プランB | 株式会社 丸信 社長のブログ

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株式会社丸信 代表取締役 平木洋二のブログ
包装資材販売、シール・ラベルの印刷、紙器印刷加工業を営む株式会社丸信の社長のブログです。

近所の小学校では土曜日になると少年野球チームが練習している。

彼らを眺めてると思い出す「ひと夏の苦い経験」がある。 もう50年近くも前になるのか、、、

子供時代は少年野球チームこそ入らなかったが、野球が生活の一部だった。娯楽のない田舎町、空き地や田んぼでの友人との野球に暗くなるまで夢中になったものだ。

 毎年夏休みに入るとソフトボールチームが地域ごとに結成され、夏の終わりに地域対抗ソフトボール大会が開催されてた。中高生のお兄さん達がコーチ役を引き受けてくれ、5年生だったその夏は誰よりも練習に打ち込んだ。

来る日も来る日も、汗や泥だらけになって白球を追いかけ、練習は皆勤賞。父は仕事が忙しく、夏休みに旅行などしたことがない。朝のラジオ体操も皆勤賞をもらったのは我々「平木兄弟」だけだ。

しかし、お盆が過ぎ、大会直前、突如、近所のおじさんが監督となり、我が物顔で仕切り始め、私ではなく、夏休み中の練習にほとんど参加していなかった友人をレギュラーに抜擢した。

彼は運動神経が良く、大会直前にふらっと現れただけ。それなのに、毎日必死に汗を流した私は補欠で、彼がグラウンドに立っている。 試合が始まり、友人たちが守備につく中、ベンチの隅で、私は帽子を深くかぶり、人知れず悔し涙を流した。「なんで?」「不公平だ」。試合も後半になると、おじさん監督は流石に出場させないと悪いと思ったのか、

「ほんとは交代させたくないけど」

と子供に言ってはいけない事をぬけぬけと言い放ち、最終回だけ私をライトの守備につけた。

アラ還になった今でも、あの日のことを思い出すことがあるのだ。

心が狭いのかな‐、ちっちゃな私。

最近Youtubeである動画に出会い、あの時の「理不尽な体験」が、実は私の人生にとって不可欠なギフトだったのだと気づかされた。その動画とは、心理カウンセラー・野口嘉則氏による講演動画『自分という大地に根を張る生き方』。

ご著書「鏡の法則」はベストセラーとなったので読まれた方もおられるのではないか。

 

 

「人は、思い通りにならない体験によって、万能感を打ち砕かれる必要がある」と。

子供は誰しも、「自分が世界の中心だ」「泣けば思い通りになる」「願えば叶う」という幼児的な万能感を持っている。しかし、社会に出れば、自分の思い通りにならないこと、努力が正当に評価されないことや、理不尽な現実に直面することは避けられない。 もし、私が幼い頃にああいう体験をしなければ、おそらく、「努力すれば世界は自分の思い通りになる」という万能感を持ったまま大人になり、社会に出て初めて挫折を味わった時、ポキリと心が折れていたかもしれない。

そう考えると、習いたかったピアノやそろばん教室を「月謝が高い」と却下してくれたのは、両親の深い愛情の故だろう。

「自分の思い通りにいかないことがある」「努力しても報われないことがある」そんな冷酷な現実を幼い心なりに受け止めたのだ。それは何十年経っても忘れない程の痛みを伴うものだったが、野口氏の言葉を借りれば、それこそ「大地に根を張る」ためのプロセスだったのだ。

植物は、水や栄養が豊富な環境では根を浅くしか張らない。しかし、日照り続きの過酷な環境に置かれると、生きるために必死で地中深くに根を伸ばす。 

 今、社長という立場になっても、仕事が思い通りに展開する事の方が少ない。10億だったはずの新工場の建設費はロシアが戦争始め、15億に膨れ上がった。この為に人生で一番大きな借入をお願いしたら、今度は金利が上がった。家族だって、社員の一人だって自分の思い通りにはならない。社外の方なら尚更だ。 

 成功や勝利といった華やかな体験は、確かに自信を与えてくれるが、本当の強さを作ってくれるのは、往々にして「思い通りにならなかった体験」の方なのかもしれない。

あの時の憎きおじさん監督に、今なら 「あの時、私を試合に出さないでくれてありがとう。おかげで私は、世間の厳しさを知りました」と感謝すべきなのだ。

 

先月の社内輪読会では藤野英人さんの「投資家みたいに生きろ」を読んだ。

その中で「起きたことの意味を変える」というお話があった。

 

投資家みたいに生きろ[増補版] (日経ビジネス人文庫) 

ーーー引用はじめーーー

 

人生とは思い通りに進まないものです。

失敗のない人生などありません。

「想定外のことが起こるのが想定内」であると言えます。

多くの人は人生のどこかで「プランB」に進まざるを得なくなります。

しかしプランBに進んだ後の行動次第では、振り返ったときに

「プランBが最善だった」ということもできます。

 

ーーー引用終わりーーー

 

高校で落ちこぼれ、高3ではどこの大学にも受からず、大学では失恋、大学院試験には失敗、9月から始めた就活も思い通りにならず、まさに「プランB」だらけの人生だけど、大学入学以降は与えられた場所では自分なりに良く努力したと思う。

 

結果それで良かったのだ。

 

とかく浮世はままならず

 

雪の柏にて