
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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電気料金高騰の負担軽減策として「月最大2000円程度の支援を検討」
とのニュースがありましたね。
そんな回りくどいことしないで、電気料金にかかる消費税を一時的にやめてしまえばいいのに…と思った方は少なくないはず。
さてそんな中、来春には更に3割程度の電気料金値上げが控えているとも言われています…
とりあえずはこれから迎える本格的な冬、なんとか電気料金を節約しておきたいものです。
電気代0円の暖房
太陽を最大限活用してみましょう。
太陽光発電?ソーラーパネル?
ということではなく、太陽の日差しをそのまま熱源として利用するのです。
これから冬至に向かうに連れて太陽高度はどんどん低くなり、より室内に日差しを取り入れやすくなってきます。(立地条件によりますが;)
我が家の東南面の窓もこの時期になると、日差しがたくさん入りこむようになってきます。
この日差しを活用しないのは実にもったいないのです。
太陽光には驚きの暖房能力が
日差しが暖かいと言ってもどうせ日向ぼっこ程度のもんでしょ?
そう思っておられる方も多いでしょう。
がしかし、太陽光の暖房能力は馬鹿に出来ないのです。
これは先ほどの写真をサーモカメラに切り替えた画像。
日射面とそれ以外では10℃以上の差があります。
この日の外気温は11℃くらいでしたが、室内はエアコン暖房なしでも22℃程度まで上昇しました。
それもそのはず、冬の南面の窓は電気ストーブと同じくらいの暖房能力があるのです。
大開口の掃き出し窓にもなれば1000W程度の熱源に相当するので、我が家でも使っているアラジンのグラファイトヒーターと同じ能力です。
1kWh=29円として計算すれば1日あたり数百円、月に数千円の暖房をタダで使えることになります。
これを使わないなんてもったいない!
夏は逆に日差しをカットすべし
太陽光の暖房能力がわかったところで、気を付けたいことがひとつ。
それは夏の日差し。
季節が変われば日射は憎き敵に変わるのです。
なので冬暖かくなるからと、むやみやたらに日射取得のための窓を増やすと夏に地獄を見ることになります。
それを回避するために予め窓の位置や大きさを検討することが大切です。
また南面の窓は庇を設けることで、夏の日射を防ぎながらも冬には日差しをたっぷり取り込むことが出来きます。
特に太平洋側など冬の日射が期待できる地域の方は、是非太陽光を上手く取り入れた家づくりをしてほしいものです。(残念ながら私は日本海側の雪国…)
住宅会社は提案してくれる?
このように太陽や風、立地条件など自然を活用する設計をパッシブデザインと呼びます。
高価な冷暖房機器に頼る前に、まずは自然エネルギーを使いましょう、ということですね。
この手の設計や提案ですが、残念ながらハウスメーカーは弱いです。
設計の難易度も上がりますし、そもそも知識を持ち合わせていない建築士や営業もいるかもしれません。
私は省エネも大事だけど、デザインもこだわりたい派の建築士です。
気に入らないデザインにしてまで過度に省エネを追及したいとは思いませんが、デザインに影響がなければ積極的に省エネやパッシブも取り入れたい。
この考え方は人それぞれで、正解はありません。
自分がどのような暮らしをしたいのか。
自分にとって快適とは何なのか。
それを理解して共感してくれる住宅会社が見つかると、家づくりはきっと成功するのでしょう。
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