉京香だなんて
幸田露伴と泉鏡花をイメージしているのですね
と2回目のクレジットを見て気付きました。

オシャレです。

とは言え
それほど文学に詳しくない私は
この二人にいかほどの交流があったのかは
知らないのですが…( ̄∇ ̄*)ゞ

摩訶不思議な物語は
泉鏡花の作品のように幻想的で
美しいです。


美しい映像で思い出したのですが
先日の「映画の日」のネタで
ちょこっと紹介しましたが
実は
映画館で映画を観て来ました。

観に行ったのは
現在、上映中のあの邦画で
まだ広島でコロナが広がる前の話です。

映画の原作の漫画も読んでいましたが
映画は映画でまた違った感じでした。

結婚して子どもが産まれてからは
なかなか行けていないのですが
基本的に映画館で映画を見ることは大好きです。

勿論
家庭のテレビで見る手軽さはないですが
見知らぬ人と空間と作品を共有しながら
大きなスクリーンでみる映画は
テレビよりも素晴らしいと思っています。

今回のコロナ禍で
ますます映画館の経営が厳しくなりそうですが
この文化を亡くしたくないものです。

さて
映画の話に戻します。

今回
私が映画館まで足を運んで観た作品は
今上映中の新作であり
原作が漫画で
私が好きな作品…


それは「ばるぼら」です。


手塚治虫原作のこの漫画は
いわゆる「鉄腕アトム」などのような
子ども向けの漫画ではなく
大人向けの
しかも
少し「エロ・グロ」というか
「アングラ」的な雰囲気を持った作品で
個人的にとても"好き"な作品のひとつです。


この独特な"世界観"を
大好きな稲垣吾郎さんと
これまた大好きな二階堂ふみさんが
演じると言うことで
かなり前から注目していました。


監督&編集は
手塚治虫の息子である手塚真さんが
撮影監督を
クリストファー・ドイル氏が行ったのですが
実は
手塚真さんの作品とは"感性が合わない"ことが多く
また失礼ながら
クリストファー・ドイル氏の作品のイメージもなく
少々気にはなっていました。

そもそも
クリストファー・ドイル氏の
「撮影監督」という立場も
よく判らないのですが…( ̄∇ ̄*)ゞ

結論から言うと
残念ながら「微妙」でした。

「原作の良さ」で乗り切った感じが否めませんが
原作が良いので
映画としては出来上がっており
原作を知らない人は評価が高いかも知れません。

まぁ"好み"の問題なので
私には"合わなかった"だけでしょう。

私の感じではこの作品は
時代を反映したのか
寺山修司の天井桟敷に代表される前衛芸術や
澁澤龍彦や稲垣足穂の耽美な世界感の中
混沌とした大都会の中で
気まぐれで破天荒で甘美で淫猥な
"芸術"そのものを具現化したような娘に振り回される
"生み"の苦しみに悩む小説家の話です。

"芸術(アート)"と言うものの本質は
きっと
こちらに微笑みかけたかと思う次には
そっぽを向かれるような気まぐれであり
時に「残酷」で、時に「傲慢」で、時に「甘美」で
全部を愛撫したい程に愛(いと)おしい…。

下品で卑猥で陽気なあばずれ女であり
同時に清らかな聖女でもあり
都会の雑踏の掃き溜めに埋もれているが
探そうとすると決して得られない。

男たちはこの浮気な聖女を
嫉妬に狂いながら追いかけ
ボロボロになってなお足にしがみつき
その世界は幻想と現実が入り乱れ
現実を越えた超現実主義となって行く感じです。


映画は
このエロティシズムとグロテスクと
猟奇と狂気と猥雑と変態が混在した世界を
美しく撮ろうとしたのか
掃き溜めはそこまで汚くないし
エロスは全然エロくない。

あの二階堂ふみさんが
全裸の映像とかがいっぱいだったのに
エロくないんです。

原作から切り取ったいくつものイメージを
コラージュ(切り貼り)した感じで
作品としては綺麗に完成しているし
アートしていると思うのですが
もっと「混沌」としても良かったし
笑える程に「エロ・グロ」しても面白かろうし
そもそも実験映画のように
学生の自主製作映画のようでも良かったと
思います。

乱暴な荒削り感が欲しいと思いましたが
商業ベースに乗ると難しいのでしょうねぇ…( ̄∇ ̄*)ゞ


なお
パンフレットも購入しました。


上映前の予告編では
同じ「新しい地図」の草なぎ剛さんが主演する
「MIDNIGHT SWAN」が流れてました。


映画館で見たいけれど
難しいかな…。