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株式会社 丸信 社長のブログ

株式会社丸信 代表取締役 平木洋二のブログ
包装資材販売、シール・ラベルの印刷、紙器印刷加工業を営む株式会社丸信の社長のブログです。

経営合理化協会が出版する本は高額だ。

だいたい1万円前後。

有名経営コンサルタントや有名経営者の著作が多い。

私は合理化協会の信者とまではいかないが、たまにセミナーには参加させて頂いている。

そんなご縁で合理化協会からは20冊以上の著作や音源教材を購入してきた。

 

その中で最も有益で、自分の考えとも合致したのがこの本だ。

 

 

初版が2000年4月だからもう四半世紀も前に書かれた、経営コンサルタントの井上和弘氏の著作だ。お会いした事はないが、既にセミリタイアされてるのではないか。手元にあるのは2000年5月の発行の第三版であるから、僅か2か月で第三版まで出たことになる。定価9800円の本だから、初版を大量に刷った訳ではないだろうが、これだけ短時間に2回も追い刷りされる訳だから当時はかなり話題になったと推察できる。

2000年5月には私は31歳だから、営業の課長になったばかりでビジネス書は読んでいたものの、この本を買うという発想には至っていない。普通の本屋では売ってないし、高額だ。

実はこの本は私が45歳前後になって、先代から譲ってもらったものである。

 

ここからは自分の為の忘備録としてこの本の内容をまとめておく。

 

たたむ・削る・変える

 

がこの本の重要テーマだ。

冒頭にはコンビニから取引を打ち切られ、売上の30%を失うことが決定したパン工場のコンサルの話が出てくる。売上70億の規模だから約20億の売上が飛ぶという話だ。これを新規開拓で埋めるのは容易ではない。

そこで、500種くらいあった製品群から赤字製品を製造中止にして、売れ筋だけに絞り(たたむ)、その絞ったアイテムの製造原価を下げるべく、原料の仕入先とも交渉し(削る)、営業に号令を掛けて、アイテムを絞り、製造原価を下げた製品を徹底的に拡販するというもの。取引切られた年こそ赤字に転落するものの、翌年には新規開拓で10億を売上げ、営業利益率も70億時代の1~2%から5%を達成したとある。このような危機には有効な打ち手だと思われる。

現在の当社はやや戦線を拡大し過ぎて、アイテムが多すぎる状態になっていないだろうか?と反省させられる内容だ。

 

回転経営

 

財務的な面では総資産を減らし、高回転経営を目指せという指摘もなかなか手厳しい。

土地はできるだけ取得せず、借りる。設備はできるだけ短い期間で償却してしまえと。

色んなことがあって総資産が大台の100億を超えてしまったわが社には耳が痛い。

社長就任当時はKPI化して在庫削減に取り組んでいたが、少し甘くなってないか、、棚卸の不正確さも気になる。「在庫は罪庫」を再び徹底せねば。月商の0.44か月まで増えているので、まずは0.4、できれば0.35くらいを目指そう。

 

二枚腰経営

 

社長の経営手腕のなさを示すのが「増収減益」「減収減益」であり、優れた経営手腕を示すものが「減収増益」であると。3期連続の増収減益社長としては己の不甲斐なさを痛感させられる。どんな状況でも赤字を出さない二枚腰経営を目指せと。その為に重要なことは以下の6つ

 

・総資産を増やさない

・販売力より商品力を磨く

・不況期に克つ

・組織に若さを保つ

・成長分野に事業の中心を置く

・スクラップ&ビルド

 

商品・サービスへの打ち手

 

・自社の強みを徹底的に磨く

どんな企業にも強みがある。それを徹底的に磨き込む

 

・既存の商品、製品原価を徹底的に下げる

昨今のインフレ時代では難しい面もあるが、道はきっとある。

 

・「モノ」の前と後を事業化せよ

ビフォー&アフターにお手伝いできる部分はないだろうか

弊社ではデザインや補助金申請、食品検査、食品表示支援などを磨いてきた。

アフターサービスも磨きたいところ。例えばWEB制作で言うと、サイト完成で終わりとせず、その後の更新やメンテナンス。広告運用、コンテンツ追加やLP作成などいくらでも仕事があるはずだ。最初の製作費に補助金申請するなどすれば、前後で大きなビジネスとなろう。

便利屋はソリューションビジネスの元祖という項で、今でいうBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)について詳しく語られている。2000年にBPOの話をしている印刷業界人は希少だったが、今や印刷業界は猫も杓子もBPOだ。この本がいかに先駆的であったか。「サービス業化」と「本業の前後を売る」が経営の急所だと指摘されている。30代の頃に師事したマーケティングの大家、高橋憲行先生からもこれと全く同じ指導を頂いたことがある。

 

先効果・後効率主義

 

新たなサービスを創る際は、まずはお客様にどれだけ喜んでもらえるかに注力する。その後に利益を確保するために効率化することを考えなければならない。クロネコヤマトの小倉会長も日経新聞の私の履歴書にて「サービス先、利益は後」と述べられていたがこれと通底する話である。

以下、小倉昌男氏私の履歴書⑲「サービス先、利益は後」より

ーーーーーーーーーーー引用始めーーーーーーーーーーーーーー

宅急便のサービスを充実させるには、営業所や写真を増やす必要があり当然コストがかかる。サービスとコストは二律背反の関係だから、利益を強調するとサービスが中途半端になってしまう。だから、あえて採算意識を捨てさせた。物事には何でも裏と表がある。デメリットを恐れて立ち止まったら発展はない。メリットをそれ以上に大きくすればよい。

ーーーーーーーーーーー引用終わりーーーーーーーーーーーーーー

弊社でも多くの先行投資を行っている。やり過ぎの批判もあるだろう。目先の採算だけを考えれば、何もしないに限るのだが、それでは夢がない。例え今は苦しくても将来きっとお客様のお役に立って、感謝されるフェーズが来る。そう信じるしかない。

 

この本の肝はこの「モノ」の前と後を事業化せよ先効果・後効率主義にあると思っている。私もこの辺りに多くの赤線を引いているので、これがわが社のビジネスモデル構築のヒントになったのは間違いないし、丸信の社員なら、「社長のネタ帳はこの本か」と思うだろう。

 

その他にも読み返すと様々な重要な示唆がある。自分への忘備録として残しておきたい。

 

・償却済みの機械を使い倒す

これは経営者であれば言わずもがなであろう。先代から引き継いだ最も重要な資産はBSに載ってない償却済みの数十台のシール印刷機達だ。これによって投資余力があったからこそ好きな事ができた。武田信玄における金山のようなものだ。

 

・最新鋭の機械はフル稼働させ、償却を早めよ

 

・メーカーとしての資産保有の三原則

①品質を良くするための資産

➁コストを下げるための資産

③納期を早めるための資産

お客様のニーズ、自社の優先度を考えてこの3つの基準で設備投資せよ。

 

・経営会議を言いっぱなしにしない

TODOにまで落とし込み、経過をチェックする。これは耳が痛い。

 

社長を16年もやると誰かに叱られることが無くなる。怖い事だ。今回読み返していくなかで、段々と叱られているような気分になった。自分に甘くなってないか。サービス先、利益は後と言っても流石に自分でもやり過ぎだったと反省した。これまでの自分は拡大志向一辺倒だったが、一部においてたたむ・削るも決断した。

 

この本は丸信の次世代の経営陣の必読の書と思う。個人で買ってもよいが、何しろ高額である。感想文提出とバーターで社費購入を認めます。今は装い新たに下記のようなデザインとなって復刻されている

 

 

私も折に触れて読み返したい。

 

朝の私設図書室にて