conductive type v. conductivity type | The U.S. Patent Practice

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今日は翻訳の話題です。

不純物半導体
ふじゅんぶつはんどうたい
impurity semiconductor

電気伝導において電荷を運ぶキャリアがおもに不純物元素により供給される半導体。ほとんど電気を流さない真性半導体に不純物を加えることで電気を流すようになる。通常 10-3~10-8 程度の割合の不純物元素を含む。キャリアが電子である場合をn型半導体,キャリアが正孔である場合をp型半導体という。

(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

 

この n型 か p型 かを表す「導電型」の訳語として、時々 "conductive type" が使用されているのをみかけます。既に確立してしまった感もあるこの訳語ですが、英語として読むと不自然に感じられます。

 

これは、"conductive"とは「導電性のある」という意味の形容詞であり、"conductive type"とすると、"type" というものが導電性を有するように聞こえるからです。

 

例:conductive material (導電性のある材料),  conductive coating (導電性のあるコーティング)

 

不純物半導体の文脈では、"conductivity type" 又は "type of conductivity" (「導電性の型 (n or p)」) が自然な表現となります。

 

誤りとはいえ、既に普及した表現であることと、英語圏の当業者であれば意味は理解できることから、既存の文書を全て見直して修正する必要はないと思います。ただ、今後新たに作成する英文書類では、"conductivity type" をチョイスされることをおすすめいたします。