このままもっと《番外編》海ーーー!! vol.3 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。



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。。。。。

S-side



「ったくもう……このヘンタイが……
ヘタレのくせに……」


更衣室から海に向かう道中、カズがずっとブツブツとモンクを言ってる。

合間合間で俺を睨みながら。


「だってよー、しょーがねーじゃん。
雅紀がかわいいんだもんよー」


俺は開き直ってそう言ってやった。


とたんに悪魔のような目付きで俺を睨んでくるカズ。


「なーにを開き直ってんのよ。
やっぱりこんないかがわしいとこにまーくんと一緒に連れてくんじゃなかった」

「何言ってんだよ!
元はと言えば俺と雅紀のふたりで来るはずだったのに勝手に着いてきたのはオマエらじゃねーか!」

「俺たちは親として、まーくんを守るために来てやったんだよ!
別に婿殿と遊ぶためになんか来てねーわ!」

「別に頼んでませーん!
余計なお世話ですー!
つーかいい加減『婿殿』はやめろっつーの!」

「親に向かってその口の聞き方はなんだよ!
離婚させるぞ!」

「へへーんだ!雅紀はもうハタチ超えてるから親の言うこと聞かなくても大丈夫なんですー!」

「そんな法律しるかよ!つーか正式に籍入れてねーじゃねーか!
とにかく俺がダメだっつったらダメなんだよ!」

「雅紀は俺にベタ惚れだからカズがなんと言おうと別れることなんてできませーん!」



「おーい」

俺とカズでギャーギャーと言い合いをしていると潤の呆れたような声がした。


「なんだよ、潤っ!」

「…もういい加減にしないとまーが泣きそうになってんぞ?」

「「……え?」」


俺とカズが同時に言葉を発して潤の指さす方を見ると、雅紀が目をうるうるとさせて口を真一文字に結んで今にも泣きそうな顔をしている。

そんな雅紀の頭を智くんが優しくなでている。


「しょぉちゃ……カズ…………ケンカしちゃ、ヤダ……」

雅紀がそう言ったとたん両目からボロボロと涙がこぼれ出した。


「あー!雅紀!ゴメン!」

「まーくん!泣かないで!」

「ふたりとも、オレの大事な人、なのに……ケンカなんかしちゃヤダよ……」


ぐしゅぐしゅ泣きながらそう言う雅紀に慌てて駆け寄る。


だが、雅紀に駆け寄り抱きしめようとしたとたんマナに突き飛ばされた。


「ジャマよ!!」


「いってー!何すんだ、マナ!」

「雅紀くんを泣かせたお兄ちゃんが悪いんでしょ。もう今日は雅紀くんに近寄らせないからね!」

「ぅえっ!?何言ってんだ?」


俺は呆然とした。


「今日は!!
俺と雅紀のラブラブイチャイチャ海水浴なんだよ!!
ふたりで一緒に体の隅々までオイル塗りあって、手を繋いで腰掴んで海に入って海中でまわりに気づかれないようにイチャイチャすんだよ!!
あんなことやこんなこと口では言えないようなことすんだよ!
それなのになんで雅紀をお預けされなきゃなんねーんだ!!」


思いっきりマナに反論するが、それに対してマナは冷たーい眼差しをし続けている。


「翔さん……」

マナの隣で潤が信じられないものを見る目で俺を見てる。


「しょっ、しょおちゃん……」

雅紀も顔を真っ赤にしながら絶句している。


「ん?なんだ?」


俺はわけがわからずキョロキョロしてみんなを見回した。


あのいつもボーッとしてる智くんでさえもなんだか俺をイヤなモノを見る目で見てるのが気にかかるが。

カズに至ってはもうその目で人を殺せそうな眼差しを俺に向けている。



「お兄ちゃん……」

マナがそうつぶやいてはーーっと大きなため息をついた。


「え?」

「…この、ドヘンタイッッ!!
こんな男が私の兄だなんて信じらんない!」

マナはそう言い放つと雅紀の肩を引き寄せた。


「雅紀くん!もうお兄ちゃんに近づいちゃダメよ!なにされるかわかんない!」

「おっ、おい……何言ってんだよ」

「うるっさい!雅紀くんはお兄ちゃん以外と健っ全っに海で遊ぶのよ!
お兄ちゃんはそこらの砂にでも埋まって煩悩を体から叩き出しときなさい!」


そう言って雅紀を連れて海へと歩いて行ってしまった。

そのあとを平然と着いていくカズ。


「翔さん、諦めろ。
マナ相手じゃ分が悪い」

潤が慰めるように俺の肩をポンポンと叩く。


「翔くん、正直なのも考えもんだぞ?
まーくんとイチャりたいのはわかるけど……全部口に出したらダメだろ」

智くんに潤とは反対側の肩をポンポン叩かれた。



なんだよ……

なんで雅紀と俺が引き離されなくちゃなんねーんだ?

俺と雅紀で楽しもうと思って来たんだぞ?

それをなんで雅紀と離れ離れにさせられなくちゃなんねーんだ?



「納得行かねー……」

俺がポツリと言った一言に潤がうんうんと首を縦に降っている。


「俺からほとぼりが覚めた頃マナに言ってやるから」

「なんでだよ!なんで俺が雅紀に近づくのにマナの許可がいるんだよ!」

「んな事言ったってなぁ……アイツも言い出したら止まんねーし……」

「オマエ、アイツの恋人だろ!
ガツンと言ってやれよ!」

「そんなのムリに決まってんじゃん。
そう言うなら翔さん、アイツの兄貴じゃん。
ガツンと言ってやれよ」

「そんなのムリに決まってんだろ。
マナだぞ、相手は」

言い返してくる潤に平然と答えた。


「……だろ?
だから、諦めろって」

潤がため息をつきながらそう言った。


「くっそー……」


あとでぜってー雅紀を取り返してやるからな……

そんでもってふたりであんなことやこんなこと……


「んふふふふ……」


「……翔さん」

「……翔くん」


俺がまた色んな想像をしていると潤と智くんの冷めた視線が飛んできた。


「またイヤらしいこと考えてただろ……」

「ったくもう、そんなことばっかしてたらまーくん帰ってこないよ?」

「そっ、それは困る!」

「じゃあしばらくおとなしくしとくんだな」

「へーい」


しょうがないので潤の言うことにおとなしく頷く。



「とりあえず翔くん……砂に埋まっとくか?」


「埋まるか!!」


俺は砂浜を指さしながらそう言う智くんに大声で叫んだ。


つづく……


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リアル版ではニノにスリッパでどつかれて、このままシリーズではマナに「ジャマよ!」って突き飛ばされて……これもパターンになりそうだな…(笑)