グォさんの仮装大賞 | りうりー的房間

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個人的、記録的、日記的、な。

「グォさんの仮装大賞」をDVD観賞。
タイトルも、パッケージも、ハートウォーミングなドラマ感一杯。

中国語のヒアリングも兼ねて楽しもうと観始めたのですが。



やられました。
号泣。
久々の。


中国の老人ホームが舞台です。
今は高齢者介護施設と言わなくてはならないのですが、敢えて。

二度目の妻と死別し、継子に家を明け渡し、実子に憎まれ、行くあてもなく友人のチョウさんが住む老人ホームにたどり着いたグォさん。

チョウさんの発案で、入居者皆で仮装大賞に出場を目指して都会を目指すロードムービーです。


が、都会への途上よりも、ホームでの生活がメインでしょうか。

心を通じ合わせる彼らそれぞれが、
家族との問題を抱えています。



認知症や病気、苦しみや哀しみ。
迫り来る人生の終末。
一番は身寄りがなかったり、
家族との不和だったりの心痛が彼らを悩ませます。




現代の中国社会が直面する大きな問題が、丁寧に描かれていました。
それは同時に、日本の問題でもあります。




決して綺麗な老人ホームではないのですが、レトロな建物や、中国式のインテリアにきゅんとします。
居住する部屋も同じく、心惹かれる懐かしい簡素で清潔な中国の普通の内装です。


グォさんが、孫に語るシーンで、その言葉に涙が止まりませんでした。
声を出して嗚咽する自分に、びっくり。
「木の上に何がいるの?」
「雀だよ。」
その言葉の深い意味を分かち合う祖父と孫。




人生の終末をどう生きるか。
だからこそ、今をどう生きるか。

親の気持ちを知り、
子の葛藤に共感し、
その子、孫を持たない自分の無力が甦り、
心をあちこちに揺さぶられるドラマでした。

まさかの泣きっぱなし映画でした。


原題は「飞越老人院」です。
(すごーい、ピンイン入力で「飞越」と打ったら、変換予測で「老人院」と出てきた!話題作だったのでしょうか。)

ストーリーからして「欽ちゃんの…」と掛けたのでしょうが、残念過ぎる邦題。
「飞」=飛、には大きな意味があるのに。

そして、天津の医師が場に不似合いなほどイケメンだ、と思っていたら陳坤だったと後で知る。



この映画、激しくお奨めいたします。
やっぱり中国映画は、この路線が強いなぁ。