自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション
インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ
間もなく完成の新築現場、外壁は珍しくガルバを使いました。
ウッドデッキは約6畳あり、屋根もしっかりかかっています。
新潟なので冬は雪が降りますし夏の暑さも過酷なため、やはりデッキには屋根をかけたいのです。
しかし、屋根をかけることでデメリットが発生する可能性もあります。
それが冬の日射取得。
冬の太陽光を窓から室内に取り入れ、暖房費を削減することができます。
それには「南面の窓を大きくする」ことが大前提になってくるのですが、南向きにウッドデッキを設けた時に問題が発生します。
そう、もうお分かりのとおり屋根です。
屋根の有無で冬の日射取得量が雲泥の差です。
オーニングやサンシェードを使うという手もあるのですが、
外観デザインや使い勝手を考えると微妙なところ。
よって南向きにウッドデッキを設ける時は毎回頭を悩ますわけです…
でも実際どれだけ暖房費に影響してくるのかというと、地域によって大きく異なってきます。
もちろん家の断熱性能や窓の大きさにもよりますが、太平洋側なら年間数万円暖房費を削減することも不可能ではありません。
一方、日本海側の我が県では微々たるものです…
南面に大量の窓があるならまだしも、掃き出し窓一枚程度ではおそらく年間数千円程度の削減にしかなりません。
とはいえ電気代も上がってますし、長期で見ればそこそこの金額になるでしょう。
でも迷う必要はありません、
理想のウッドデッキがある暮らしと、年間数千円のコスト削減を天秤にかけるだけですので。
今は電気代だけではなく、物価全体が上がっています。
節約や省エネももちろん大切なのですが、家づくりにはそれ以外にも大切なことがたくさんあるのです。
どんな暮らしがしたいのか、どんなことに幸せを感じるのか、分かっているようで分からないのが家づくりの難しいところ。
答えは十人十色です。