自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション

インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ

 

 

現在進行中の現場では外壁に「そとん壁」を採用しています。

 

 

写真ですと質感が分かりにくいのですが腰壁タイルとの相性も抜群で、軒天の杉板ともよく合います。

 

そとん壁の原料はシラス。

鹿児島のシラス台地と言うと聞いたことがある人も多いのでは。

 

「シラスはマグマが岩石となる前に粉末となった物質」と、説明してもなかなか分かりにくいのですが、一般的な土とは全く異なるものなんです。

 

 

続いてこちらは漆喰。

 

 

漆喰は石灰に糊などを混ぜて作るのでシラスと違い有機物ですね。

 

どちらも一般的に自然素材と呼ばれる建築材料で、内装外装どちらにも使えます。

 

 

とても素敵な仕上げなのですが、ビニールクロス(壁紙)に比べて数倍のコストはかかってしまいます。

 

漆喰などの塗り壁は機能面(調湿性)を売りにする方もいますが、そこは注意が必要です。

 

 

「内装に漆喰や無垢材を使えば調湿作用で一年中快適♪」
 
上の記事でも書いてますが、絶対にそんなことはないので・・・
 
 
じゃあ塗り壁の良さってなに? と聞かれれば見た目や雰囲気です。笑(屋外で使う場合は自浄作用など期待できますが)
 
 
でもその雰囲気という曖昧なものが空間づくりにはとても大事なんです。
 
 
ちょっとラフなコテむらや自然光の陰影など、塗り壁調のビニールクロスでは決して味わうことはできません。
 

微々たる調湿性なんかよりも何倍も価値があります。

 

 

とはいえ家中を漆喰仕上げにしてはコストも膨大になりますので、LDKの何面かだけでも良いでしょう。

 

むしろ全面はちょっとしつこくなる可能性もあるので、腰壁(板張り)と組み合わせたりすることで様々インテリアスタイルに応用できますね。