一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。

 

また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。

 

↓バックナンバーは各カテゴリーから↓

 

イベントバナー

 

 

近所に1年半近く売れ残ってる建売住宅があります。

 

立地はまずまず、販売価格も近隣物件と比べ若干安いくらいで知名度のある住宅会社が建てた建売住宅なのですが…

 

売れないのです。

 

 

そもそも現在住宅業界は全国的に大苦戦しています。

 

 

令和5年4月の新設住宅着工戸数は前年同月比-11.9% 

 

持ち家(注文住宅)に関してはこれで前年同月比が連続17ヶ月マイナス…

 

4月に着工数2万戸を割り込んだのは、なんと1959年以来とのこと。

 

単月の数値とはいえ64年ぶりの水準は、住宅業界が如何に絶不調なのかを表しています。

 

 

 

こういった状況もあり、売れない住宅は更に売れなくなっているわけです。

 

しかしその建売住宅が売れない理由は他にもありそうです。

 

 

例えば間取り、

 

 

これを見て皆さん何か気付くことはありますか?

 

そうです、

 

1階に収納が全くない(玄関以外に)のです。

 

収納の定番、階段下も洗面所への通路となっていますね。

 

洗面所はトイレ側からも入れるのでせめて階段下は収納でいいような…

 

 

 

一般的に住宅の収納は延床面積に対して10%は必要とされています。

 

この住宅は床面積110㎡なので11㎡(6.7畳分)は収納スペースが欲しいところですが、計算してみると収納スペースは約5.7畳くらいですね。

 

必ずしも少な過ぎるというわけではありませんが、やはりバランスでしょう。

 

2階の収納スペースを1階にも上手く割り振ることが出来ればよかったかもしれないですね。

 

 

 

ちなみに新築住宅も完成から1年経過すると中古住宅扱いになってしまいます。

 

厳密には未入居物件と言うんですけどね。

 

これによって様々な補助金の対象から外れたり、そもそも売れ残り物件という悪い印象がついてしまいます。

 

なのでハウスメーカーや不動産屋はなんとか1年以内に売り切りたいので、築後半年程度経過した建売住宅は値引きされる傾向にあります。

 

 

 

まだしばらく住宅業界には厳しい時代が続くと予想されています。

 

売れ残り物件が増えれば住宅価格は下落するでしょう。

 

その時が住宅購入のチャンスかもしれませんね。