4月。
桜の季節に14名の新しい仲間が加わってくれた。
未来を担ってくれるであろう、緊張した彼らを前に、今年もお決まりの同じ話をした。
夢に日付を。
毎年伝えてるのは、「人生は、皆さんが思っているよりもずっと短い」だ。
18歳や22歳からすれば、未来は永遠に続くように思えるかも知れない。しかし、半世紀以上を駆け抜けてきた私からすれば、時間は瞬く間に過ぎ去る有限の資源なのだ。
だからこそ、「夢や目標があるのなら、必ず『日付』を入れよう」と伝えている。
「いつかあの資格を取得したい」「いつかあの世界遺産を観たい」。誰しも何某かの夢や希望はあるだろう。ただ日付が入っていない目標は、単なる「思いつき」や「幻想」のまま終わってしまう。
逆に、手帳に日付を入れた瞬間、それは「予定」や「目標」に変わる。日付を入れることで初めて、逆算して「今日何をすべきか」が見えてくる。短い人生をただ流されるのではなく、自らの意思で使い切る。その第一歩は、人生手帳に夢と日付を記入することから始まると思うのだ。
今日から「プロ」
次に伝えるのは、学生時代との決定的な違い、つまり「プロとしての自覚」。
昨日までは、学費を払い、何かを「教えてもらう」立場、いわば「お客様」。しかし今日からは違う。会社から給料を受け取り、お客様や他部門に価値を提供して「お金を稼ぐ」プロの集団の一員になったのだ。
プロの世界は、結果がすべてだけど、最初から完璧な結果を出せる人などいない。ほとんどの方が半年〜2年は扶養家族だ。他の先輩方から養ってもらわざるを得ない。だからこそ、「一日も早く、一人前になってほしい」。
そのスピードが速ければ速いほど、皆さんが人生で生み出せる価値の総量は増えていく。プロとして自立することは、自分を守る武器を持つこと。その自覚をもって研修期間を過ごして欲しいとお願いした。
若さを自己成長に投資しよう
前回のブログでも「複利」の話をしたが、「自己の能力開発投資」にこそ複利が効く。
若いうちは、有り余る体力もスポンジのような吸収力もあり、そして何より「時間」という最強の資本を持っている。この貴重な資源を何に投下するかで、10年後、20年後の景色は劇的に変わると思うのだ。
もちろん余暇は必要だ。
しかしこの現代日本では3日に1日が休日だ。趣味や友人との語らいを大切にしたとしてもまだ余る。
余った時間をただYouTubeやスマホを眺めて過ごすのか、それとも自分のスキルを磨くために時間を使うのか。若いうちの自己研鑽は、人生において最も高いレバレッジ(てこ)が効く。20代で身につけた知識や習慣は、その後の長いキャリアにおいて、雪だるま式に大きな成果となって返ってくる。本当は読書をお薦めしたいが、、難しいなら、為になるYoutube視聴を1本だけ観るから初めても良いだろう。(中田敦彦さんのYoutube大学などは勉強になる)
さらに会社が費用を全額負担する資格取得支援や勉強会の場が用意されている。これらを「自分という資産」への投資機会だと捉え、貪欲に使い倒してほしい。会社を利用して、自分を大きく育てる。そんな図太い気概を持ってほしい。
3月には二人の先輩が大学院を卒業し、修士号の学位と中小企業診断士の資格を得た。またこの4月、新たに別の先輩が経営学の大学院に入学した。彼らに続いて欲しい。
「空振り三振」を恐れず、一打席でも多くの打席に立つ
そして、成長のために不可欠なのが「失敗」だ。
「プロになれ」と言われると、失敗してはいけないと身構えてしまうかもしれない。しかし、逆に「失敗こそが成長の糧」なのだ。何もしないことが最大のリスクであり、失敗を恐れて立ちすくむことが最大の損失だ。むしろ、何度も打席に立ち、空振り三振を繰り返しながら、そこから何かを学び取ろうとする姿勢を評価したい。
陶芸のクラスを「たった一品で良いので渾身の作品を作る」「とにかく沢山の作品を量産する」という別々のミッションを与えた2つのクラスに分け、出来上がった作品を評価した所、クオリティが高かったのは「量産組」だったとの実験があるそうだ。エジソンもピカソもモーツァルトも多くを世に出したが、真に評価を受けたのはほんの僅かなアウトプットだけだ。
どうやら人生の成功は打率とは無関係で、ヒット数の方が重要らしい。
皆さんが転んでも先輩や上司が全力でサポートやフォローしてくれる。安心して、思い切り「大失敗」を積み重ねてほしい。その失敗の数こそが、プロへと押し上げてくれる。
私など新人時代から今日にいたるまで膨大な失敗をしてきた。よく先輩、上司、社会が許容してくれたものだ。
人生成功の鍵は、「親孝行」と「ご恩返し」にある
私が受け持つ新人研修の最後にはいつも、親御さんへの御礼ハガキを書いてもらってる。
今日、皆さんがこうして丸信の門を叩くことができたのは、これまで育ててくれたご両親、そして導いてくれた先生や地域の方々の支えがあったからだ。さらに日本という国に生まれたからこそ、何不自由なく暮らしてこれたことも忘れてはならない。私たちは常に、目に見えない膨大な「恩」を背負っている。
恩知らずで親不孝者の私は若い頃は全く気づけなかった。自分ひとりで大きくなったような顔してた。恥ずかしいことだ。
人生成功の鍵は、受けた恩を忘れず、それを返していくことにあるのではないか。
まずは初任給で、ご両親に小さなプレゼントを贈る、あるいは感謝の言葉を伝える。そんな小さな「親孝行」から始めて欲しい。身近な人を大切にできない人に、お客様や社会を幸せにすることなどできるわけがない。
「誰かのために」という想いを原動力に働くとき、仕事は単なる「労働」から「使命」へと変わる。
そして最後はこの国に貢献できる人材に育って欲しい。
まだまだ問題だらけ(伸びしろだらけ)の会社です。
共に失敗に学び、成長し、良い会社を創りましょう。
大門にて
恩知らずの親不孝者より