ご覧いただきありがとうございます。
一級建築士である私自ら設計&デザインした物件について書いてます。
自己紹介はこちらから
新型コロナウイルスが、住宅業界のこんなところにも影響しています。
それは契約解除。
「収入の見通しがつかなくなったので契約を解除したい」
法律事務所にこのような相談を持ち掛ける人が急増しているとのこと。
上記のように契約解除の理由をはっきりと言ってくれればいいものの、
「予算オーバーした見積もりを出されても意味がない。契約解除するから、今まで支払った設計料を返してほしい」
このように契約解除の理由を、住宅会社に責任転嫁してくる人もいるらしいんです。
住宅会社側もこんな風に言われたら困ってしまいます…
設計料に関して過去にこんな裁判が。
とある設計事務所が2,500万円の予算で住宅の設計を頼まれました。
しかし施主側がどんどん高額な設備や仕様を要求し、予算超過することに。
設計事務所「それでは予算オーバーしてしまいますよ。」
施主側「では契約解除させていただきます。」
「わかりました。では今までの設計料は支払っていただきますね。」
「え?こんな予算オーバーの図面に1円も払いませんよ?」
そして設計事務所が施主側に設計料の支払いを求めて裁判へ。
この裁判の結果はどうなったと思いますか?
設計事務所の訴え通り、施主側への設計料の支払い請求は全面的に認められました。
「設計事務所は施主の予算額を承知し、できる限り予算額の中に収まるように努力したことがうかがえる。設計事務所は施主の予算を無視して設計したわけではない。」
建築不動産業界は消費者(施主)が保護されやすいルールとなっていますが、この判例からわかるように必ずしも消費者が保護されるわけではないんですね。
当たり前といえば当たり前ですけど…
しかし、施主の予算額を無視して予算の1.7倍の見積もりを提示してきた設計事務所に施主への報酬請求を認めない、という判例もあります。
さすがに施主の要望を無視しする設計事務所はアウトというわけです。
私自身も、過去に似たようなことがありました。
お客さん「どうしても2,000万円以下に抑えたいんです」
私「ご要望聞く限り使える材料などは限られます。それでもよろしいですか?」
「もちろんです。予算に合わせて提案してください。」
そして、見積もりとプランを作成。
「予算内に収まりましたが、いかがですか。」
「う~ん、やっぱりここはこうして、あそこはああしたいですね。」
「予算は確実にオーバーしますが大丈夫ですか??」
「大丈夫です、お願いします!」
こんなやりとりを何回か繰り返した挙句、
「すみません、やっぱり予算超えると厳しいので一度考えさせてください。」
「・・・」
大丈夫って言いましたよね?
心の声
もちろんこのお客さんはそれっきりです。
お客さんと設計契約を結んでたわけではないので、設計料を請求するのは難しいですがこれはキツイ。
お金もそうですが、精神的ダメージが…
住宅会社あるあるなんですけどね。笑
いや、仮に設計契約結んでたとしても理由がコロナなどなら、契約解除しても設計料なんて取りませんよ…(心優しい私は)
でも嘘はよくない。
正直に話しましょう!
住宅業界はそんなに悪い人ばかりじゃありません。笑
関連記事
ランキング参加しました。応援よろしくお願いします。