一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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近年、和室を設けるお家が減ってきました。
生活スタイルの変化はもちろん、昔と比べ家自体が小さくなっていることなど要因は様々。
そもそも和室を設けたい理由は何なのか。
実はこれがハッキリしていないことが多いんですよね。
「来客の時に必要かもしれない」
「将来、寝室として使うかもしれない」
予算に余裕もあり、ある程度広いお家ならそのような考え方も良いかもしれませんが…
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ではここで『家に和室がある』方500人を対象としたアンケート結果を見てみましょう。
出典:Alba Link 不動産総研
(新築に限ったアンケートではなく、今現在暮らしている家に和室がある方を対象にしています)
アンケート結果で1位の寝室・私室と以下2位~7位とで、ひとつ大きく異なる点がありました。
和室の使用時間(滞在時間)です。
寝室であれば毎日長時間使用しますが、「客間」や「仏間」、「休憩スペース」は一週間のうちに何時間使用するでしょう?
2020年のデータになりますが、新築住宅の全国平均坪単価は約94万円です。(フラット35)
現在は住宅価格が更に上昇しているので、100万円を超えているかもしれません。
ということは6畳(3坪)の和室には単純計算で300万円のコストがかかっているんですよね。
「昼寝・休憩スペース」に300万かけるってどこの富豪だよって話です。
そして4位の「物置・収納スペース」に関しては、そもそも和室である必要が…
子供が遊ぶスペースも必ずしも和室である必要はないと思います。
確かに畳はフローリングよりも傷つきにくかったりしますが、それならカーペットフロア仕上げでも良いですよね。
むしろフローリングにカーペット(ラグ)を敷いてたほうが、もし汚してもクリーニングできて使い勝手もよさそうです。
ちょっと話は逸れますが、
この手の話題になるとちょっとややこしいのが和室の定義です。
内装は洋風でも床が畳なら、それだけでその部屋は和室と呼ばれます。
近年の新築住宅における和室の多くがこれに該当するでしょう。
この手のアンケートの場合、「和室」とするよりも「畳(の部屋)」としたほうが現代の住宅事情には合っているかもしれませんね。
続いてこんなアンケート結果も。
私的には1位や4位の精神的メリットは理由としてアリだと思います。
これらは和室(畳)だからこそ得られるものであって、一見ふわっとした理由ではありますがある意味本質的です。
逆にそれ以外はやはり和室である必要性がそこまで感じられません。
こんなにも和室をディスってる(?)私ですが、我が家には畳の小上がりがあります。笑
もうちょっとこうすればよかったなという部分はたくさんありますけどね。
私的には和室(畳)が必要かどうかよりも、和室を個室とするかどうかのほうが重要な気がします。
リビングの一角に設ける和室(畳スペース)と、廊下を挟んで独立した和室。
同じ和室でも用途や使い勝手は大きく変わってきます。