自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション
インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ
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子供の頃に住んでいた家。
いい感じに撮れました。
築80年は超えているのですが、外見はまだまだ問題なさそうです。
広い座敷に囲炉裏まであるんですよ。
下半分がガラスになっている雪見障子、昔の人は考えることが粋ですね。
土台の腐れも見当たりませんでした。
軒が1m近く出ているので少々の雨では外壁まで濡れないんですよね。
これが家が長持ちする理由の一つです。
神社や寺など築100年を超える歴史的な木造建築も、当然のように軒が出てますよね。
近年、軒が全くない箱型の家が多くなりましたが雨漏りや耐久性の面では不安です。
実際、そのような家は雨漏りリスクが5倍近くになったというデータもあります。
正しい施工をすればそのようなリスクを大きく減らせるのですが、現実的には出来ていない住宅会社もまだまだ多いんですよね。
しかも雨漏りって屋根からではなく、窓まわりから雨が入ることも多いんですよ。
よって外壁に雨があたらない、というのは理にかなってるんです。
とはいえ箱型にするメリットもあります。
軒を無くすことで狭小地でも建築可能になったり、コストカットにもなります。
しかし逆を言えば広い土地で多少予算に余裕があるのなら、箱型を選ぶメリットは少ないと個人的には思いますけどね。
特に雨の多い地域ではリスクが高まりますし。
その他に、日射をコントロール出来ないのもデメリットです。
夏は窓からの日射がキツイですし、それを回避するには外壁に庇を取り付ける必要があります。
近年は自然の力を活かしたパッシブ設計も注目されてきましたしね。
屋根形状ってデザインだけじゃなく、色んな面に影響してくるんです。