元パチンコライターのブログ -77ページ目

学生日記

これは大学生の頃、学園祭のパンフレットに寄稿した文章です。田山プロのパチプロ日記のパロディだということを、一体何人の学生が理解したかはわかりませんが…。


●学生日記


 バスを降りて、バスロータリーから学校へ向かう階段を下りる。時計を見ると9時35分。1時限目の授業に15分の遅刻。バス街道は、2つの路線が合流する地点でいつも混み合う。混むことが分かっていて、今日もギリギリの時間のバスに乗るとは一体どういう了見か? 最後に遅刻せずに着いたのはいつのことだっただろう。などともっともらしく考えるが、結局「まあいいや」の一言で片付けてしまう自分が愚かしい。


 そんな自分の物狂おしい思いとは裏腹に、眼前は綺麗な秋晴れの空。その青空に映える赤レンガ。中にいる学生の質はともかく、赤レンガの校舎の外観は素晴らしい。一瞬、ここが(田舎町の)小さな学校であることを忘れてしまいそう。


 しかしそんな感傷に浸っている暇はない。脱兎の如く駆け出して、F号館2階の02教室へと向かう。

 講師のしゃべり声だけが聞こえるドアを、おそるおそる開く。良かった。ちょうど出席を取っているところ。安堵の思いで胸をなで下ろす。


 教室の入りは半分よりちょっと多いくらい。これから徐々に遅刻してくるのだろう。一人、また一人と息を切らして入ってきた。


 そして授業はあたかも時間の流れを堰き止めたかのように、ゆっくりゆっくりと進んでいく。机にうつぶし出すヤツもチラホラ。眠るために学校に来ているのか? 出席を取るためか? まあ大半はそんなものだろう。

 「バタン!」騒々しい音を響かせて、また一人教室に入ってきた。動の空気の流れは、そいつがひとしきり落ち着くまで続く。そして、また元の時の流れに戻る。何事もなかったように。


 2時限目――今度はS号館4階の01教室での授業。階段を下りては上って、民族の大移動。今日のように晴れた日には、窓から彼方の富士山が見える絶景の地へと向かう。

 ここは階段型の教室で、詰めれば400人くらいが入る。それだけ受講人数が多いのだから、当然出席は紙に書いて提出するだけ。友人たちと後ろの席に陣取り、出席を取るや否や自由を求める捕虜のように脱走を図る構え。前に陣取りノートを取っている勉強熱心な奴等はエライ。本当に偉いと思う。などと誉めるだけじゃなく自分もやらねばならないことは重々承知なのだが、どうしても体が言うことを聞かない。「後で泣きを見るぞ! キリギリス」と怒られているような居たたまれない気分で教室を出る。


 「今日は仕方ないんだ。1時限から4時限までの長丁場だし、昨夜は遅くまでバイトだったし」と自分を正当化するのもいつものこと。我ながら落ちぶれたものだ。

 時刻は11時30分。一路学食へと向かう。はっきり言って学食は狭い。加えてどこかの集団が席をキープしてしまうので、昼休みに座ろうと思えば朝から席を取っておかねばならない。今日は時間が早いので空いている席へ。


 学食にいる学生たちは皆、傍若無人。馬鹿騒ぎをする。そんな輩を心の中で軽蔑しつつ、自分たちも馬鹿騒ぎをしていることに気付くと、全くもってやるせない。所詮学生なんて皆同じようなものなんだな。とりとめのない話をして昼休みを過ごす。


 「今日3限、休講だってよ」友人が素敵なニュースを持ってきてくれた。してやったりの思い。帰ろ。時計を見ると13時20分。3時限目の授業に出席する学生たちが、赤レンガの校舎に吸い込まれて行くのを尻目に、バスロータリーへ。何のために学校に来たのだろう。自嘲の思いで学校を後にする。

 バス通りから見える赤レンガが、俺をあざけ笑っているように見えた。

1995年4月5日

これは16年前に書いた日記です。今以上に稚拙な文章ですが…。この当時、通っていたホールは、H駅のG店。羽根モノの打ち止め数=5千個。デジパチはラッキーナンバー制。両替=約2円33銭。


●1995年4月5日(水)

 〝ワンワン〟

 と、犬が突然けたたましく吠えて驚いた。新居から店へ向かう途中のこと。気持ちのいい朝を台無しにしてくれた。


 気を取り直してまた歩を進める。駅前の桜並木が花満開になるのはもうじきだろう。チラホラとピンクの春装束がうかがえる。唄を歌い出したいような気分。しかし、そんなにうかうかしてはおれまい。いつもの喫茶店に入り、いつもの朝食を済ませて、これまたいつも通り、9時22分にG店に向かう。


 G店に入り、どうせ変わってはいないだろうが、クギを見る。

 まずはFバニーガールズ。どれも変わってはいない、と思ったが、1台だけ、361番のデジタル横の2本クギがやや内側に動かされている気がする。実は昨日もそう思ったのだが、打ちたい台が他にあったため、あまりよく見ずに放っておいたのだ。361番といえば、かつてのナンバー1の台。それが再びアケ返されたのか? まあどっちにしろ、今日は351番の右打ちを試すつもりなので、様子を見ておくことにしよう。


 次は羽根モノ。タヌ吉くんと影丸。どっちも変わっちゃいない。FパワフルVもそのまま。

 さて、351番。今日はこれを打ちに来たのだ。4月1日に5000円ほど打ったら(右打ちで)207回も回ったので、ずっと真偽のほどを確かめたかったのだ。


 いざ打ってみると、やはりよく回る。400円目に23回転で、早くも大当り。ダイヤが3つ。やはりよく回りそうだ。

 2回目――回りっぱなしの状態だ。右打ちによってこれだけ回せるとは…。店の人も驚くだろうか? とにかくよく回る。少しくらいのハマリなんて、気にならないな。なんて考えていたら、ハマってしまった。1箱で419回も回せたので、もうすぐ当たるだろうと楽観的に見ていたが、当たりやしない。しかし、この台をヤメるより、この台でずっと勝負した方がいいに決まってる。何しろ千円で45回転近くあるのだから。新装でも見かけない回りだ。

 ヤケになりながら回し続けて、795回転目。9200円の買い足しでやっと当たった。スペードのコマ送りリーチ。もうどんなリーチも信用できず、目を閉じていた時のこと。


 3回目――さすがに早いのが来るだろうと思っていたら、案の定、30回転でJACがノーマルリーチで当たってくれた。これで勝負になるぞ。


 4回目――昼食を取ってから111回転で大当り。このまま確率線当たりまでで当たってくれていれば、大勝ちも見えてくるだろう。


 5回目――と、思っていたらまたハマリがやってきてしまう。2度目のハマリにはやはりムカつく。もうふてくされながら打ち続けていた。350回転目辺りで2度目のスローリーチがハズれた。今度こそどのリーチも信用しないぞ、と思ったところでどうしようもない。当たる時は当たるのだ。そしてハマる時はハマるのだ。


 3度目のスローリーチが581回転目にかかった。従業員が後ろで応援してくれている。$が真ん中で止まってくれた。やっとのことで5回目の大当り。従業員が万歳してくれた。


 6回目――もうヤメたくて仕方がない。もう一度ハマったらヤメてやる。と、心に決めて打つこと165回転目。$とスペードのWラインの大当り。


 7回目――253回転で大当り。


 8回目――どう考えてもおかしい。さっきから早い当りが全くない。もう今日はこれ以上打っていても時間の無駄だろう。キリのいいところで今度こそやめてしまおうと思っていたら、150回転でコマ送りリーチがかかる。しかし、またもハズレ。もう知らない。ヤメてやる。憮然として玉を替えると6143個。8時間で4000円程度しか浮かなかった。まあまた次の機会にしよう。次こそは大勝ちしてやると炎を胸に秘めて、18時、退店。店の外はまだ明るかった。もう春なんだなと実感した。


 投資額=9千6百円。出玉=6千百個。トータル=4千4百円のプラス。


田山プロに関する雑文

●溝の口にて


 学生時代の夏、友人と溝の口に行ったことがある。言うまでもなく田山プロを見に行くためだ。

 当時のオレは、ようやくクギを見られるようになったばかりの段階。「パチンコ必勝ガイド」や増刊の「ルーキーズ」を読んでクギの読み方や完全確率理論を学んで、(学校をサボリながら)パチンコを打っていた。よく打っていた機種は、Fパワフル3やアンタはエライEX、花百景、Fビューティフルなど。


 ラッシュの横浜線と田園都市線を乗り継いで、8時30分頃に溝の口に到着。思いの外早く着きすぎてしまった。溝の口のB店の場所はすぐに分かったので、取りあえず腹ごしらえしようと、駅前の喫茶店(ネリヤという名前だった)に入った。とにかくパチンコの情熱を傾けていた時期だったので、喫茶店に入っても友人との話題はパチンコのことばかり。パワフルの寄りがどうしただとか、止め打ちはこうするだとか、偉そうに(お互いの)自分の知識をひけらかしながら開店を待っていた。


 その時、喫茶店に入ってきたのが、他でもない、田山プロだった。オレは喫茶店の入り口に向かうようにして座っていたので、すぐにわかった。ポカンと口を開いているオレのことなど見向きもせず、田山プロは我々の真後ろの席に座った。まさか、ここが、田山プロが毎朝通っている「サテン」だったとは…! 溝の口の駅前にサテンがいくつあるかわからないが、思いも掛けない偶然に、しばしア然としてしまっていた。


 やがて友人も田山プロの出現に気が付いたよう。田山プロのすぐ近くで、とても偉そうなクギの能書きなど垂れられない。「昨日、阪神がさあ」などと話は180度変わって、9時20分まで落ち着かない時を過ごしたものだった。

 9時25分、B店着。ホールに入ってビックリしたのは、クギ読み人口の多さ。田山プロがクギを読むのはもちろんのことだが、ごく普通のオヤジまでもが熱心に端からクギを見歩いている。我々が入ったのは正面入り口(田山プロは別の入り口からいつも入っていた)。熱心にクギを読む多数の客に気圧されながら、我々も真剣にクギを読んだ。結局オレが座ったのがFガールズのシマだったか…。


 開店後、友人がオレのところに来て、言う。「田山プロの台、凄い回ってるぜ。いつ見ても保留ランプが全灯!」と。なるほど、田山プロの打つ、横側の入り口に面したシマの右カドのパワフルはよく回っているようだ。時折、ガールズのシマにも田山プロはやって来た。誰かは分からぬが、若者と談笑している。(ちょっとしたジェラシーを感じながら)あまりに回らないガールズに見切りをつけて、我々はB店を後にしたのだった。

2006年5月23日

●5月23日 曇


 外は曇天。最近ずっと続いているような空模様。かと思えば突然クレイジーな真夏日がやってきたりと、このところの天候はどうかしている。人間が好き勝手にやってきたツケがいよいよ回ってきたのか。などと小さな心で大きなことを考えながら、いつも通りに傘を持たず、家を出てH駅へと向かう。


 静かな住宅街を抜けてH駅前に出ると、急に車の騒音が耳に付く。慌ただしい朝を物語っているような音。そこまでして急ぐ必要もなかろうに…。我が物顔で走るトラックに眉をひそめながら、いつものサテンへ。


 このサテンにも10年通っていることになる。若かりし頃はコーヒーを飲んでいると誰かしらやってきて、ぺちゃくちゃやりながら開店時間を待ったものだが、今は誰もいなくなってしまった。黙然とコーヒーをすすりながらスポーツ新聞を読んで、8時55分、D店へと向かう。

 店入りすると、新台のスーパー海物語のシマだけが騒がしい。そんなに慌てて打つほどいい台があるのかね? と横目で見ながら自分は最果ての地へ。


 まずはFパワフルから。昨日もパチンコを打っているので、クギは前日との比較。その昨日は226番台を打ったところ、冗談みたいに2回転で当たってくれた。最後に3連チャンしてくれたおかげで1万円ほどの浮きになったが、回らない回らないと思いながら打っていたことを覚えている。クギ自体は大した代物ではなかった。

 が、今日見ると多少アイている。パワフルのシマのほとんどがアキ。だが道が悪い台も何台かあり、ヘソのアキも大半が閉めすぎを手直ししたに過ぎないことも分かっている。 226番台にしてもせいぜい25回程度だろう。そんな中、228番台のヘソが一番大きく見える。あまり惚れすぎると痛い目に遭うので、さりげなくスポーツ新聞を置いた。


 次はたぬ吉くん。ここも昨日はひどい有様だった。もともと厳しいゲージなのに、これでもかというくらいオトシを閉めていた。寄りに関しては悪くはないのだが、オトシに入らない限り寄りが良くても意味はない。今日も似たような案配。たまにはじっくり腰を据えて羽根モノを打ちたいものだが、今日もこれでは無理そうだ。隣のワンダフルポリスには多少脈ありの台があるが、これまで一度もいい思いをしたことがないだけに、あまり食指が動かない。


 今はクギを見るのはこれだけ。何とも心許ないが、台がとっかえひっかえされる現状では、せっかくクギを覚えても打てる台なんてそうそうない。成り行き任せで行くしかないだろう。

 さて228番台。この台を打つのは今日が初めてのこと。回りはいかにと打ち始めたら回る、回る。保留ランプが真っ赤に染まりっぱなしだ。最初の5百円で24回転。これなら勝負になるなと思っていたら、 5百円追加したところでわざとらしくオールフルーツのリーチがかかった。しかもプラムが6個にレモンが2個。これは信頼度の高い組み合わせじゃないか? 息を殺して中デジタルを見つめること数秒。バシーンとレモンが停止して、めくるめくオールフルーツ。こいつは朝から縁起がいいや。


 2回目──こういうわざとらしい当たり方をした後は気をつけなければならない。先の当たりが単なる冷やかしに終わってしまうと、回りにほだされてついつい打ち込んでしまうこともある。などとぶつくさ言いながら玉を打ち込んでいたら、何のことはない。上皿で大当たり。30回転目の出来事。トリプルリーチから中段に7・7・7。


 3回目──前回のかかりが終わると、保留2個目でリーチがかかった。シングルラインなのであまり期待しないでいたら、7がピタリと揃う。保留玉連チャンだ。労せずしてドル箱を3箱積むことができた。


 4回目──いったいどうなっているんだ? たったの7回転でまたも大当たり。だがこれはパワフルチャンスで、出玉はなし。リーチもかからず一件落着。


 5回目──ここで波が途切れた気配。千個打ち込んでも当たらない。ここまでの展開からすると少しくらいのハマリは甘受しなければなるまい。本当はここでヤメて帰ってしまうのだ一番カタいのだが、時間はまだ10時。いま来たばかり帰れるわけがない。誰もいない部屋で膝をかかえて一日を過ごすなんてまっぴらだ。 牛乳屋さんの珈琲を買いながら考える。かくなる上はどこまで勝負するべきか。現在の出玉は約3800個。パワフルの太い線は2600個落ち辺りだから、ここまで勝負するのは許される。然るにあと1600個が許容範囲ということか…。しかしそうなると残りの出玉はたったの2200個。これでは簡単にはやめられまい。さて、どうしたものか。と考えたって、オレのことだから残り2200個になったら全部突っ込むに決まってるじゃないか。それに投資はたったの千円なのだから、全部呑まれてもどうってことはない。決めた。玉が呑まれるまでの勝負。  意を決して打ち始めたが、なかなか当たらない。 2600個落ちでかかったオールフルーツとトリプルのスーパーリーチをハズしたのが何とも痛かった。以後は台が眠りに入ったかのよう。退屈な目の羅列でこちらも眠くなってくる。  すると(自分の手の計算では)3400個打ち込んだところで、降って沸いたように十字型のリーチが。これがスーパーになって当たってくれた。朝のオールフルーツといい、今のパチンコはこういうわざとらしさがなければ勝てないようになっている。時計を見たら10時48分。


 6回目──保留4個目でパワフルチャンスを引いたが、大当たりはなし。


 7回目──3400個落ちのスランプから抜け出したのだから、ここはすいすいと大当たりしてくれなければ話にならないだろう。まずは1000個までの勝負か…と思って回していたら、何とぴったり1000個打ち込んだところで7・7・7。やはり少しはやる気になってくれたようだ。


 8回目──連チャンはせず。しかし先ほどと同様の線で当たった。900個の打ち込みで7・7・7。


 9回目──今度はもっと早いのが来た。500個で7・7・7。しかし保留玉連チャンしないのがどうも…。


 10回目──またも波が途切れたようだ。しかしさほど深くならず、1900個の打ち込みで7・7・7。頭上のインジケーターを見ると270回転を表示していた。1.5倍のハマリか…。時計を見たら12時57分。


 11回目──筋道を追って計算してみると、ここまでで獲得した出玉はおよそ5300個。まだまだ心許ない玉数だが、投資がわずか1000円なのだから、そっくりそのまま浮いているよなもの。そろそろ守りにはいることも考え、2700個まで勝負するのが妥当だろう。黙々と打ち込み続けると、たったの700個で大当り。まだ弱性ながら波が続いているようだ。


 12回目──1700個で大当り。


 13回目──900個で大当り。当たるペースは悪くないのだが、連チャンがないので一気に玉が増えるには至らない。


 14回目──またも保留連チャンはなし。だがその次の1回転目でノーマルリーチがハズれた後、〝二段〟になって当たってくれた。ああ、ビックリした。自力連チャンで久々のW。


 15回目──先ほどの連チャンで本物の上昇波がやってきたのか、保留1個目で7・7・7。実質トリプルのようなもの。やっと出玉が増えてきた。


 16回目──600個の打ち込みで大当り。やはり好調状態が到来したみたい。


 17回目──またもたったの400個で大当り。これで出玉はゆうに1万個を超えた。


 ★このとき当たった図柄は本日二度目のオールフルーツ。メロンを通り過ぎててっきり7で停止するかと思ったら、その7をも飛び越えてスイカで当たってくれた。こんな当たり方があるとは知らなかった。ちょっと得した思い。

 18回目──900個打ち込んだところで大当り。それはいいのだが、ここに来て回りが極端に落ち込んでいる。回りが悪くなればワンスランプで殺されてしまうこともあるゆえに、ここは慎重に行くべきだろう。

 19回目──1000個打ち込んでも当たらない。回りは回復基調だが、久方ぶりに1000個のラ

インを超えてしまったのが気にかかる。時間は16時20分。ここからハマリにつきあっていては身が持つまい。やめた、やめた。 玉を替えたら13758個。両替のブツを受け取って退店。外は雨が降り出していた。本格的な梅雨も間近か。


 投資額=千円。出玉=13758個。トータル=3万5百円のプラス

 


2005年2月21日

●2月21日(月)晴


 前夜の深酒がたたってか、いつもより早く目が覚めてしまった。昨夜は幼なじみの友人とはしご酒。すっかり酩酊して、帰宅するや否や寝入ってしまった。ならば睡眠は十分かと言えばそうでもない。酒を飲むと眠りが浅くなるから、いくら寝ても寝たりない気分。


 そんな状態が影響してか、いつもより身支度に時間がかかって、家を出たのは8時13分。いつもより少し遅い時間になってしまった。外に出ると思わず身震いしてしまうほどの冷気。空はこんなに青いのに。重たい体をひきずるようにして駅前まで歩く。


 コンビニでスポーツ新聞を仕入れて、いつものサテンへ。しかし、窓からサテンの中を見ると、中は満席だ。あな珍しや。と、感嘆してばかりはいられない。これじゃあ開店までの時間を潰せないぞ。この寒空の下、誰かが店を出るのを待つなんてごめんだし、さて、どうしたものか。考えた挙げ句、駅の構内にあるコーヒーショップへと向かった。一杯180円のホットコーヒー(Sサイズ)を買って、狭苦しい席へ。身を縮めるようにしてスポーツ新聞を読む。味も素っ気もない。こんなことが度々続くようならばサテンのネグラ替えを考えなければいけないぞ。面倒だが、仕方がない。


 8時50分にいつもの入り口から店内へ。まずはF大ヤマト2とこれまでは書いてきたが、先週の入替でついにハズされてしまった。面白い台だし、それなりに客が付いていたのだから、わざわざ新台に入れ替える必要もないと思うのだが…。といったって、これは店の都合だから仕方がない。大ヤマトに替わって入ったスパイダーマンネオは、既にほぼ満席。とてもクギなど見られる状態でもないし、見ようとも思わない。ただの通路として通り抜けて、まずは大わんわんパラダイスから。


 毎週月曜日は新台入替の日に当たっているからか、それなりにアイている。前回の日記で信じられない当たり方を見せてくれた15番とその左の13番には既に座っている客がいるので、それ以外の台を見歩いたところ、17番、26番、30番、31番がアキ。いずれもヘソとワープ入口。


 続いてうる星やつら2。このシマもすっかり閑古鳥が鳴くようになってしまった。そのせいか、本日のイベントコーナーに指定されている。それなりにクギもアケているようだ。打つならば右カドから2台目の226番台か。ヘソがアイている。


 うる星の横のスターウォーズも、同様に人気がないせいか、本日のイベントコーナー。バタバタと見歩いたところ、以前からアキの形をとっている台も含めて213番、308番、305番、303番辺りが狙い目。この中で最もヘソがマシな形をしている303番にタバコを置いた。


 続いてエヴァンゲリオンを見に裏に回ると、ナニッ。垂れ幕がかかって中に入れないようになっている。そうか。ついにエヴァンゲリオンもハズされてしまったか。替わって入るのは怪物君。本日14時の開店だとか。そんなの、俺は知らない。人気のあったエヴァンゲリオンがハズされて、不人気の釣り吉三平が残っているのが理解できないが、これまた店の都合だから、何かを言ったところでどうにかなるものじゃない。羽根モノのアクアパラダイスはシメ体制。打てそうな台は無し。


 まだ時間が残されているので、おそ松くんの代わりに数週間前に入ったみなしごハッチを見ていると、開店の時間になった。


 さて、スターウォーズの303番。前回の日記の辺りからずっとアキの形を取っていた台。ずっと打つ機会に恵まれなかったが、今日がその時か。打ち出すと千円当たり25回転はある。これだけ回る台は久しぶりに手がける。すると、2500円目に8のリーチで白男の群が出現、これがスノーウォーカーSPに発展して、当たってくれるかと思ったが、9で止まってジ・エンド。ただのハズレと言ってしまえばそれまでだが、台の心を垣間見たような気がしてならない。何となく1万円まで打って、当たる気配が見られないのでヤメ。よく回るから、打ちたい人はどうぞ。


 続いて大わんパラの30番台へ。このシマは比較的人気が高いので、既に埋まっているかと思ったが、しっかりと残っていてくれた。こちらも千円当たり25回転はありそう。が、両隣に台叩きババアが座って鬱陶しくなったので、ひとまずぶん投げることにする。5千円打って、125回転。千円当たりピッタリ25回転ということか。縁があったら、後で。


 ぶん投げたのはいいが、アイている台は既に人手に渡っていたりで、(この時点で)喜んで打てる台があまりない。最も空席が目立つうる星は何となく打つ気になれないし、さっきヤメたばかりでスターウォーズのシマに戻るのも格好が悪い。


 昨夜の深酒のせいか、やたらと喉が渇く。緑茶を買って、店内をほっつき歩きながら考えた挙げ句に、知らないシマの方が期待が持てそうに思えて、みなしごハッチのシマへ。(ヨコの比較で)一番ヘソが大きい370番台へ。あまり期待はしていなかったが、これもまあまあの回りよう。といったって、こんなパチンコ、際限なくハマってはいられない。7千円目に実写の女の子が出て、ハズれたのを口実にしてヤメ。


 結局はスターウォーズのシマへ。さっきは格好が悪いと言っておきながら、間にもうワンクッション挟むと、不思議と抵抗を感じなくなる。303番は自分がヤメた後、せいぜい千円くらいしか食らい込んでないので時期尚早。折しも303番のの左に座った常連が確変を引いたところなのも悪材料なので敬遠するとして、自分はその背面に位置する213番台へ。これも千円当たり25回転程度か、あるいはステージのデキがよく、真ん中からヘソに落下してくれるので、もう少し上かもしれない。と考えながら打っていたら、2のリーチが大した予告もないままホログラムリーチへ発展し、ハズレ、と思ったらロボットがもう一度ホログラムを放射してくれて〝二段〟で当たった。意外や意外。確変図柄の1に昇格してくれて、ホッ。使ったゼニは8千円ナリ。時計を見たら11時30分。


 2回目(確変中)――あっけなく4・4・4。白男の群からバイクのリーチ。


 3回目――ここはとにかく2回分の大当りで得た3千7百個ほどの玉を使い切る一手だろう。呑まれたところが死に場所と定め、ひたすら玉を打ち込んでいると、千8百個ほど打ち込んで、1箱目の玉が無くなりそうなところで戦闘機が旋回して、さらに白男の群が走り抜けた。スノーウォーカーリーチに発展。この2つの予告が複合したとなれば、当たってくれないと話になるまい。絶対の勝負所。息を殺してバタバタと倒れる中デジタルを見ていると、大当り図柄がピタリと止まった。6・6・6。これが7に昇格してくれて、本日2度目の確変が始まる。この確変は5連チャンしてくれた。


 8回目――時短中、降ってわいたようにホログラムリーチがかかった。別段期待もしていなかったので、よそ見をしていたら、「ドーン」と聞き慣れない音がして、画面を見たら7・7・7。ああ、ビックリした。苦もなく確変を引き戻したぞ。時計を見たら12時50分。


 9回目(確変中)――確変中だというのに全く当たらない。当たってもおかしくはない予告とリーチの組み合わせは来ているのだが、ハズレを引いてばかり。まるでカス図柄での大当りを避けてくれているようだ。と考えていたら150回転ほどしたところでデススターリーチから9・9・9。


 10回目(確変中)――今度はあっけなく揃ってしまった。4・4・4。これにて連チャンは終了。出玉は1万6千5百個ほどになった。


 11回目――缶コーヒーを買いながらゼニ勘定をしてみると、ここまでに使った金が3万円。然るに出玉は約1万6千5百個あるわけだから、現在約8千円ほどの浮きになっている計算。さあ、どこまで勝負すべきだろうか。回りは足りているのだから、その気になればひたすら打ち込むところだが、せっかくプラスの領域に達したというのに、ここで一旦バックを踏むのは避けたいところ。となると2箱分、3千6百個ほど打ち込むまでの勝負か。同じSANKYOの大ヤマト2も3千3百から3千5百個の線で当たることが多かったので、ここまで勝負すれば納得できる。そう考えてひたすらデジタルを回していたら、残念でした。全くと言っていいほど予告もリーチも出現せず、淡々と2箱分の出玉を呑まれてしまった。今日はこれまで。

 玉を替えたら1万3千個。収支はピッタリ、チャラと相成った。散財する前に帰ろう。意を決して、15時ちょっと過ぎ、退店。


 投資額=3万円。出玉=1万3千個。トータル=プラスマイナス0円。