control unit v. controller unit - MPF | The U.S. Patent Practice

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少し前の案件になるのですが、同じ出願のクレームにおいて、"control unit" と "controller unit"の二種類の構成要素が含まれており、前者については第112条(f)の適用 (いわゆるミーンズプラスファンクション(MPF)形式の限定と認定)がなされ、後者については第112条(f)の適用がなされなかったことがあります。

 

以下は、OAからの抜粋となります。案件が特定されないよう、一部、情報を白抜きにしてあります。

 

まず、"control unit" について。

 

 

unitはplace holderに過ぎず、他に十分構造的な記載がないため、MPF形式の限定とのことです。ありがちなパターンで、想定される指摘です。

 

一方、"controller unit" について。

 

 

少し理由付けしてありますが、要は "controller"は、この発明の属する分野 (白抜きsystemsの分野)で知られた構造と認められるため、unitというplaceholder にもかかわらず、MPF形式の限定ではないとのことです。

 

白抜きされているせいでピンとこないかもしれませんが、その業界の当業者にとって"controller unit"なるものの構造が理解できるのであれば、"control unit"も理解できそうなものですが・・・いかがでしょうか。

 

実は、上記のOAは許可通知でした。たまたまRule 312補正にてクレームの誤記を修正する機会があったため、"control unit"から始まる構成要素は全体として構造と認識される"connoting structure"であると主張しておいたところ、審査官はあっさり納得しました。

 

 

長々と書いてきましたが、結局のところ、審査段階での第112条(f)の適用については、審査官の判断がまちまちで、あまり細かくこだわっても仕方がないので、最低限の対応※をした後は、適用する意図があるのかないのかだけを審査記録上はっきりさせておけばよいと個人的には思っています。

 

 

(※日本のクレームでみられる○○部のように、動詞+unit, part, portionに翻訳される構成要素の修正)