一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。

また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。

 

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【回遊動線】

家の中に極力行き止まりを作らず、各部屋へのアクセスを2つ以上設けることで部屋間の移動をスムーズにした動線設計。

 

 

ここ数年、この回遊動線的な間取りがとても人気です。

 

「家事楽動線」とも呼ばれたりしていますね。

 

 

 

私も回遊動線的な間取りを提案することがありますが、気を付けていることも多々あります。

 

 

 

例えば、回遊動線とすることで各部屋への移動距離が数歩(数m)短くなった代わりに、収納力が大幅に落ちること。

 

これが回遊動線間取りで一番大きなデメリットです。

 

確かに家の中をぐるぐる回れて楽しいことは楽しいのですが…

 

 

 

回遊動線=廊下(通路)面積が増える傾向にあるので注意しなければいけません。

 

 

 

暮らしやすい間取りのはずが、かえって暮らし難くなる。

 

動線を重視し過ぎるとこのような事態になりかねないのです。

 

 

 

 

 

こちらは我が家の1階間取り。

ワークルームを狭めてホールから洗面脱衣室へのアクセスを設けようか、と一時期考えたこともありましたが、結果的にやめてよかったです。

 

正直、たった数歩移動距離が短くなった程度ではそこまでの恩恵ってないんですよね。

 

 

特に延床面積30坪前後のお家は元々移動距離(動線)が短いので、収納や他の部屋の面積まで削って回遊動線とするのかは要検討です。

 

 

これが延床60坪以上のお家になってくると話は別です。

 

家が大きくなり自ずと移動距離が長くなるので、回遊動線の恩恵を感じやすくなるでしょう。

 

 

 

ということで今回は回遊動線について書いてみました。

 

「SNSで流行っているから」

「なんとなく暮らしやすそう」

 

安易な考えで取り入れると後悔することもあるのでご注意を。