一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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「我が家は無垢のダイニングテーブルを選びました♪」
SNSで見かけた投稿には以下のような写真が
(実際のダイニングテーブルとは異なります)
確かにオーク材なのですが、これを無垢材と呼ぶのは間違いです。
このような板材は集成材といいまして、細かい木材を圧着して一枚の大きな板に成形しています。
我々建築業界の人間は、集成材を無垢材と呼ぶことはありません。
例えるなら、無垢材はステーキ肉で、集成材はサイコロステーキ(成型肉)といったところでしょうか。
しかし商品説明欄を見ると、
オーク無垢集成材と書かれています。
無垢と集成は相反する言葉なので、我々はこの表記が間違っていることに気付きます。
でも一般の方はまず分からないですよね。
ちなみに農林水産省も無垢材の定義を、接着剤を使用していないことと明記しています。
なので最初の画像に【天然無垢木材】と記載してるのは、限りなくブラックに近いグレーなのです。
もちろん集成材には集成材の良さがあり、カウンターや棚板で使うことはあります。
しかしそういった先入観もあるせいか、私は今まで集成材のダイニングテーブルを提案したことは一度もないです。
それに個人的には集成材よりも突板の天板のほうが好みです。
突板も無垢材ではないのですが、見た目は集成材と違って継ぎ目などがありません。
こちらでも詳しく書いてます。
そしてもう一つ、商品説明欄で注目したいのが「脚」です。
オークは高級な樹種のため、コストを下げるために脚やフレームをオーク材以外(ラバーウッドなどの比較的安価な木材)で作ってる場合が多いです。
しかし天板がオークなら商品名は「オーク材ダイニングテーブル」となります。
脚やフレームは商品説明欄を読まないと分からないんですね。
もちろんテーブルは天板が主役なのですが、脚やフレームで印象もけっこう変わるんですよ。
家具を選ぶ際は、是非商品説明までしっかり確認してくださいね。