一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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南向きのリビングってどんなイメージがありますか?
きっと皆さんが思い浮かべること、
それは
「明るい!」
ではないでしょうか?
確かに明るくなる可能性は高いのですが、設計や隣地の建物などによっては想像以上に暗くなることがあるんです。
例えばこちらのお家。
向かって右側のお家が先に完成し、その1ヶ月後に隣の新築が建ち始めました。
右側のお家には南面に大きな窓と庭があります。
12月初旬の午後2時くらいに撮った写真なのですが、これを見てどう思いますか?
南側、真っ暗ですよね
その原因は見てのとおり隣りの家なのですが、太陽高度の低い冬は完全に隣家の影に隠れてしまうのです。
逆に夏は高度が高いので強烈な太陽光が射し込みます。
南面に大きな窓、その先には庭を!
という気持ちは理解できるのですが、この場合私ならそれらは東面に計画します。
「東面は今は何もないけど、将来建物が建ったら同じじゃない?」
確かにそのリスクはあります。
しかし東面には建物は建たないのです。
何故かって?
実は以前この近くで設計した物件があり、その時に不動産屋に直接問い合わせたことがあるんです。
「東面は開けていて眺望もよいですが、近いうちに宅地造成することはありますか?」と。
その返答は、東面の田んぼは開発の許可が下りないから開発する計画はない、とのことでした。
よって将来に渡って建物が建つ可能性は極めて低いのです。
設計という仕事は本来こういったところまで検討するのですが、残念ながらここまでする建築士は少数派かもしれません。
特にハウスメーカーとなると、お客さん一人に割ける時間は限られてますので。
しかしこの家の中を実際に見たわけでもないですし、このような設計をした意図もわかりません。吹抜けっぽい窓もあるので案外リビングは明るいのかもしれませんしね。
それでも私は東に…
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