一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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キッチンの垂れ壁(下がり壁)を無くして開放的なキッチンにしたい、という方は多いのではないでしょうか。
初期(30年前くらい?)の対面型キッチンといえば垂れ壁と吊戸棚がセットだったのですが、圧迫感はあるし吊戸棚は使い難いしで、徐々に廃れていきました。
よって最近の新築住宅で垂れ壁のあるキッチンは、ほとんど見かけなくなってきましたね。
しかしキッチンを独立させたい、臭いがリビング側にいかないようにしたい、などの理由であえて垂れ壁を希望される方もおります。
例えばこちら
高さ30cmの収納棚を兼ね備えた垂れ壁を設け、棚下には照明を取り付けました。
リビング側から見るとこんな感じです。
リビングの天井が高いので、見た目はあまり垂れ壁という印象を受けません。
ちなみにキッチンの垂れ壁には延焼防止(内装制限)の役割があり、垂れ壁は50cm以上で不燃材で作ることなど様々なルールがあります。
しかし、IHコンロや最上階にあるキッチンの場合などは垂れ壁が不要になります。
このお家は平屋(最上階)で垂れ壁の形状や仕様に制限がないため、板張り&50cm以下の垂れ壁となっています。
たまーーに、2階建て住宅の2階にあるキッチンにも垂れ壁を設けているお宅を見かけることがあります。
この場合はお施主さんの要望か、建築士の提案か、建築士が無知であるかのどれかでしょう…
こちらも同じパターン。
垂れ壁があるとバーカウンターみたいな雰囲気になりまよね。
垂れ壁をなくせば開放的でオシャレになる!というのはちょっと安易な考えのような気がします。
結局はどのようなスタイルにしたいのか、そこが重要です。
続いては、キッチンを独立させたいけど開放感も確保したいというわがままなパターン。笑
やはり垂れ壁がないだけで開放的になります。
キッチン側に窓が取れない場合など日中の明るさも考慮しましょう。
気を付けたいのは、見た目上は独立したキッチンでも動線的には独立していないというパターン。
キッチンの脇を経由しないとトイレに行けない、そんな間取りだとお客さんにキッチンの中をのぞかれちゃいますので。
垂れ壁の形状は様々。
大きな三角開口にしてみました。
R型(アーチ)にしたり、ガラスで垂れ壁を作るのもおもしろいですね。
こちらは完全独立型のキッチンです。
その場合どうしても閉塞感が出てしまうのですが、間仕切り壁をガラスとすることでLDと適度な一体感が生まれます。
ここで使ったのはアルトドイッチェというアンティークガラス。
汚れも目立ちにくいのでキッチン向きかもしれませんね。
現在はオープンなキッチンが主流で、ハウスメーカーも当たり前のようにそれを提案してきます。
しかし本当にそれでいいのか、一度じっくり考えてみましょう。
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