例年、私個人は3月が最も忙しい。
弊社は2月決算で3月には経営方針発表会を開催する。2月末で〆てから短時間で業績を分析し、問題点を探り、来期方針に盛り込む。その他の細かな方針の策定や資料づくりも一仕事だ。
また2月末~4月初旬までは新卒向けの会社説明会を複数回開催する。今年はWEBとリアルのハイブリットで合計18回開催予定。余程のことが無い限りは私が登壇し、プレゼンし、質問にもお答えする。
18回も同じプレゼンやると「自分に飽きる」。毎回相手こそ違うが、同じことを繰り返し伝えるのには相当な根気が必要だ。午前、午後の2部制なのだが、午後からの説明会でさえ、「飽き」との闘いだ。
そこで、昨年拝聴したある方のプレゼンを参考にして、やり方を変えた。
プレゼンの前半はベーシックな事を説明して、後半は用意したトピックの中から学生さんに選んでもらい、時間の限りお答えするというもの。
この方法の良さは選択されたトピックによって毎回話す内容が変わるので「自分の話に飽きてしまう問題」が劇的に改善される。そして学生さんも自分の興味に応じた話が聴けるので、双方の満足度が高まったと思う。
今日が今年の2024卒向け説明会のスタート。
毎年新卒採用するようになって約15年経つが、振り返ってみると、これまで色々あった。
初期の頃には説明会で聴いた私のプレゼンと、入社して感じる印象が違いすぎるミスマッチ問題。上司側も自分が入社した際はロクな研修も受けさせてもらえず、身体で覚えさせられたので、お前らも勝手に頑張れ的な、、、
上記を解消すると次は、
デザイナーや自社工場、仕入先とお客様の調整作業のプレッシャーに耐えられないパターン。これにクレームが加わると中々の耐性が必要とされる。
覚えることも多い。包装資材、シール印刷、紙器というメイン商材に加え、今では人材系、食品衛生系、WEB系のサービスまで展開している。社内ルールも複雑で、これを理解し、馴染むのに時間を要する。
よって、離職者も少なくなかった。
ある程度仕事を覚えて、やりがいや面白さを心から実感してもらうには3年は掛かる。
もちろん、年々初任給を上げ、年間休日を増やし、福利厚生も充実させ、教育体制も強化してきた。今期は遅まきながら「働き方改革」にも取り組み、今や19時にはオフィスは消灯されるようになった。
20代のうちから様々な経営参画の機会もあり、外部コンサル等から最新のデジタルマーケティング等のノウハウも学べる場もある。
それでも辞める人は辞める。
その度に無力感に襲われる。自分の経営を全否定された気持ちになる。
ただ、今や営業管理職の約半数が新卒入社組となった。
弊社の経営参画やお客様への提供価値向上の仕組みである委員会、プロジェクト、プロダクトマネージャー等の各リーダーも新卒出身者が約半分を占めている。
今や彼らが丸信の企業文化を醸成している。ロイヤリティーの高い彼らが軸となりつつ、中途の実力者を活かすことで多様性も担保されていると思う。
様々な金融機関さんや仕入先などの大企業の離職率の状況を聞いてもどこも同じらしい。そして日本全体が悪化している。労働人口は減っているのに、弊社も利用しているビズリーチへの登録者数は増える一方だ。
いみじくも今週の日経ビジネスの特集は「大転職時代 引き留めるより引き付けよ」だった。大企業幹部向けの雑誌がこの特集を組むということは、これからさらに人材の流動化が加速するということだ。毎年労働人口が50万人以上も減り続ける我が国。一部の人気大企業を除けば、完全にパワーバランスが変わったのだ。東証プライムに上場している大企業といえども早期離職の歩留まりを考えて必要数より多く採用しようとする。だからさらに採用難に拍車がかかる。
前回のブログで触れた直接申告書には転勤や別部門への異動の希望も少なからず頂いた。先週の会議ではそれについて
「自分の希望を叶えたかったら、後釜を育てよう」
と強く伝えた。縁のあった方を会社全体で全力で育てることが近道だと。
新卒採用などやらない中小企業も多い。しかし苦労しながらも続けてきた経験から言うと、人材面では新卒採用こそが中小企業が会社を長期的に強くする唯一の道だと思う。
自社にないノウハウや実力を持つ方の採用には中途採用は欠かせないが、あまりにも情報の非対称性が大きい。クセの強い方も多く、企業文化に何年経っても馴染まない場合もある。新卒採用同様に何度も失敗した。しかし失敗した場合被害が大きいのは中途の方だ。自社のOBらしい方をビズリーチなどで見つけることがあるが、実に自分の都合の良いように経歴や実績を綴っておられる。経歴詐称に近い人も。
ともあれ、いよいよ初日。
午前午後で40名も参加してくれるようだ。
私も詐欺と言われない程度に全力でプレゼンしたい。