自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション
インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ
住まいにおいてエアコンはなくてはならない存在ですが、設置位置を考える際はいつも頭を悩ませます。
建物正面に室外機がこないように…
人に直接風が当たらないように…
内装デザインを邪魔しないように…
冷暖房効率がよくなるように…
考慮しなければいけないことがたくさんあるのです。
しかし前回の物件で使った三菱エアコンのFLシリーズ(MSZ-FL4021S)、なかなか良かった。
全面ブラックでシャープなフォルム。
壁色や取り付け位置によってはかなり目立たなくなります。
(強いて言えば、仕上げは鏡面じゃなくて艶消しがよかったですね)
横からの見た目もグッド、奥行き23.3cmとかなり薄いのです。
最近のエアコンは自動お掃除など様々な機能が付いたせいでどんどん巨大化してます。
横幅は規格が決まってるので、奥行きが増して壁からかなり突き出てくるのです。
これが空間の中で悪目立ちするんでよね…
しかしこの三菱FLシリーズは余計な機能が付いてないおかげで、壊れにくいエアコンとして業界では評価が良いようです。
また三菱エアコンは分解が比較的容易で、掃除やメンテもしやすいとのこと。
ちなみに我が家のダイキンうるさら(奥行き37cm)と比べると、奥行きの差は歴然。
取り付け位置が低いとなおさら圧迫感が…
業界最薄エアコンはダイキンのリソラで18.5cmです。
このリソラにもブラックがあるので検討はしたのですが、結果的には三菱に決めました。
その決め手は暖房能力と省エネ性。
では14畳タイプで両者を比較してみましょう。
三菱・FLシリーズ
低温時暖房能力:8.1kW
APF(通年エネルギー効率):6.7
ダイキン・リソラ
低温時暖房能力:5.4kW
APF(通年エネルギー効率):5.0
低温時暖房能力とは、外気温が2度の時にどれくらいの暖房能力を発揮できるかを示しています。
その差は2.7kWなので、ざっと6畳用エアコン1台分の暖房能力差がありますね。
寒冷地に住まわれてる方は、エアコン選びの際この数値に着目してください。
続いてAPF、これはエアコンの省エネ性を表しているのですが、今回の二者ですと年間で約12,000円程度電気代の差が出る計算です(1kW31円計算)
今後電気料金が上がってくると、この差はもっと大きくなるでしょう。
ただし省エネ性の良い機種は一般的に高価格になるので、その点は注意が必要です。
あとエアコンの畳数表示ももうそろそろ止めたほうがいいですね。
あれは50年以上前の家の断熱レベルが基準になっているのです。
なのであの畳数を鵜呑みにしてエアコンを選ぶとオーバースペックになってしまいます。
そしてこちらも是非覚えておいてほしいのですが、以下の表をご覧ください。
赤マーカーを付けた部分に注目。
なんと14畳用と23畳用ではわずか0.3kWしか低温時暖房能力が変わりません。
これはほとんどのエアコンに言えるのですが、畳数が大きいからといって最大暖房能力が高いわけではないのです。(冷房能力には差があります)
しかしエアコンの価格は畳数に比例して高額になっていきます。
暖房能力がほとんど変わらないのに、わざわざ高いエアコン買う理由ってありますかね?
ということで今回のお宅でも14畳用を使っているのです。
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