かなりの割合で餃子の作り方を教えてもらうことになる。
思えば初めて中国に行った大学一年の春、
赴任していた父の部屋で、
大学生たちが大勢詰めかけて餃子を振る舞ってくれた。
留学中も何度となく、
なにかというと、
では餃子を作ろう、的な話にまとまり、
イベント風な楽しさも伴い、
愉快な会食になる。
まだまだ中国が、発展途上にあった頃のお話。
さて、私は、その度重なる餃子会のおかげで、
そのレシピと、作り方を仕込まれた。
日本で餃子店を開こう。
君が皮担当、と言われるくらい、
麺棒一本でくるくる皮を丸く作る私の技術はなかなかのものだ。
帰国後、高校で中国語を教える講師をしていた時、
教室で餃子を作ったこともあった。
学校の先生たちに内緒と、教室に生徒がガスコンロを持ち込んで、茹でて食べた。
食べてる途中で、何故だか教頭先生が見に来て、鼻から餃子が飛び出しそうなほど驚いた記憶がある。
前置きが長くなったが、
長く作ることのなかった水餃子を、
突然食べたくなり、
(いてもたってもな、強い衝動)
作った。
何年ぶりだろう?
8年は作っていないはず。
手は体は覚えている皮伸ばしの作業をなんなくこなし、餡を詰め、肝心のものを準備。

四川から空輸された唐辛子の砕いたもの、
花椒粒、花椒粉を混ぜ、熱した油を注ぐ。
懐かしい香り。
コクを帯びた油の香り。
四川の町の香り。
これに鎮江黒酢を足して茹でた熱々の餃子を浸して…
食べることにします。